「勉強をあと回しにしすぎて、試験まで時間が足りないかもしれない」
「勉強をサボっていたら、いつの間にか友人に進捗を抜かれてしまっていた」
気がつけば勉強の遅れがかなりたまっていて、「もう試験に間に合わない!」と諦めてしまうことがよくある人はいませんか? この記事では、もし途中で勉強をサボってしまったとしても、ゴールへ向けて遅れを圧倒的に挽回できる勉強法を3つご紹介します。
【圧倒的挽回勉強法1】7日間勉強法
「油断していたら試験まで時間がない……もうダメだ……」と、いままさに勉強をやめてしまいそうになっている人は、いったん落ち着いてください。「7日間勉強法」なら、まだ間に合うかもしれません。
「7日間勉強法」とは、短期間で資格試験に合格するための超高速勉強術。700個以上の資格をすべて独学で取得した、資格勉強法アドバイザーの鈴木秀明氏がすすめる勉強法です。
さすがに7日間は短すぎるのでは? と思った方もいるかもしれません。しかし、じつは7日間でも試験合格を果たすことは可能だそう。その理由は2点。「やらないことを徹底的に明確化する」から、そして「大事なところはあえてあと回しにする」からです。
7日間の進め方は次のとおり。なお、各日とも可能な限り勉強に時間を費やすことが求められます。
- 1日め〜5日め:「やらないこと」を徹底的に洗い出す
過去問や参考書などに目を通し、試験に出題されやすい分野の問題にマル印をつけ、そうでない問題には「やらないこと」としてバツ印をつける(※詳しい基準は後述)。 - 6日め〜7日め:問題を解く
マル印をつけた問題のうち、出題頻度が比較的低く、優先順位が高くないものから順に解いて勉強する。
仕分けのフェーズにおいてバツ印をつける基準はこちら。
- めったに出題されない分野
- 難しすぎて習得に時間がかかりそうな分野
- そもそも配点が低い問題
- ほかの人も解けないだろうと予想される問題
- 直近で出題されたその年固有の問題
これらの勉強に時間をかけたところで、得点は見込めないからです。また、確実に解けるとわかっている問題も省いてOK。仕分け作業が5日以内に終わった場合は、その段階で次のステップに移ります。
やらないことを徹底的に洗い出したら、次はマル印がついた問題を解くフェーズ。ここでポイントとなるのが、試験に出やすい問題ほどあと回しにすることです。というのも、出題頻度が高い問題は、本番の試験では絶対に落とせないから。鈴木氏いわく、重要な問題ほど試験直前に追い込んで頭にたたき込めば、試験本番まで覚えたことを記憶に留めておけるとのこと。
たたき込む際は、「問題」「解答」「なぜそうなるか」の3点を意識して、解き方のパターンを覚えるといいそうです。これで、問題が多少アレンジされても太刀打ちできると言います。
7日間勉強法は、前半は「やること」「やらないこと」の仕分けのみに集中し、後半で力を出しきる勉強法です。試験範囲をすべて勉強しようとすると、時間が足りなくなり、モチベーションが落ちてしまうことにもなりかねませんが、この方法なら効率よく追い上げることができますよ。
【圧倒的挽回勉強法2】答えを先に暗記する勉強法
『ずるい暗記術』の著者で弁護士の佐藤大和氏は、最短ルートの勉強法として「答えを暗記する勉強」を提唱しています。
佐藤氏によると、試験に短時間で合格したいなら、「参考書を読む→ノートに重要事項を書く→問題集を解く→最後に過去問へ取りかかる」というよくある勉強法は捨て去ったほうがよいのだそう。着実に勉強したつもりでも、過去問を解く段階になって初めて、勉強した内容と過去問の傾向にズレがあることに気づくケースがあるためです。
代わりに必要なのは、「問題とその答えを暗記する」こと。「答えを見る→問題を見る」というプロセスにより問題と答えをセットで暗記することが、試験合格への最短ルートだと佐藤氏は断言します。
問題をいちいち解く時間も、教科書や参考書などを読み込む時間も必要ありません。佐藤氏いわく、最初は答えに至るプロセスが理解できなかったとしても気にする必要はないとのこと。続けるうちに、おのずと理解できるようになるそうです。
問題と答えを暗記したら、次は「問題を見る→答えを思い出す」という勉強へ。もし思い出せなかったり、正しく覚えていなかったりしたものがあれば、答えを覚え直します。ポイントは、答えを思い出す際、紙などへわざわざ書き出さないこと。書くと時間がかかるので、頭のなかでパッと思い浮かぶかどうかを訓練するだけでよいそうですよ。
答えを暗記してから、問題を見て答えがすぐ思い浮かぶか確かめる。佐藤氏はたった3ヶ月間この手順を繰り返したことで、難関の法科大学院入試に合格できたそう。試験まで時間がなく切羽詰まっている人は、ぜひ試してみてください。
【圧倒的挽回勉強法3】1ページ1情報暗記法
行政書士や社会保険労務士など合計15種類もの難関資格を10年で取得した尾本一明氏は、自身の著書『資格試験に超速で合格る勉強法』において、超速で勉強が進む「1ページ、1情報」暗記法を紹介しています。
やり方は簡単。市販のノートを使い、1ページごとに暗記したい事項をひとつだけ書き込んで暗記するのです。たったひとつの事項を書くだけで1ページを丸々使うのはもったいない、と感じてしまうかもしれません。しかし、むしろ情報が頭に残りやすくなり確実に暗記できるのだと尾本氏は言います。試験勉強では、情報を手あたり次第に覚えるより、数は少なくても正確な知識を確実に覚えることのほうが大切なのだそうです。
1ページに1情報を収めるコツは、以下の3つ。
- ノートの罫線は無視して、大きな文字で覚えたい内容を書く
- 赤色や青色のラインマーカーで、暗記する部分を強調する
- 年号などの数字を暗記したいなら、語呂合わせに変換して書く
行政書士試験に関する言葉を例に挙げてみます。「処分基準」という用語について覚えたい場合、「処分基準とは、不利益処分をするかどうか、またはどのような不利益処分とするかについてその法令の定めにしたがって判断するために必要とされる基準のこと」と、ノートにとにかく大きく書きます。そして「処分基準」や「不利益処分」といったキーワードはラインマーカーで強調するのです。
この要領で、一般的な大学ノート1冊(60ページ)に覚えたい内容を書き込んでいけば、60個の知識を確実に暗記できます。覚えなければならないことがとにかくたくさんあるけれど、時間がない。そんな人は「1ページ1情報」勉強法を利用して、短期間で確実に記憶しましょう。
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勉強をついサボってしまい、まわりの友人やライバルに遅れをとってしまったからといって諦める必要はありません。正攻法の勉強でなくとも、短時間効率型の勉強法で巻き返しを狙いましょう。
(参考)
ダイヤモンド・オンライン|短期集中で確実に結果を出せる勉強法がある
ダイヤモンド・オンライン|勉強で最も大事なのは「やらないこと」を決めること
ダイヤモンド・オンライン|過去問は「解く」のではなく「そのまま覚える」
ダイヤモンド・オンライン|問題は絶対に解かない。答えだけを見る
ダイヤモンド・オンライン|試験最大の目的は、「答えを思い出すこと」にある
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尾本一明(2017), 『資格試験に超速で合格る勉強法』, すばる舎.
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【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。