英語のスピーキング力を測るテストを受けたことはありますか?
近年、日本でも知名度が飛躍的に高まっているVersant(ヴァーサント)は、短時間で正確にスピーキング力を測定できることから、企業だけではなく、個人での受験者も年々増加しています。
そんなVersantのラインナップのなかの「Versant Speaking & Listening Test」において、2024年1月にテスト内容と評価内容が刷新されました。この記事では、新しくなったVersant Speaking & Listening Testの変更点をわかりやすく整理してお伝えします。
【この記事はこんな方におすすめ】
- 英語研修を導入していて、従業員の英会話のスキルを測りたい担当者の方
- 海外事業の担当社員を選抜するにあたり、従業員のスピーキングスキルを手軽に測定したい方
- ご自身の「聞く・話す」スキルを測りたい方
- TOEICにプラスして英語力を測る手段をお探しの方
- これから英語研修を導入する方
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。
Versant Speaking & Listening Test、何が変わった?
初めに、新しくなったVersant Speaking & Listening Test(新Versant)の変更点について見てみましょう。変更点は大きく3つあります。
- スコア表示の変更
- 設問の変更
- 採点技術・音質の向上
Versantはほかにもさまざまなテストを提供しています。内容や料金についてはこちらの記事をご覧ください。
1. スコア表示の変更
Global Scale of English(GSE)スコアのみの表示に変更
これまでは、20〜80点のVersantスコアとGlobal Scale of English(GSE)という、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠していたスコアを2種類表示していました。
今回の新Versantからは、Versantスコアの表記がなくなり、GSEスコアのみの表示になりました。最も低い点数が10点、最も高い点数が90点になります。
以下は、GSEスコアとCEFRレベルとの対応表です。
評価項目の刷新
これまでのVersant Speaking Test(旧Versant)の評価項目は下記の5つでした。
- Intelligibility(わかりやすさ)
- Sentence Mastery(文章構文)
- Vocabulary(語彙)
- Fluency(流暢さ)
- Pronunciation(発音)
新Versantでは、上記のIntelligibility(わかりやすさ)、Fluency(流暢さ)、Pronunciation(発音)の3つの項目が、Manner of Speaking(話し方)の評価項目に統合されています。加えて、リスニング力が採点項目に入りました。新Versantの評価項目は、下記のようになっています。
- Overall(総合点)10〜90
- Speaking(スピーキング):10〜90
- Listening(リスニング):10〜90
- Manner of Speaking(話し方):10〜90
筆者個人としては、Versantは正確なリスニング力が問われるテストでもあると思っていたので、このシンプルかつ本質的な評価項目の変更は好印象を受けました。名称変更もうなずけますね。
英語力を把握したい企業担当者の方にとっても、「話す」「聞く」をしっかりと可視化できるのは嬉しい点ではないでしょうか。
2. 設問の変更
テスト受験者にとって一番気になるのが問題形式。こちらも一部が変更され、より実践的な英語力が測れるように進化しています。
音読・文の構築が削除
旧Versantのテスト形式から「Reading(音読)」と「Sentence Building(文の構築)」がなくなりました。
「Reading(音読)」は、その名の通り短めの英文が表示されて、それを音読していくものでした。
「Sentence Building(文の構築)」は、たとえば “works / he / at Tokyo” という3つのパートが読み上げられ、それを “He works at Tokyo.” と瞬時に正しく組み立て、発話するという問題。
筆者としては、Reading(音読)パートがなくなったのは少し残念に思いました。英語コーチングをする際、受講生の方に初見の英文を音読していただくと、その音読の精度やスピードから、発音に対する理解の正確さやリーディングスピードを推し量ることができるためです。じつは旧テストの音読パートは、それを判断するいい材料だったのです。
Sentence Building(文の構築)は、個人的には、新旧テスト両方で行なわれているRepeating(聞こえてきた短文をそのまま忠実にリピートするテストパート)で十分測れる項目だと感じていたので、よい変更だと感じました。
「音読」も「文の構築」も採点技術が向上したことで、そのほかのパートで採点が可能になったということでしょう。
さて、音読と文の構築がなくなった代わりに登場したのが、「会話に関する質問」と「文章に関する質問」です。このふたつのパートは今回の新Versantの目玉の改定であり、非常に実践的な内容の変更になっております。
新形式問題「会話に関する質問」「文章に関する質問」
新Versantに登場した「Answer a Question about a Conversation(会話に関する質問)」は、短い会話の音声を聞き、英語の質問に対して英語で回答するパートです。短い会話を1つ聞くたび、質問が1つ出されます。聞く会話の数は6つで、問題数は計6問です。
「Answer Questions about a Passage(文章に関する質問)」では、やや長めのパッセージを1つ聞くたび、質問が3つ出されます。パッセージは2つで、こちらも問題数は計6問です。「会話に関する質問」と形式は似ていますが、質問数が多いため、聞いた内容をより記憶に保持する必要があります。
どちらのパートも、リスニングした内容について瞬時に英語で回答しなければならないので、正確なリスニング力とスピーキング力が問われます。
3. 採点技術・音質の向上
採点技術の向上
Versantを提供しているPearson社によると、採点技術の向上により正確な採点が可能になったとのこと。
最も顕著にその採点技術の向上がわかるのが、Part Fの「Give your opinion」のパートでしょう。Give your opinionはたとえば、“Which do you prefer Ebooks or Paperbooks?” のようなトピックに関して、自分の意見を自由に回答するパートです。じつは旧Versantでも同じテスト項目がありましたが、採点対象外でした。
今回のアップデートにより、フリースピーチも採点されるようになり、受験者のスピーキング能力を高い精度で測ることが可能になりました。
音質の向上+英語アクセントのバリエーション増加
ENGLISH COMPANY / STRAILで旧Versant受験者からヒアリングを行なったときによく挙がっていたのが、「音声が聞き取りづらかった」というものでした。電話口で聞いているようなくぐもったような音質は、日頃音質がクリアな英語教材で学習している方にとって、それだけで少しハードルが高いものでした。
今回から音質の向上が図られ、クリアな音声で問題を聞けるようになりました。ただ、音質が向上したからといって、リスニングが簡単になったわけではないので、ネイティブスピードの音声を正確に聞く能力の必要性は変わりません。
また、英語アクセントのバリエーションが増え、アメリカ英語だけではなく、イギリス、オーストラリア英語も増えている印象です。さまざまな英語を正確に聞き取る必要性が高まってきているので、この点もよい変更でしょう。
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この記事では新旧Versantの変更点について紹介しました。
Versant Speaking & Listening Testでは、社員のスピーキング力とリスニング力を短時間で正確に測ることができます。企業の英語研修担当者だけではなく、個人でも英語学習のベンチマークとして利用できるテストです。
STRAILのビジネス英語コースでは、Versant Speaking & Listening Testで英語コーチングの効果測定をBefore/Afterで行なっております。その方の英語学習の課題に合わせた学習メニューを提供することで、3か月でスコアが10点以上上がったケースも珍しくありません。気になった方はぜひお気軽に無料体験にお越しください。