勉強法への関心は人一倍高いのに、成果が出ない。「残念な勉強家」を脱する3つのヒント

「勉強法ホッパー」から脱する方法01

勉強法はいろいろ知っているし、あれこれ試してみた。しかし、いまひとつうまくいっている実感がない。どうして……? 

そう首をかしげるあなたは、知らず知らずのうちに「勉強法ホッパー」になっているのかもしれません。

勉強法への関心は人一倍高いはずなのに、成果に結びつけることができない……。そんな残念すぎる状況はどうすれば改善できるのでしょうか?

あなたも「勉強法ホッパー」かも?

「勉強法ホッパー」とは、勉強法をいろいろ学び、あれこれ試すのが好きで、「勉強法を勉強する」こと自体を楽しんでいるような人のこと。『独学の技法』著者で独立研究者の山口周氏が、こう呼んでいます。「ホッパー」の “hop” とは「飛び回る」という意味。新たな勉強法に次々飛び移るイメージですね。

山口氏は、そんな勉強法ホッパーに対し、勉強法は実際の勉強に活かしてこそ価値があるものだと指摘します。逆に言えば、あれこれ知って、ちょっと手を出すぐらいでは、勉強法の “お試し” をやってみたに過ぎず、なんら意味はないということ。

たとえば、あなたにこんな経験はないでしょうか。

「Aというノート術がよさそう! Bというのもいいらしい……。自分にぴったりなのはどれだろう?」と迷ったものの、実践するには至らなかった。

「資格の用語をこの記憶術で覚えてみよう。いや、あの記憶術も気になるな……」と思っているうち、時間だけが過ぎた。

これらは、勉強法を調べるだけで満足してしまっている典型例。ノート術も記憶術も、取り組んだ結果「成績が上がった」とか「長期間記憶できた」というような成果が出て初めて、意味があったと言えるもの。そうでなければ、いくら方法を知っていても仕方がありませんよね。

だからこそ山口氏は、「勉強法を勉強する」というところから一歩踏み出して、実際の行動に出ることが大切だと述べています。

「勉強法ホッパー」から脱する方法02

そうはいっても、「自分に合った勉強法がわからないから、いつまでも勉強法を探し続けてしまうんだけど……」という人もいるはず。そんな人が勉強法ホッパーから脱するには、どうすればよいのでしょうか? 3つのヒントをお伝えします。

【1】「論点→仮説→検証」で学習手段を見つける

勉強法とは、勉強で成果を出すための手段のはず。勉強法ホッパーがしているのは、“手段の目的化” にほかなりません。早稲田大学教授の菅野寛氏によると、手段と目的を混ぜがちな人は、「論点→仮説→検証」の手順を踏むとよいのだそうです。

その手順を、「効率のよい勉強法」を模索する場合に当てはめてご紹介しましょう。

1. 論点:知りたいことを「正しく」設定する

まず、本当に知りたいことは何かを決めます。ただし、ここで「効率のよい勉強法は何か?」を論点にしても、あなたは勉強法ホッパーのまま。なぜなら、それでは漠然としすぎていて、答えにたどり着くまでに時間がかかるからです。

そこで菅野氏は、以下のように「なぜ?」と繰り返し、具体的に掘り下げることをすすめています。

なぜ効率よく勉強したいのか?」→時間がないから
なぜ時間がないのか?」→仕事が忙しいから

⇒知りたいこと「仕事が忙しくてもスキマ時間でできる勉強法は何か?」

2. 仮説:「何を知りたいか」に対し、仮の答えを自分で考える

次に、自分なりに最善の仮説を立てます。論点に対する答えを手当たり次第に探しても、必要な情報が100%見つかるわけではないと菅野氏。つまり、勉強法ホッパーでいることは、成果を出すには効率が悪いのです。

今回の例では、以下のような仮説が考えられそうです。

仕事が忙しくてもスキマ時間でできる勉強法は何か?

⇒仮説:「通勤時間にポッドキャストを聴く」なら取り組みやすいのではないか?

3. 検証:仮説の正しさを、最小限の手間で確認する

立てた仮説が正しいかどうか検証します。菅野氏いわく、仮説が正しいとわかれば、ほかを検証する必要はないとのこと。「どうも違うようだ」という場合のみ、手順2に戻り、別の仮説を立てて再度検証するのです。

実際にポッドキャストを聴きながら通勤してみた結果……

「よく理解できた!」という実感を得た場合
⇒「仮説は正しかったので、これからもその方法で勉強する

「聞いてもあまり理解できなかった」という場合
⇒「仮説は正しくなかったようなので、別の方法を試してみる

以上の手順を踏めば、手当たり次第に勉強法を試す必要がなくなります。自分の目的に沿った勉強法を、最短時間で見つけられるはずですよ。

「勉強法ホッパー」から脱する方法03

【2】資格勉強用の参考書・問題集は各1冊に絞る

勉強法ホッパーのなかには、資格取得に向けてさまざまな参考書や問題集を買い、手当たり次第に試している人も多いのではないでしょうか。しかし、そのやり方は非効率。参考書・問題集は、それぞれ1冊に絞りましょう

というのも、限られた時間で複数の参考書に手を出しても、解き終わらない可能性があるから。『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著書で、多くの資格取得および指導経験をもつ石川和男氏が、勉強に割ける時間が限られている社会人にとって、教材選びはきわめて重要だと述べています。

石川氏がすすめるのは、時間をかけて書店で試し読みをし、一番読みやすいと感じた参考書を1冊だけ買うこと。どの参考書にも、少なくとも試験の合格点に達するだけの情報は含まれているそう。いろいろ買ってこなしきれないより、1冊だけ買って丸ごと暗記するほど何度も取り組むほうが、はるかに効果的だと言います。

また、問題集は、最初はなるべく薄いものを1冊だけ買うのがポイントだとのこと。資格に向けた勉強においては、全範囲をひととおり把握することが最優先だからです。次の問題集に移るのは、1冊の問題集を完璧に解けるようになってから。こうすれば、教材を模索しすぎて勉強時間がなくなる……といった状況は防げるはずです。

「勉強法ホッパー」から脱する方法04

【3】自分の認知特性に合った勉強法を知る

何が自分にとってベストな勉強法なのかわからない……。そんなさまよえる勉強法ホッパーにとって、自分の「認知特性」を知ることは、勉強法選びの効率を高めるヒントになりますよ。

認知特性とは、目や耳を通して得た情報を記憶・理解する際の、その人なりの方法のこと。医学博士の本田真美氏によると、目で見て覚えるタイプの人を「視覚優位者」、言葉で覚えるタイプの人を「言語優位者」、聞いて覚えるタイプの人を「聴覚優位者」と呼び、細かくは後述の6タイプに分けられるそうです。

認知特性によって記憶や理解の方法が異なるということは、自分にベストな勉強法も人それぞれ異なるということ。たとえば、視覚優位者が耳で聞く教材で勉強しても、はかどらないのは当然ですよね。

そこで以下では、本田氏による認知特性の解説をもとに、各タイプにぴったりな勉強法を筆者がご提案します。

視覚優位者

  • 「写真(カメラアイ)タイプ」写真や絵など二次元で考える人
    ⇒イラスト中心のノートをつくる、参考書やノートのページを “見たまま” 記憶する など
  • 「三次元映像タイプ」映像など空間や時間軸で三次元で考える人
    ⇒勉強内容とまわりの風景をひもづけて覚える、勉強内容に関連する映画を見る など

言語優位者

  • 「言語映像タイプ」文字や文章を映像化して考える人
    ⇒文章とイラストを使ってノートをまとめる、参考書を読みながら映像をイメージする など
  • 「言語抽象タイプ」文字や文章を図式化して考える人
    ⇒枠・線・記号を使いながらノートを書く など

聴覚優位者

  • 「聴覚言語タイプ」文字や文章を音として情報処理する人
    ⇒リスニング教材を使う、参考書やノートを音読する など
  • 「聴覚&音タイプ」音色・音階など音楽的イメージを脳に入力する人
    ⇒替え歌で覚える、覚えたい文章に自分でメロディーをつける など

どの認知特性に当てはまるかは、自身でチェック可能。こちらの診断ツールを使えば、簡単に診断できますよ。また、各タイプに合った勉強法は、『あなたは文字派? 聴覚派? 6つの「認知特性」ごとに最適な勉強法教えます!』でも詳しく知ることができます。

自分にとってベストな勉強法がわかれば、勉強法ホッパーを脱して、最短距離で成果を出せるようになりますよ。

***
勉強法ホッパーを卒業できそうでしょうか? この記事を参考に、あなたが本題の勉強へ本腰を入れられるよう願っています。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|【山口周×『独学大全』】残念な「勉強法ホッパー」と「独学を武器にできる人」の決定的な差
グロービス経営大学院 創造と変革のMBA|手段の目的化
東洋経済オンライン|目的と手段が混ざる人に教えたい「思考のコツ」
リクナビNEXTジャーナル|資格を取るための「参考書・問題集」の選び方・使い方とは?――「資格の大原」元講師が教える“合格勉強法”
本田真美 (2012), 『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』, 光文社.
ダ・ヴィンチニュース|あなたに最適な記憶法も分かる!? 自分の「認知特性」を調べてみよう
みくりキッズくりにっく|本田40式認知特性テスト 診断ツール
STUDY HACKER|あなたは文字派? 聴覚派? 6つの「認知特性」ごとに最適な勉強法教えます!

【ライタープロフィール】
梁木 みのり
大学では小説創作を学び、第55回文藝賞で最終候補となった経験もある。創作の分野のみでは学べない「わかりやすい」「読みやすい」文章の書き方を、STUDY HACKERでの執筆を通じて習得。文章術に関する記事を得意とし、多く手がけている。

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