「この人の説明は一度聞けば忘れない!」最高にわかりやすく話せる人が大切にする2つのこと

プレゼンテーションを行なう女性

「説明がわかりにくいと言われてしまった」
「会議やプレゼンテーションに苦手意識がある。もっとうまく説明できればいいのに……」

このような悩みを抱え、わかりやすく説明できる人をうらやましく思う人も多いのではないでしょうか。

今回は、わかりやすくて説得力のある説明をするコツをご紹介します。上手な伝え方をマスターすれば、まわりからの評価も上がるはず。ぜひ、ご一読ください。

「事前準備」でわかりやすくなる

「一生懸命説明しているのに、結局何が言いたいのかと言われてしまう」
「つい話が長くなる。しかも、大事なことが伝わってないみたい……」

上記のような人は、思いつきで話をする傾向があるかもしれません。一方、わかりやすく説明できる人は、綿密な事前準備を行なっているのです。

企業経営者向けメディアトレーニング、プレゼンコーチングを行なう岡本純子氏は、STUDY HACKERのインタビューで「コミュニケーションには基本的に即興はない」と述べています。

そもそも「その場で考えながら説明しよう」という発想をもっていたとしたら、そのこと自体が間違いです。相手に説明をしたり相手を説得したりするには、なにを話すのかというシナリオを事前につくっておかなければならないのです。

(カギカッコ内および枠内引用元:STUDY HACKER|「この人の説明は最高にわかりやすい!」と評価される “基本の型” 2選。結論は〇字以内がベスト

つまり、説明のうまい人になるには、結論を探しつつ次に言うことを考えながら説明するのでなく、事前に話す内容を準備しておく習慣が大事なのです。

たしかに、準備せずに話すと、つい話が長くなってしまうものですよね。相手をうんざりさせるだけでなく、本当に伝えたかったことが相手に伝わらないという結果にもなりかねません。

では、わかりやすく話すためのシナリオはどのように準備すればよいのでしょうか。

会議中にわかりやすく説明する女性

『話し方すべて』の著者で、年間2,000回の話し方セミナーを開催する桐生稔氏は、「事前に頭の中に枠(フレーム)を用意しておく」メソッドとして、受講生たちに「思考フレーム」というものを教えているそうです。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|話がどうもヘタな人が知らない基本中の基本 シーンに応じた王道パターンを知っておこう

たとえば、取引先に新サービスの導入提案をしているがなかなかいい反応が得られていないという状況で、上司から「新サービスの反応はどう?」と質問されたとします。みなさんは何から報告を始めますか?

まずはうまくいっていない原因から? それとも対策から話すべき?——なんて、思いついた順に話し始めると、話が長くなりすぎたり、とりとめのない返答になったりして、上司に与える印象は悪くなってしまうでしょう。

しかし、思考フレームを事前に準備しておけば、相手にとってわかりやすい伝え方ができます。上記のような「報告」に適した思考フレームとして、桐生氏がすすめるのは「結果>原因>対策」というもの。(カギカッコ内引用元:同上)

「新サービスの反応はどう?」という質問に答える際、思考フレームを使わない場合と使う場合とで、わかりやすさにどの程度差が出るのか比べてみましょう。

  • 思考フレームを使わず、思いついたまま報告する場合
    「分析資料をつくって、もっと説明したほうがいいかもしれません。
    最初は反応がよかったんですが、コストの部分が懸念点みたいで……。
    最終的には反応がいまいちだったんです」

  • 思考フレームを使って報告する場合
    「新サービスの提案を行ないましたが、反応はまだ慎重です(結果)
    特に、コスト面での懸念を示しています(原因)
    対策として、コスト対効果の詳細な分析を提供し、顧客の理解を深めるワークショップを予定しています(対策)

明らかに後者のほうが伝わりやすいはずです。

「一生懸命に話しているのに、なぜか相手に伝わらない……」という方は、ご紹介したフレームを事前にインプットしておきましょう。思いついた順番に話すのをやめ、フレームに沿って話せば、伝わる説明ができるはずですよ。

わかりやすい報告のためのフレームを表した図

「結論」からの短い話で説得力が増す

「自分よりもあの人の話のほうが、なぜか説得力があるようだ」
「頑張って長々と説明したのに、相手はよく覚えていないみたい……」

このように悩んではいませんか? 相手の記憶に残る説明ができるようになりたい人は、“結論” を先に伝えて短く話すのがおすすめです。

Zアカデミア学長で『1分で話せ』著者の伊藤羊一氏は、「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」と言い、「データでも感想でもなく、まずは結論を話」すよう伝えています。(カッコ内引用元:プレジデントオンライン|なぜあなたの話は"1分で終わらない"のか 「で?」と問い返されてしまう原因

たとえば、以下のふたつを比べてみましょう。

  1. 「いま、店舗では仕事が回っていません。お客さんは増え続けていますし、売上げも多くなってきています」

  2. 「店舗のスタッフを増やしてほしいです」

1には、肝心の結論がありません。聞く側は、「結局どうしたいの? 何が言いたいの?」と疑問に思うでしょう。一方、2は「店舗のスタッフを増やしてほしい」という結論が明確です。何を言いたいのかが、相手に確実に伝わりますよね。

さらに、伊藤氏は「結論と根拠のセットを構築」できれば、「説得力を増す伝え方ができ」ると語っています。(カギカッコ内引用元:同上)

伝えたい気持ちが強いと、根拠ばかりを長々と話してしまいがち。ですが、本当に伝えたいのなら、根拠をたくさん言うのは我慢して、結論+根拠のシンプルな話し方をするべきなのですね。

引き続き、店舗のスタッフを増やしてほしいと伝える場合の例で考えてみましょう。以下の言葉を比べてみてください。

  1. 「最近、店舗での作業が回らなくなっています。客数が増えているため、特に週末はスタッフ不足が顕著です。スタッフが足りないことで、サービスの質も下がっています。このままだと顧客からのクレームにつながります」

  2. 「店舗のスタッフを増やしてほしいです。(結論)
    最近、客数が増え、売上も上がっていますが、スタッフ不足によりサービスの質が落ちています。スタッフを増やすことで、サービスの質を向上させられるはずです(根拠)

1では、根拠ばかり長々と話しており、結果的に印象に残らない説明になってしまっています。一方で2では、結論+根拠のセットで簡潔に説明しているため、「店舗のスタッフを増やしてほしい」という要望が印象に残りやすいでしょう。

別のシチュエーションにも当てはめて考えてみましょう。

【上司から「明日までに資料を作成してほしい」と依頼されたとき】

「明後日までなら可能です(結論)。
明日は取引先でプレゼンテーションのため、今日はその資料作成で立て込んでおります(根拠)」

【上司への営業報告】

「○○会社へ営業に行ったのですが、契約をとることができませんでした(結論)
分析すると、契約をとれなかったのは××が原因だと思います(根拠)」

結論+根拠を使った説明は、多くのシチュエーションで活用できます。相手の記憶に残る説明ができるようになりたいなら、考えた過程を延々と話すのではなく、結論+根拠というシンプルな話し方を試してみてください。

***
十分な事前準備をして結論から短く説明できれば、あなたの説明は格段にわかりやすくなるでしょう。きっと周囲から一目置かれるはず。ぜひ実践してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
橋本麻理香

大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。

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