読書の質を左右する超重要「黄金の方程式」ここにあり! “この3つ” 意識できてますか?

良質なアウトプットのためのインプット方法02

「仕事がデキる人は読書を怠らない……」
「ビジネスパーソンにとっては良質な書籍との出会いが大事……」
「頭のいい人はインプット量が違う……」
このようなことを一度は聞いたことがあるはず。とはいえ、「まねしたいけれども具体的な方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、効果的にインプットする方法をご紹介。インプットがおろそかでは、課題を解決するために必要なリソースが自分のなかに蓄積されないのも当たり前。これでは良質なアウトプットができるはずもありませんよね。「日々の学びが足りないのかも……」と自覚がある人は、ぜひ参考にしてください。

「本」からの学びは “この3つ” を意識せよ

インプットの方法と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは「読書」でしょう。本には、結果を残してきた先人たちの知恵が体系的にまとめられています。それらに気軽にアクセスできるという点で、本は非常に魅力的な媒体ですよね。

では、どんな点に注意すれば、本からの学びを意義あるものにできるのでしょうか。参考になるのが、グロービス経営大学院教員の荒木博行氏が『グロービス流 ビジネス勉強力』で示している「読書を通じた学びの方程式」です。

読書を通じた学び=読む本の量×良書比率×1冊あたりのインプット量

この方程式は、「読む本の量」「良書比率」「1冊あたりのインプット量」という3つのパラメータからなります。つまり、それぞれのパラメータを最大化できれば、読書を通した学びの効率や質も向上させられるということ。詳しく見ていきましょう。

■「読む本の量」を増やす

・合わない本は早めに見切りをつける

自分に合っていないにもかかわらず、「買った本は絶対に読みきらなければならない」と無理に読み進める人はいませんか。それは時間の無駄です。いまの自分にとっては難しすぎたり、逆に簡単すぎて新しい知識が得られなかったりと、たとえまわりからの評価が高かったとしても、自分が本当に求める内容が書かれているとは限りません。読むべき適切なタイミングでなかったと早々に諦めて、次へ移りましょう。

・全体像がわかる本から読む

基本的な言葉の定義や概念をそもそも理解していなければ、詳しそうだからと専門書を読んでみても内容を理解できずむしろストレスになってしまいます。基礎知識のない分野であれば、全体像を把握できる教科書的な本を読むことから始めてみてください。今後、より専門的な本を読んでいくための準備ができます。

■「良書比率」を高める

・本に求めることを明確にする

たとえば、「伝え方」に関する本を探しているとき、目的が「日々のコミュニケーションを円滑にしたい」のか「来週実施されるコンペで企画を採用されたい」のかで、読むべき本は変わってきますよね。本を手に入れる段階で何を目的としているのかを明確にしておけば、自分により合った本を選べるようになるでしょう。

・歴史のある本を選ぶ

良書比率を上げる、逆に言えばハズレの本を引かないためには、増刷を重ねてきた歴史のある本を参考にするという手もあります。事例の古さはありつつも、時代を超えて評価されてきたこともあり、汎用性の高い情報を得られるはずです。

■「1冊あたりのインプット量」を上げる

・同じ領域の本をまとめて複数読む

たとえ同じ領域の本でも、著者によって主張が異なっている場合があります。複数の本を読み、さまざまな視点を組み合わせることで、読書から得られるインプットは立体的なものになるでしょう。

・情報を必要なときにひっぱり出せる状態にしておく

本をひととおり読んで終わりというだけでは、インプットしたことをすぐに忘れてしまい、実践で活かせないという状況も起こりえます。読書記録をつけておくなど、学んだ内容をいつでも引き出せるようにすることで、使える情報としてストックしておけるはずです。

良質なアウトプットのためのインプット方法01

「新聞」「テレビ」「インターネット」も使える

本以外にも、新聞・雑誌・テレビ・映画・インターネットなどから積極的にインプットすることが可能です。それぞれについて、具体的な方法をご紹介しましょう。

■新聞・雑誌を継続的に読み、社会のおおまかな流れをつかむ

新聞や雑誌のいい点は、自分が興味関心をもっているテーマ以外の記事も自然と目に入ってくること。たとえば、株価の動きを確認するために新聞を手に取ったとき、偶然見かけた地域カルチャーの記事にも興味が湧いて読みたくなるかもしれません。そうしたきっかけをもとに、新しい視点から情報を取り入れることで、ビジネスのトレンドや時事問題などについて視野を広げられるようになります。

■良質なテレビ番組・映画を積極的に活用する

ときには、文章を読むよりも映像を観るほうが、より具体的なイメージが湧いて理解が進みやすい場合もあります。たとえば、海外の情勢を学びたいと思っても、異文化理解や民族的な知識が前提になければ、頭になかなか入ってきませんよね。そんなとき、ある地域に関するドキュメンタリー番組を観ることで、前提を含めて感覚的に理解できることがあります。それをとっかかりにして、本や論文を読んだりインターネットで調べてみたりすれば、インプットが蓄積しやすくなるでしょう。

■インターネットの双方向性を活かす

インターネットの大きなメリットは、学んだことを自らも発信できる点です。前出の荒木氏は、誰かが書いた情報を一方的に理解するだけでなく、自分もなんらかのかたちで発信をすることで学習効果が飛躍的に高まると伝えています。たとえば、インプットした内容について、SNSで自分の意見を公開してみましょう。そうすれば、頭のなかを言語化しながら整理したり、同じテーマに関心のある人と議論したりすることができます。ほかの人のさまざまな意見を見ながら、自分の学びを深めていけるはずです。

良質なアウトプットのためのインプット方法03

「経験」もおろそかにしてはいけない

さらに、普段の生活で自分が経験したことからもインプットできます。2つの方法をご紹介しましょう。

■視点を変えてみる

日常での見方を少し変えるだけで、灯台下暗しだったと気づく場面がきっとあるはず。たとえば仕事中にミスをしたとき、自分だけではどうすればよいかわからなかったことでも、身近な先輩の仕事の仕方を見れば、対処法について学べるでしょう。「先輩だったらどうするだろう?」といったように視点を変えれば、気づく学びの量は何倍にもなるに違いありません。

■新しいことへ積極的に挑戦してみる

効果的なインプットのためには、現在の仕事や環境にとらわれることなく、自分のなかの引き出しを増やして視野を広げられるようにすることが必要です。たとえば、自分が課題意識をもっていることについて、社内外の人を呼び勉強会を実施してみてはいかがでしょうか。そうすれば、課題解決や成長の機会を得られるかもしれません。

また、芸術鑑賞やスポーツ観戦、旅行などを趣味にしている人は多いはず。こういった非日常な過ごし方も、インプットのよい機会になります。自分の世界を広げておくことで、仕事を通じたインプットだけでは絶対に思いつかないようなアイデアにつながったり、意外な人脈から有用な情報を得られたりするに違いありません。

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インプットの効率を上げ、仕事でのアウトプットの質も高めていきましょう!

監修:グロービス経営大学院

(参考)
グロービス経営大学院(2014), 『グロービス流 ビジネス勉強力』, 東洋経済新報社.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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