あなたの意志が長続きしない根本原因。重要なのは◯◯を整えることだった

意志を強くもち学習を継続させる方法01

「スキルアップのために目標を立てたのに、いつの間にか勉強をやめていた」
「生活リズムを改善しようと強く決意しても、いつも結果につながらない」
このように、自分で決めたはずのことが達成できていない状況に悩んでいる人はいませんか?

いままでの自分を反省して変化を起こそうとしても、実際に行動に移して結果を出すのはなかなか難しいですよね。そこで今回は、「意志」が続かない原因とその対策について解説していきます。

「意志」が機能しないのは「意思」のせいだった

自分の「意志」を継続できないのはいったいどうしてでしょうか。「Willpower Doesn’t Work」の著者である構造心理学者ベンジャミン・ハーディー氏は、人生で何かを変えるためには「意志」が欠かせないとする一方で、その意志の実現を邪魔するのは「意思」であると指摘します。

たとえば「ダイエットをしよう」と決意したとき、ダイエットの計画を邪魔するのは「食べたい」という欲望から来る意思です。また、「勉強しよう」という意志に相反するのは、「遊びたい」あるいは「勉強したくない」という意思でしょう。これらは、自分の「目的意志」と依存している「環境」の対立構造としてとらえることができ、どれほど強い意志をもっているかにかかわらず生じてしまう問題なのです。

ハーディー氏によれば、「意志」は筋肉と同じく有限な資源であるため、対立する意思が日々蓄積されていくと、最終的には意志がすべて削り取られたゼロの状態に戻ってしまうそう。一定期間は耐えられたとしても、いずれ機能しなくなってしまうのです。

意志を強くもち学習を継続させる方法02

「意志」をうまく機能させる3つの行動

では、自分の意志を結果へつなげるためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。意志をきちんと継続させるにあたって必要なポイントを3つ紹介します。

【ポイント1】現状から「新しい環境へ変える」

前述のハーディー氏は、どんなに我慢して努力したとしても、「意志」は必ず「環境」に屈服して挫折してしまうとのこと。環境を変えなければ、意志を継続させることはできないと指摘します。

たとえば、「資格をとるために、これから一生懸命勉強する」と強く決意するより、実際に資格勉強の仲間をつくったり、塾など勉強するための場所を確保したりすることを優先するほうが、目標達成に近づくということです。

また、環境を整えると、意志に相反する意思が生じにくいという利点もあります。家で勉強する場合には、「スマホを触りたい」という意思が頻繁に生じるかもしれません。しかし、塾のような整った環境を用意すれば、意思が必然と抑制され、勉強ははかどるようになるでしょう。

【ポイント2】自分の決意を「ほかの人へ伝える」

構造心理学者のニコール・リプキン氏は、意志をより継続させるための方法として、「自分の意志を他者に伝える」ことを挙げています。そうすると、行動が無意識に緩んでしまうのを抑制できるようになるのです。

オハイオ州立フィッシャーカレッジオブビジネス経営学教授のハワード・クレイン氏らが2009年に行なった研究でも、自分の目標を他者へ伝えると、自分に対する他者からの評価を気にするようになり、モチベーションが上がって意志が継続するという結果が示されています。たとえば、「毎日10分必ず英語の勉強をする」と決めた場合には、友人や勉強仲間に対して、その意志をあえて伝えるようにするとよいでしょう。

また同研究では、自分の目標を伝える相手を選ぶことも重要であるとされています。自分よりも地位が高い人や自分が尊敬する相手を選んで自分の意志を共有すると、その人からの評価が自分にとってより重要になるため、目標達成のためにより強い自己抑制の力を発揮できるようになるのだとか。

したがって、自分の意志は、尊敬する上司や先輩へ伝えるようにしてみましょう。気が知れた友人や兄弟へその意志を伝える以上に、目標を達成できる可能性が高まるでしょう。

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【ポイント3】意志の力を信じられるように「記録する」

前述のリプキン氏は、意志の力を無限の資源であると考えることこそが、意志を継続させるための重要なポイントであると伝えています。

スタンフォード大学心理学教授キャロル・ドウェック氏による研究では、被験者を「意志の力は有限である」と思うように導かれたグループと「意志の力は無限である」と思うように導かれたグループに分けたうえで、困難なタスクを提示して取り組ませました。その結果、「意志の力は無限である」と信じたグループのほうが、より気移りすることなく意志を十分に持続させることができたそう。

何かを決意したときは、できない心配をするのではなく、その決意によって目標を達成できると信じることが重要です。とはいえ、そもそもそれを信じ続けられるか心配になる人もいるかもしれませんね。

そんなときは、決意した内容や目標をノートへあらかじめ書き出しておくのがおすすめ。投資家のウォーレン・バフェット氏は、この先数年、あるいは死ぬまでに達成したい目標や夢を25個書き出し、そのなかで特に重要なものを5個選んで丸をつけておくやり方をすすめています。この5個が達成されない限り、ほかの20個へ目を向けてはならないそうです。フォーカスすべきことに取り組む時期やアプローチ方法も一緒に決めて記録しておきましょう。そうすれば、目標を決して忘れることなく、意志力を常に保ち続けていられるはずです。

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意志の力は万能ではありません。しかし、よい結果へとつなげるために、環境といった側面から、できる工夫をこなしていきましょう。

(参考)
コトバンク|意志
BENJAMIN HARDY|Willpower Doesn’t Work. Here’s How to Actually Change Your Life.
ScienceDaily|Share your goals -- but be careful whom you tell
THRIVE GLOBAL|10 Ways to Keep Your Willpower Intact So You Can Succeed
BUSINESS INSIDER|The 3 lists I make every day to stay focused and productive
LIVE YOUR LEGEND|Warren Buffett’s 5-Step Process for Prioritizing True Success (and Why Most People Never Do It)

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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