「朝30分の勉強」を最高に捗らせる3つの方法。“あれ” をするだけで記憶容量が3割アップ!

朝30分の勉強を最高に捗らせる方法01

「勉強時間を確保できない……」と悩んでいる皆さん。ぜひ “朝の時間” に注目してみませんか。

脳科学者の茂木健一郎氏は、朝目覚めてからの約3時間は、前日の記憶が整理されて、新しいことを覚えるのに適した “ゴールデンタイム” だと語ります。「朝は忙しいから……」と避けるなかれ。仮にたった30分だったとしても、工夫次第では密度の濃い勉強ができるのです。

今回は、朝30分の勉強を最高に捗らせる方法を3つご紹介します。

【1】15分間隔の「短時間刻み勉強法」で集中力をキープ

朝に勉強をするうえで、まず注意しなくてはならないのは、日中や夜に比べて時間が圧倒的に限られているということ。だらだら机に向かっていたら、あっという間に時間は過ぎていってしまいます。

そこでおすすめなのが、15分間隔で勉強すること。つまり、15分間はひたすら勉強に集中し、少し休憩をとったあと、また15分間勉強に打ち込む――のです。「たった15分で休みを挟む必要があるの?」と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、これにはれっきとした根拠があります。

東京大学の池谷裕二教授が、ベネッセコーポレーションと共同で中学生を対象に行なった実験によれば、15分間隔×3回(計45分)で勉強したグループのほうが、60分間続けて勉強したグループに比べて、学んだ内容を長期的に覚えている傾向があったのだそう。つまり、勉強中は休みをとったほうが、学んだ内容が記憶に残りやすいということですね。

また、精神科医の樺沢紫苑氏も、人間が高い集中力をキープできる目安は「15分」ほどだと述べています。集中できる時間にひたすら勉強し、適度に休憩を挟めば、勉強が捗りますよ。

朝30分の勉強を最高に捗らせる方法02

【2】声に出しての「音読」で大脳活性化

時間が限られているからこそ、いろいろなことをなるべく効率よく覚えたいもの。そのためには、自分の声をフル活用しましょう。

ゲーム「脳トレ」シリーズの監修で知られる、東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏によれば、人間が音読をすると、大脳のさまざまな部分が活発化するのだそう。

これは「見る、聞く、話す」という3つの動作を同時に行うためで、認知速度、つまり“頭の回転”や物事の判断や予測の力を養うトレーニングになります。また、脳がより働きやすくなり、音読直後の記憶の容量が20~30%増えることもわかっています。

(引用元:Sankei Biz|子供の頭をよくする音読&褒めワザ 「脳トレ」で知られる川島隆太所長に聞く ※太字は筆者が施した)

朝に勉強する際も、参考書やテキストを目で読む(=見る)だけではもったいないかも。音読をとおして、自分で「話して」「聞く」という動作を加えれば、頭がもっと働くようになりますよ。

また、音読の効果をさらにアップさせたい場合は「耳栓」を使うのがいいと、医学博士の福井一成氏は語ります。耳栓で耳をふさいだ状態で音読すると、骨伝導で声が頭の中に響くため、集中しやすいのだそう。

「黙読」よりも「音読」! これを忘れないでください。

朝30分の勉強を最高に捗らせる方法03

【3】記憶の定着具合を「記憶出し入れ術」でチェック

高校時代はまったく勉強をせず、学年最下位をとったこともあるという、弁護士の佐藤大和氏。そんな彼が司法試験に一発合格できたのは、「勉強した内容をきちんと覚えているかどうか」を朝に確認する習慣を持っていたからでした。佐藤氏はこれを「記憶出し入れ術」と名づけています。

方法は次のとおり。まず、夜寝る前の5分間で、「参考書p.20~30の〇〇について」「問題集第3章の△△」など、その日に学んだ勉強項目やページ等をメモ書きします。そして翌朝、それを見ながら「〇〇の概要はこうだったな」「△△はこういう意味だったな」などと思い出していくのです。</このとき、何も見ないで思い出せるのがベスト。ただし、仮に思い出せない部分があった場合は、参考書や問題集を見返して確認してもいいとのこと。

記憶は、寝ている間に整理されます。記憶出し入れ術は、学んだことがどれだけ記憶に残っているかを判断するテストなのです。また、覚えるのが得意なのはどこなのか、逆に覚えるのが苦手なのはどこなのか、といった傾向がわかってくるというメリットもあります。それがつかめれば、普段の勉強にも役立てられそうですよね。

「勉強している」という事実だけに満足してはいけません。きちんと記憶に残っているかどうかを確認する習慣を持つことも、また大切なのです。

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朝時間は限られているからこそ、効率よく勉強をこなしたいもの。ご紹介した3つの方法をヒントに、朝の勉強を捗らせてください!

(参考)
THE21オンライン|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方
朝日新聞デジタル|勉強時間は短い方が好成績?
樺沢紫苑 (2017),『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 』, 大和書房.
Sankei Biz|子供の頭をよくする音読&褒めワザ 「脳トレ」で知られる川島隆太所長に聞く
AERA dot.|“耳栓して音読”が暗記に効果的 脳科学で苦手を克服!
ダイヤモンド・オンライン|夜5分と朝5分で行う鉄板の「記憶出し入れ術」

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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