【脳科学】仕事・勉強でやる気を出す方法14選

仕事・勉強でやる気を出す方法14選

仕事や勉強で安定したパフォーマンスを出し続けるには、自分に合った「やる気を出す方法」を知ることが大切です。やる気には起伏があるもの。疲れていてやる気が湧かない日や落ち込んで調子が出ない日、なんとなく気乗りしない日もあるでしょう。

そんなときに備え、やる気を引き出すテク二ックを知っておいて損はありません。この記事では、

  1. 行動:やる気のきっかけになる行動を起こす
  2. 感情:感情を盛り上げることでやる気を引き出す
  3. 思考:思考を切り替えることでやる気を引き出す

という3つのアプローチから、やる気を出す方法を詳しくご紹介します。

やる気を出す方法1:行動アプローチ

まずご提案するのは、なんらかの行動をきっかけにやる気を出す方法です。

1分だけ作業する

部屋の掃除を始めてみたら意外と楽しく、数時間も没頭した……という経験はありませんか? これは脳の「作業興奮」という性質によるものです。

作業興奮とは、作業によって脳が刺激され、興奮状態になる現象。精神科医の西多昌規氏によれば、作業しているうちに、やる気をつかさどる神経伝達物質・ドーパミンが分泌されるそうです。

「なんだかやる気が出ないなぁ……」と感じるときは、作業興奮を利用してやる気を引き出しましょう。とにかく手を動かしてみることが大切です。作業興奮が生じ、だんだん気分が乗ってくるはず。

「最初の一歩さえ踏み出せないんだよなぁ」というなら、

  • 「1分だけ」と時間を決めて作業する
  • すぐ終わる簡単な作業をやる
  • 好きな作業から始める

など、取りかかるハードルを下げましょう。「パソコンのソフトを立ち上げる」「参考書を開く」などのちょっとした行動でも、やる気が刺激されるはずです。

頭にテニスボールを乗せる

大脳生理学者の池谷裕二氏がすすめる、ユニークなやる気の出し方をご紹介しましょう。

スポーツ用品店などで買える、ごく一般的なテニスボールを用意してください。このテニスボールを頭に乗せ、目を閉じて30秒ほどバランスをキープします。

この間、テニスボールが頭に乗っていることを強く意識してください。そして目を開けたときには、目の前の作業に集中できるのだそうです。

くだらないようですが、実際にやってみると効果の大きさに驚くはず。頭に乗せやすくバランスをとりづらいものであれば、テニスボール以外でもかまいません。

やる気を出す方法:頭にテニスボールを乗せる

冷たいシャワーを浴びる

冷たいシャワーを浴びて心身を引き締める方法も効果的です。

よく知られているように、私たちの身体活動は「自律神経」という神経系によってコントロールされています。自律神経のうち活動時に活性化するのが「交感神経」、リラックス時に活性化するのが「副交感神経」です。

やる気が出ないときや朝起きた直後は副交感神経が優位で、心身がリラックスモードになっていると考えられます。精神科医の樺沢紫苑氏によれば、そこでシャワーを浴びると交感神経が優位になるとのこと。熱いシャワーでも効果はありますが、冷水のほうが効果的だそうです。

シャワーを浴びるのが難しい場合、冷たい水で顔や手を洗うなど、身体の一部に冷たい刺激を与える方法でもかまいませんよ。

余計な物を片づける

スマートフォンを開けば、ゲームや動画、マンガなどひととおりの娯楽を楽しめる現代。特に自宅では誘惑が多く、やる気が出にくいものです。

煩悩を断ちきりたいそんなときは、「誘惑の源を視界から追い出す」という対処法を試してみてください。

作業療法士で脳の仕組みに詳しい菅原洋平氏によると、脳には、目に入った物に手を伸ばしたくなる性質があるそう。大脳基底核という部分の働きによって起こる「モデルフリーシステム」です。

スマートフォンを見たくなるのはスマートフォンが目に入ったから、テレビを見たくなるのはテレビが目に入ったから。仕事や勉強に関係ない物を視界から排除すれば、モデルフリーシステムが作動せず、やるべきことに集中できるでしょう。

  • デスクの上に余計な物を置かない
  • 視界に入る範囲に余計な物を置かない
  • スマートフォンや使わない資料はデスクの下に隠す
  • パソコンから不要なソフトやブックマークを削除する

こんな具合に、仕事や勉強の妨げになるものは、視界から徹底的に追い出しましょう。

やる気を出す方法:余計な物を片づける

場所を変える

精神科医のゆうきゆう氏は、ひとつの場所に留まり続けることは人間の本能にそぐわないと指摘しています。農業が発明されるまで、人間は一か所に定住せず、狩猟採集生活を送っていました。違う場所へ移動し続けるのが本来の姿であり、同じ場所にい続けるのは不自然というわけです。

毎日同じデスクで仕事や勉強をしていれば、飽きを感じ、やる気がすり減ってしまうのも無理はありません。マンネリを感じたら、リビングやキッチン、喫茶店など別の場所で作業してみましょう。机の場所を移動したり、部屋の模様替えをしたりして景色を変えるのもいいですね。

とはいえ会社でのデスクワーク時など、自由に作業場所を選べないことも多いでしょう。その場合はせめて、

  • 机の上に置く物を変える
  • ペンケースや文房具を買い換える
  • パソコンのデスクトップ画像を変える

などの方法で変化を加えれば、フレッシュな気分で取り組めるはず。環境を少し変えるだけなので、やる気を出す方法のなかでも比較的簡単です。

やる気を出す方法2:感情アプローチ

ふたつめのアプローチとして、「感情」を盛り上げることでやる気を出す方法をご紹介します。

モチベーション曲線を書く

やる気には「内発的動機」と「外発的動機」の2種類があります。

内発的動機とは「心からやりたい!」というモチベーション。「コンピューターが好きだからITを勉強したい」「契約をとれると嬉しいからセールスの仕事を頑張ろう」といった感情です。

一方の外発的動機とは、他者からの報酬や評価など、外的な要素によって起こるやる気。「昇給のためにプログラミングを勉強しよう」「上司に叱られたくないから仕事を頑張ろう」などです。

どちらの動機も重要ですが、外発的動機には「自分以外にやる気を委ねる」という弱点があります。「会社が評価してくれないからやる気が出ない」「誰かがほめてくれないとやる気になれない」と、やる気を自分でコントロールできなくなるのです。

やる気を安定させるには、外発的動機ばかりに頼らず、「楽しい」「やりがいを感じる」といった内発的動機を引き出しましょう。とはいえ、仕事や勉強に楽しさ・やりがいを見いだすのは難しいかもしれません。そんなときは、「モチベーション曲線」を書いて自己分析するのがおすすめです。

モチベーション曲線は、仕事や勉強におけるモチベーションの上下を曲線グラフで表すもの。下の図は、一日の仕事を振り返って書いたモチベーション曲線の例です。

やる気を出す方法としては、モチベーション曲線を書いてみるのがおすすめ

モチベーション曲線を見ると、「会議」や「商談」ではやる気が高まる一方、「メールチェック」「資料作成」「事務処理」では下がってしまうことが一目瞭然ですね。「どうして会議や商談ではやる気を感じるんだろう?」と考えてみれば、より深く自分の心理を理解できるでしょう。

「明確なゴールがある仕事にやる気を感じるんだな」と自己分析できるかもしれません。メールチェック・資料作成・事務処理にも明確なゴールを設定すれば、やる気が出るのではないでしょうか。

このように分析し、自分のモチベーションの「ツボ」がわかれば、やる気を上手に引き出せるはずです。

ごほうびを用意する

やる気をつかさどっているのは、ドーパミンという脳内物質。医学博士の森田敏宏氏によると、ドーパミンは報酬を期待したときに放出される性質をもちます。

「この作業が終わったらおいしいランチを食べよう」
「このプロジェクトを成功させれば昇進できるぞ」

こう期待するだけでドーパミンが増え、やる気が出るのです。ワクワクできさえすれば、「チョコレートを食べる」「スマートフォンでゲームをする」のようなものでかまいません。

とはいえ、作業をひとつ終えるたびにごほうびを用意するのは大変ですし、お金もかかってしまいます。おすすめなのは、スタンプカードを自作することです。たとえば、こんなマイルールをつくります。

  1. 紙に5×5のマスを書く
  2. 目標をクリアするたび、枠内にスタンプを押す(またはマル印を描く)
  3. スタンプがいっぱいになったら、自分にごほうびをあげる

このような仕組みなら、ごほうびを頻繁に用意せずすみますし、ごほうびを得られたときの嬉しさはひとしお。スタンプカードが埋まっていくワクワク感も、精神的な報酬になるはずです。

PowerPointやExcelでスタンプカードをつくったり、専用のスマートフォンアプリを利用したりする手もあります。「自分ルール」(iOSAndroid)というアプリケーションなら、頑張りや目標達成具合に応じてポイントを貯めることが可能です。

ただし、ごほうびという外発的動機に頼りすぎると、ごほうび自体が目的となり、内発的動機が弱まってしまうので注意してください。

やる気を出す方法:ごほうびを用意する

やる気に満ちた人を見る

前出の菅原氏によると、人間の脳には、他人の行動や状態をまねる「ミラーニューロン」があるのだそう。泣いている人を見ると悲しくなったり、楽しそうな人を見ると自分まで楽しくなったりするのもミラーニューロンの働き。「朱に交われば赤くなる」ということわざのとおり、私たちは周囲から影響され続けているのです。

やる気についても同じです。やる気に満ちた同僚や先輩の近くにいるようにし、その振る舞いを見習えば、彼らのやる気が自分に伝染するでしょう。反対に、やる気のなさも伝染してしまうため、やる気がなさそうな同僚には近寄らないことをおすすめします。

やる気に満ちた人が身近にいないなら、頑張り屋の主人公が出てくるドラマやアニメを観てみましょう。青春ドラマで感動し「自分も頑張ろう!」と燃えた経験はありませんか?

NHKの連続テレビ小説では大抵、明確な夢をもち、一生懸命努力している女性が主人公です。平日は毎朝放映され、1話がたった15分なので、仕事の活力を得るのに最適ではないでしょうか?

制限時間を決める

前出の西多氏によると、人間とは「基本的にゴロゴロしていたいと考えるなまけもの」なのだそう。

動物園の動物を思い浮かべてください。ゴロゴロ寝転がってばかりですよね。食べ物に困ったり襲われたりでもしないかぎり、なるべく動きたくない……人間も同じこと。やる気を出すには、危機的な状況をつくればいいのです。

簡単な方法は、締め切りを設けること。たまった宿題を大急ぎで終わらせた経験はありませんか? 「時間までに終えなければ」という状況には、否が応でもやる気が出るもの。仕事や勉強の締め切りを自分で決めれば「○分以内に終えないとまずい!」という危機感が生まれ、尻に火をつけることができます。

仕事の場合、最終的な納期から逆算し、作業の締め切りを分単位で決めるとやる気が出やすいはず。勉強の場合も、試験日などの期日から逆算し、タイムリミットを細かく決めましょう。時計を見ながらざっくり時間を図るより、カウントダウン式のタイマーをセットしたほうが緊張感が高まりますよ。

やる気を出す方法:制限時間を決める

ライバルと競争する

私たちは誰しも、自尊志向……「人より優れた存在でありたい」という心理をもっています。自尊志向をくすぐることでも、仕事や勉強へのやる気を出すことが可能です。

心理学者の市川伸一氏によると、自尊志向を刺激してやる気を出すには、ライバルを見つけて競い合うといいそう。仕事なら同僚や業界内の知人、勉強なら同じ分野を勉強している仲間と切磋琢磨しましょう。

互いにライバルと認め合っている必要はありません。同僚や友だちを勝手にライバル視したり、同い年の有名人の活躍を見て闘志を燃やしたりと、いわゆる「仮想敵」を設定してOKです。

他人でなく、自分自身をライバルにするのも効果的。たとえば仕事・勉強の実績をノートに記録し、成果やタイムの「自己ベスト」を超えられたら勝ち、超えられなかったら負け、というルールで取り組むのです。

自分との戦いの場合、能力も環境もまったく同じ相手と競うのですから、勝ち負けを決めるのは純粋な「頑張り」。他人と競うより不確定要素が少ないため、やる気を出す方法としては安定的に使えます。

やる気を出す方法:ライバルと競争する

やる気を出す方法3:思考アプローチ

3つめに、思考を切り替えたり整理したりすることで、やる気を出す方法をご紹介します。

作業をゲーム化する

突然ですが、いまから「生麦生米生卵」と3回言ってください。5秒以内に言えたらあなたの勝ちです。では用意、スタート!

……こう言われるとなんだか火がつき、チャレンジしたくなりますよね(実際にやっていただいた方はありがとうございました)。「○○できたら勝ち!」という言葉には、私たちの競争心をくすぐる魅力的な響きがあります

  • あと5秒以内に仕事を始められたら私の勝ち!
  • あと10秒以内に机の前に座れたら勝ち!
  • ミスなく資料をつくれたら勝ち!
  • 会議で2回以上発言できたら勝ち!

こんなふうに「○○できたら勝ち!」と心のなかで唱え、やるべきことをゲーム化(ゲーミフィケーション)すると、仕事や勉強に楽しく取りかかれます。「締め切り」や「ライバル」を設けてやる気を出す方法の応用です。

ゲーミフィケーションのポイントは、制限時間を明確&短めにすること。制限時間が曖昧だったり長すぎたりすると、やる気が出にくいので注意しましょう。

「誰かのために」と考える

「情けは人のためならず」という言葉があります。人に情けをかけるのは相手のためになるだけでなく、めぐりめぐって自分のためにもなる、という教えです。じつは、脳科学的にも真実だと考えられます。

脳科学者の篠原菊紀氏によると、「利他行為」はドーパミンを大量に分泌させ、快感を生むそう。あなたも、「家族のため」「恋人のため」「親友のため」と思うとエネルギーが湧き、試練を乗り越えられた経験があるのではないでしょうか?

やる気が出ないときは「この仕事や勉強をやり遂げた先で、誰が喜んでくれるかな?」と想像してみてください。家族や友人に限らず、顧客や上司など仕事関係の人を思いやるのもいいでしょう。内発的動機の観点からも、「誰かのため」という大義名分を見つけるのは効果的です。

◆例

  • 応援してくれる家族や恋人、友人の顔を思い浮かべる
  • その仕事をやり遂げることで喜ぶ顧客の顔を思い浮かべる
  • 自分の頑張りを評価してくれる上司の顔を思い浮かべる
  • 自分の仕事がもつ社会的意義を考える

やる気を出す方法:「誰かのために」と考える

教訓を引き出す

「私は失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り発見したのだ」

発明家トーマス・エジソンの名言です。挫折を単なる「失敗」とみなすか成長の糧になる「教訓」ととらえるかが、成功の可否を決めます。

  • 仕事で大失敗した
  • 左遷された
  • 計画通りに勉強が進まなかった

など、やる気を失うような出来事が降りかかったら、前向きにとらえられないか考えてみましょう。挫折から得られたものに目を向ければ、自分にとってプラスになると実感でき、やる気を維持・向上させられます。

◆例

  • 仕事で大失敗した→「こうすれば失敗する」と学べた
  • 左遷された→新しい仕事に触れる機会が得られた
  • 計画通りに勉強が進まなかった→勉強のやり方を見直す必要があると学べた

このように、ネガティブなことをポジティブに再解釈する手法を「リフレーミング」と言います。リフレーミングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

>>自尊心低めの私が「リフレーミングノート」で自分の長所を探してみました。

ToDoリストをつくる

やる気が出ないのは、そもそも何を「やる」べきか把握できていないからかも。「仕事を始めよう」「勉強を始めよう」という気持ちがあっても、何をどのようにやるかわからなければ身動きがとれません。

仕事や勉強に取りかかる前にToDoリストをつくり、やるべきことをはっきりさせましょう。ToDoリストをつくる際は、以下のポイントに注意してください。

タスクはできるだけ小さく

タスクはできるだけ小さくしましょう。タスクが大きいままだと「できないかも」と無力感が生まれ、やる気が出にくいからです。

いきなり「富士山の山頂まで登って」と言われたら、気が遠くなってしまいますよね。しかし、「とりあえず5メートル先の岩まで登ってみて」なら、「それくらいなら」と思えるでしょう。ゴールまでの道のりを細分化すれば簡単そうに感じられ、意欲が湧いてくるのです。

時間管理コンサルタントの水口和彦氏は、2時間以内に完了できるくらいまでタスクを細分化するよう推奨しています。タスクの数が増えすぎず、かつハードルも低くなる、ちょうどいいサイズだそう。完了までに100時間かかりそうなタスクなら、50個に分解しましょう。

表現は具体的に

ToDoリストの内容は、なるべく具体的に書きましょう。

  • メールチェック→「届いたメールを読み、返信とフォルダ分けをする
  • 会議資料をつくる→「市場調査の結果を会議資料にまとめる

このように記せば、やるべきことが明確になり、作業に取りかかりやすくなります。

優先度で色分け

タスクを優先度に応じて色分けすると、やるべきことがさらに明確になります。

優先順位をつけるには、『 7つの習慣』の著者として知られる経営コンサルタント、スティーブン・コヴィー氏が提唱する方法が便利です。

「重要度」「緊急度」というふたつの指標を用います。この方法に従うと、タスクの色分け例は以下のとおりです。

  1. 重要かつ緊急:赤
  2. 重要だが緊急はでない:青
  3. 重要ではないが緊急:緑
  4. 重要でなく緊急でもない:黒

目につく場所に置かない

前出の菅原氏によると、作業中はToDoリストが目に入らないよう隠しておくべきだそう。ToDoリストが目に入ると「認知コスト」が発生し、集中が乱れてしまうからです。

たとえば、メール対応中に「資料作成」の文字が目に入ると、資料のことが頭をよぎり、メールの作業から意識が逸れてしまいます。デスクの上やパソコンの端など、視界に入る場所にToDoリストを貼ったり置いたりすることは避けましょう。

以上が、「思考」のアプローチからやる気を出す方法です。

やる気を出す方法:ToDoリストをつくる

やる気を出す方法を学べる書籍

最後に、やる気を出す方法を詳しく学べる書籍をご紹介しましょう。

『めんどくさくて、「なんだかやる気が出ない」がなくなる本』

前出の精神科医・西多昌規氏による『めんどくさくて、「なんだかやる気が出ない」がなくなる本』。やる気がなくなってしまう根本的な原因を分析したうえで、医学的に有効なやる気を出すテクニックを39個紹介しています。

『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』

本記事でも参考にした、作業療法士の菅原洋平氏による『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』。医療従事者としての専門的知識や経験をベースに、実践的かつユニークな「やる気を出す方法」を数多く提案してくれる良書です。

この記事で取り上げた「ミラーニューロン」や「モデルフリーシステム」以外にも、

  • 触覚による刺激
  • 言葉による刺激
  • 目標設定
  • タスク管理

などさまざまなアプローチで脳をやる気にする方法が解説されています。

『やる気が出なくて仕事が嫌になったとき読む本』

『やる気が出なくて仕事が嫌になったとき読む本』は、明星大学特任教授でモチベーションを研究する菊入みゆき氏の著書。タイトル通り「仕事のやる気が出ない」状態を脱する具体策を紹介しています。

基本的なアプローチは、自分がどんなときにやる気を感じるか分析し、内発的動機を引き出すこと。対処療法ではなく、問題の根本的な解決を提案してくれます。この記事で取り上げた「モチベーション曲線」についても詳しく教えてくれますよ。

『やる気が出なくて仕事が嫌になったとき読む本』を読めば、やる気を出す方法を学べるのはもちろん、自分がどんなときにやりがいや喜びを感じるか理解でき、働き方を見直すことにもつながります。

やる気が出なくて仕事が嫌になったとき読む本

やる気が出なくて仕事が嫌になったとき読む本

  • 作者:菊入 みゆき
  • 東洋経済新報社
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やる気を出す方法を、行動・感情・思考という3つのアプローチでご紹介しました。仕事や勉強のやる気が起きないときは、ご紹介した14種類の「やる気を出す方法」を試してみてください。

(参考)
菅原洋平(2016),『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』, 文響社.
Speakers.jp|池谷裕二 講演会講師インタビュー
タウンワークマガジン|「めんどくさいに勝つ方法はありますか?」→ 即できる対処法を精神科医に聞いてみた
e-ヘルスネット|自律神経失調症
ゆうきゆう(2019),『瞬時にやる気を燃やす31の心理学技術』, ハートブックス.
株式会社日立システムズ|【第17回】報酬はやる気を削ぐ?内発的モチベーション
J-CAST 会社ウォッチ|モチベーションアップは「内発的動機づけ」が必要 「おもしろい」「楽しい」を発見する!(西野一輝)
森田敏宏(2010),『東大ドクターが教える、やる気と集中力の高め方』, クロスメディア・パブリッシング.
NIKKEI STYLE|「好き」を仕事にしたはずが…ワクワク感なぜ消える?
市川伸一(2001),『学ぶ意欲の心理学』, PHP研究所.
NEWSポストセブン|社会的な「利他行為」は性交するより気持ちがいいと脳科学者
小田亮(2010),「利他性の進化認知科学的基盤」, こころの未来, 4号, pp.74-75.
塩谷京子 監(2015),『10分で読める 発明・発見をした人の伝記』, 学研プラス.
PRESIDENT WOMAN Online|なぜ「やるべきこと」を見えるところに書くとやる気が失せるのか
新R25|成功者はなぜ「緊急ではないが、重要なこと」に時間を割くことができるのか
STUDY HACKER|「時間があるときにやろう」では何も進まない。仕事の先延ばしを防ぐ方法——水口和彦『仕事も学びも効率化 目からウロコの時間管理術』第6回

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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