【脳科学的に解説】たった5%しか使えていない「潜在能力」をフルに引き出す3つの方法

潜在能力を引き出して学習効果を高める方法3つ01

「同僚は自分と違って仕事が早いしミスもしない、上司から信頼されるのも当然だ」
「友人は自分より遊んでいるのに、どうしてテストで高得点を出せるのだろう」
いわゆる “できる人” を前にして、このように落ち込んだことはありませんか? そして「結局、自分には能力がないのだ」と結論づけてしまっていませんか? 

実際のあなたは、「能力はあるけど使っていない」だけなのかもしれません。現に、心理学者のウィリアム・ジェームズ氏は「人間はその潜在能力の5~7%しか活用していない」と述べています。そこで今回は、脳科学的に潜在能力を引き出す方法を3つお教えしましょう。

脳科学的に見た「潜在能力が引き出されている状態」とは

潜在能力とホルモンの関連性を説くスポーツ心理学者の児玉光雄氏は、“分析的思考” をつかさどる左脳が働きすぎると「考えすぎ」の状態になり、“ひらめき” をつかさどる右脳が働きすぎると「思考が浅く、場当たり的な行動に出やすい」と言います。たとえば自社サービスについて考える場合。左脳の分析的思考でただ欠点に気づくだけでは、右脳を働かせることができていないので、潜在能力を発揮できているとは言えません。

薬学予防医療家の加藤雅俊氏は、潜在能力は普段強固な扉によって閉ざされており、ノルアドレナリンやドーパミン、セロトニンといったホルモンが扉を開けるカギとなると説きます。そして児玉氏によれば、ホルモンによって扉が開かれると、左脳と右脳の全領域が活性化されるそう。これが、潜在能力が引き出されている状態なのです。

また、左脳と右脳の全領域が活性化している人は、思考と行動力のバランスがいいのが特徴。先ほどの例で言えば、潜在能力を発揮する人は左脳で自社サービスの改善点を分析して、右脳のひらめきで具体的な改善案を出すことができます。また勉強の場合も、左脳で苦手分野を自己分析するだけでなく、右脳で「自分で考えても時間の無駄だ」と判断した結果、苦手分野を誰かに教えてもらうといった効率的な手段を選択できるでしょう。

以上から、脳の潜在能力を引き出すには、ノルアドレナリンなどの「ホルモンを分泌させること」と「左脳と右脳をバランスよく機能させること」のふたつが重要だと言えるのです。

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【潜在能力を引き出す方法1】「六色ハット発想法」で右脳を鍛える

脳の潜在能力を引き出すには、左脳と右脳のバランスが重要であるにもかかわらず、日本人には左脳だけ発達した人が多いと児玉氏は言います。これは、暗記を中心とした入力重視型の教育システムによる結果なのだそうです。

たとえば、英会話を習うか迷うだけで行動しなかったり、「昇進試験、受けてみたいけど失敗するのが怖い」と慎重になりすぎてチャンスを逃したり……。そんな左脳で考えすぎる人は、いろんな立場から思考することで右脳を鍛えるといいとのこと。そこで児玉氏がすすめるのは、心理学者のエドワード・デ・ボノ氏が提唱した六色ハット発想法です。

六色ハット発想法とは、ひとつのテーマについて下記の6つの視点で思考する方法のこと。かぶる帽子(ハット)の色によって視点を変えることからこの名がつきました。自分ではない人間になったつもりでさまざまな立場から思考することが、右脳を鍛えることにつながると児玉氏は言います。先ほどの「昇進試験」を例に考えてみましょう。

白(客観的視点):過去に昇進試験に合格した人の傾向や評価基準は?
赤(直感的視点):難しそうだが同僚も受けるようだし興味はある。
黄(積極的視点):試験に合格したらキャリアアップにつながるだろう。
黒(批判的視点):試験に落ちたときのまわりの反応が気になる。
緑(創造的視点):論文作成に役立つビジネス書を買ってこよう。
青(管理的視点):面接や論文の傾向を探って、勉強の計画を立てる必要がある。

左脳で思考する傾向が強い人は、「失敗したら怖い」という批判的視点を強くもっているのかもしれません。しかし、六色ハット発想法によってキャリアアップという積極的視点が得られると、少し前向きな気持ちになりませんか? 児玉氏いわく、このようにして思い込みや先入観を取り除くことが、右脳を鍛えるコツだそうですよ。

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【潜在能力を引き出す方法2】具体的な目標を設定する

右脳を鍛えたとしても、行動を起こさなければ結果はついてきません。そこで重要になるのが、ノルアドレナリンというホルモンです。

加藤氏によると、ノルアドレナリンはやる気に関わるホルモンで、できると思うと「闘争モード」に傾き、失敗を恐れると「逃走モード」に傾く性質があるとのこと。脳の潜在能力を引き出したい場合はノルアドレナリンを闘争モードにさせる必要があるそうです。

ノルアドレナリンを闘争モードにするには、できると思える根拠を示して脳を納得させることが有効。そこでカギになってくるのが、目標設定です。たとえば、社会人になってから一度も資格試験の勉強をしていない人が資格を取得したいと考えた場合。試験で高得点をとっている姿をいきなりイメージしても、理想が高すぎてしり込みしてしまい、ノルアドレナリンは逃走モードに傾いてしまいます。闘争モードを導くには、「用語を覚えるところから始めよう」「参考書の重要な部分を音読してみよう」といった、脳ができそうだと感じるくらいの小さな目標を地道に重ねていくことが大切だそうです。

加えてアメリカの著述家・実業家のジャック・キャンフィールド氏は、潜在能力を引き出す目標設定のポイントとして「数値などで測定可能であること」「達成期限が決まっていること」の2点を挙げています。資格試験に合格したいと考えている場合は、「1日5ページテキストを読む」「1ヶ月後にテキストを読み終える」のように目標を立てるとよいでしょう。

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【潜在能力を引き出す方法3】寝る前に「3行ポジティブ日記」を書く

「感情に任せた行動をとりがちで、やる気に波がある」「物事の優先順位をつけるのが苦手で、仕事や勉強の効率が悪い」といったことに思い当たる人が潜在能力を引き出すには、理性をつかさどるホルモンであるセロトニンの分泌が重要になると加藤氏は述べます。

セロトニンには、ドーパミンのブレーキ役になる働きがあるそう。ドーパミンは物事を成し遂げたときに分泌される物質で、自分に自信をつけてより積極的な行動をとる原動力となります。一方、たとえば模擬試験で高得点を出した達成感で過剰に分泌されると、「今夜は夜更かしして羽目を外そう」と感情が暴走しがちに。そんなとき、セロトニンが「明日以降の勉強に影響が出る」とストップをかけてくれるのです。

このセロトニンには、ポジティブな気持ちを生み出す働きもあります。医師で東邦大学名誉教授の有田秀穂氏によると、意欲や心のバランスに関わる大脳辺縁系という部分にセロトニンが分泌されると、ポジティブな気持ちが生まれるそう。加えて、意図的にポジティブに考える習慣をつけておくことも大切です。キャンフィールド氏いわく、脳には、思考の影響を受けて結果を導き出す傾向があるため、潜在能力を引き出すには「できる」と前向きに考えることがきわめて有効なのだとか。

そこで精神科医・樺沢紫苑氏が提唱する3行ポジティブ日記を実践してみましょう。書き方は簡単。今日の楽しかった出来事を下記のように1行ずつ3つ書くだけです。樺沢氏によると、寝る直前に考えたことは最も記憶に残るため、就寝15分前に書くのがよいそうですよ。

  • 後輩の相談に乗ったところ「気持ちが楽になった」と喜んでもらえた。
  • 過去問テキストにある模試に挑戦したら、90点とれた。
  • 近所のカフェでサンドイッチのテイクアウトをしたらおいしかった。

ちなみに有田氏によれば、セロトニンの分泌は朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる、腹式呼吸をするといった生活習慣だけでも促せるとのこと。潜在能力を引き出すために、日光浴などと3行ポジティブ日記をセットで習慣にしてみてはいかがでしょうか。

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潜在能力を発揮すれば、いまの自分には想像できないほどの成果が挙げられるかもしれません。ぜひ、脳科学に基づいた潜在能力を引き出す方法を実践してみてくださいね。

文/かのえかな

(参考)
児玉光雄 (2014),『使っていない9割の「脳力」を引き出す技術』, 東洋経済新報社.
ジャック・キャンフィールド/ケント・ヒーリー (2017),『あなたの潜在能力を引き出す20の原則』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.
加藤雅俊 (2019),『奇跡のホルモン・スイッチ 潜在能力を引き出す』, 幻冬舎.
NHKあさイチ|不安解消 セロトニン大作戦
My Wellness|“幸せホルモン”セロトニンで心も身体もスッキリ目覚める!
樺沢紫苑 (2021),『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』, 飛鳥新社.

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