勉強法は “定番” がやっぱり最強。「超基本」なのに大人がおろそかにしがちな4つの学習法

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最近知ったばかりの勉強法や、勉強に役立つとされるテクノロジ―をいくつも試したのに、たいして成果が出ない……。その理由はもしかすると、あなたが「基本の勉強法」をおろそかにしていたからかもしれません。今回は、おろそかにされがち」だけど「決しておろそかにしてはいけない」超基本的勉強法を4つご紹介しましょう。

【1】手書きでメモをとる

子どもの頃から鉛筆を握って勉強してきた私たちにとって、「手書き」はまさに、勉強の定番中の定番。ですがいまでは、パソコンを使えば大量のメモを短時間にとれますし、オンラインで問題を解くことも可能。「手軽に効率よく勉強するには、手書きよりデジタルのほうがいい」と思っている人は多いでしょう。

しかし勉強では、手書きをおろそかにするべきではありません。というのも、手書きのほうが学習効率が高いと研究で示されているからです。

アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学の研究者が、被験者の学生に対して普段通りの方法で講義のメモをとるよう指示。そして講義のあと、その内容についてテストを実施しました。すると、パソコンでメモをとった学生よりも、手書きでメモをとった学生のほうが、学んだ概念をよく理解していたという結果が出たのです。

研究責任者のパム・A・ミューラー氏とダニエル・M・オッペンハイマー氏は、「パソコンでは、講義の “書き起こし” に近いメモをとってしまうため、記憶に残りにくくなる」と分析します。パソコンでは大量のメモをとれるものの、それは講義内容の “コピー” を作成しているに過ぎず、内容を自分なりに理解できているわけではないと言うのです。

一方、手書きとなると当然、講義中の言葉をすべてメモすることなどできませんから、自分なりの言葉で書くことになります。これが、手書きで学習が深まる理由のひとつ。脳トレーナーのジム・クウィック氏も、「他人が話した情報をただ書き取っても、自分のものにはならない。深く学ぶには、情報を咀嚼し、自分の言葉で書くことが肝心だ」という趣旨のことを述べています。

手書きで勉強するなんて、面倒だし子どもじみている――そんな間違った考えは、すぐに手放してくださいね。

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【2】繰り返し勉強する

「復習をしましょう」「このドリルを繰り返し解きましょう」と、学校の先生から指導を受けてきた。それなのに、大人になったいまでは、つい新しい教材へ目移りしたり、「時間もないし、もう覚えたからいいや」とたった一度で投げ出したり――。

そんな、繰り返すことを怠りがちな人は、勉強の仕方をすぐにでも改善しましょう。なぜなら、一度しか勉強していない内容は、短期記憶にしかならないからです。

『記憶力の脳科学』著者で、脳研究の第一人者である柿木隆介氏は、たとえ一度勉強しても、脳は次の日にはその74%を忘れてしまうと指摘します。勉強したことを長期記憶として脳に留めるには、反復学習するしかないのだそう。繰り返す回数が多いほど忘れにくなるそうです。

実際に “繰り返し” で大きな成果を出した人のひとりが、東大を首席で卒業した弁護士の山口真由氏。「7回読み勉強法」を編み出し、塾に通うことなく難関試験に合格しました。同じ本を7回読むというきわめてシンプルな勉強法の手順は、次のとおりです。

1~3回め:サーチライト読み
見出しを拾いながら流し読みして全体像をつかむ。

4〜5回め:平読み
重要なワードを意識しながら、普通の速度で読む。

6〜7回め:要約読み
「つまり、どういうことか?」と要約しながら読む。

3回めあたりから、ページをめくるときに「次のページはこんなことが書いてあったはず」と内容を思い出せるようになるそう。また、6・7回めで「ここにはこういうことが書いてある」と自分の言葉で要約しながら読むことで、より理解が深まっていくとのこと。このように、7回読みは、記憶への定着度合いを確実に強くしていける方法なのです。

勉強で成果を出したいなら、「もう覚えた!」と思っても復習を怠らないこと。よく心得ておきましょう。

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【3】スキマ時間で勉強する

学生時代、定期テストが近づくと、通学電車に乗っているほんの十数分のあいだでさえ、教科書を一心不乱に読んでいた……という人は多いはず。なのに社会人になったいま、「まとまった時間がないと、勉強なんてできない」などと都合よく考えを変え、通勤電車のなかでボーっとしていませんか?

「時間がない」ことを勉強しないことの言い訳にしがちな人は、いい点数をとるために短い時間を勉強にあてていた学生の頃のように、スキマ時間で勉強しましょう。

たった5分のスキマ時間でも、活用すれば充分勉強できる――そう説くトレスペクト教育研究所代表の宇都出雅巳氏は、スキマ時間なら誰にでもあると指摘します。通勤時間はその代表例。

総務省の調査(2016年、社会生活基本調査)によれば、通勤時間は全国平均で往復1時間19分。片道40分ほどです。そのうち何分勉強できるかは人により違うとはいえ、「電車に乗っているあいだだけでもポッドキャストを聴こう」「バスを待っているあいだに単語帳を眺めよう」など、ちょっとした勉強に費やせるようなスキマ時間は必ず見つかるもの。

宇都出氏いわく、スキマ時間で勉強をするなら、すばやく・ざっくり繰り返すがポイントだとのこと。「テキストはサッと目を通すだけ」「問題文や解説文を読むだけ」といった勉強を何度も繰り返せば、先述の反復学習の効果で知識が定着するはずです。

学生時代の気持ちに戻って、スキマ時間の勉強を再開しませんか?

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【4】音読する

小中学生の勉強法の定番のひとつが、教科書の音読。かつてはあれだけ音読していたのに、大人になったら「なんとなく恥ずかしい」「音読なんかしないほうが速く読める」と考えるようになり、黙読が当たり前になった――そんな人は多いはず。

ところが、じつは音読は大人の勉強にもとても役立ちます。というのも、音読をすると脳のいろいろな部分が活性化するから。脳が働けば、当然、学習ははかどります。

脳機能開発研究で知られる東北大学教授・川島隆太氏によれば、音読するとき、大脳では70%以上の神経細胞が働くそうです。「文字を追う」という行為は黙読も音読も同じですが、音読では「声を発する」「発した声を聴く」という行為が加わります。そのため、脳がより広く働くのです。

また、脳の潜在能力を引き出すメソッドを開発する株式会社瞬読代表取締役の山中恵美子氏いわく、脳は受ける刺激の数が多い情報ほど「重要だ」と判断し、長期記憶として保存しようとするとのこと。視覚・聴覚を刺激する音読は、記憶定着の面でも効果が高いのです。

音読なんて子どもっぽくてやっていられない……と考えるのはもうやめましょう。自宅でテキストを音読するぐらいなら、気楽にできるはずですよ。なお、川島氏によると、音読のスピードを速くするほど脳が活性化して、学習効果が高まるそう。ぜひ早口を意識してみてはいかがでしょうか?

***
オーソドックスな勉強法は、記憶の定着や学習効率アップといったメリットがあるだけでなく、簡単に挑戦できるのも魅力。ぜひ、初心に戻って勉強してみてくださいね。

(参考)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|なぜ、手書きのメモはノートPCに勝るのか
Pam A. Mueller, Daniel M. Oppenheimer “The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking” (2014), Psychological Science, 25(6), 1159-68.
東洋経済オンライン|ノートPCでメモを取ると学習効率が下がる理由
FASHION BOX|記憶を定着させたい! 効果的な復習のタイミングを医学博士が解説[社会人の勉強法]
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プレジデントオンライン|教科書を7回読むだけで、断然トップになれた!(前編)
総務省|平成 28 年社会生活基本調査
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藤真 唯
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