「頭が悪そう」「能力が低そう」だと思われがちな言動5パターン。“賢いフリ” は最悪だった

なぜか「能力が低そう」「仕事できなさそう」と思われる人の5つの共通点01

職場では、「能力が高そう」「仕事がデキそう」という印象を周囲に与えたいもの。実際の能力を高めようと自己研鑽に励んだり、いい結果を出そうと努力したりしている人もいるはずです。

しかし、いくつかのよくない言動のせいで、そんな努力が水の泡になってしまう可能性大。今回は、「能力が低そう」「仕事がデキなさそう」と思われる言動の特徴をご紹介します。あわせて、そうならないための方法も解説しましょう。

「知ったかぶり」「自己コントロールの欠如」「うっかり忘れ」

エトヴェシュ・ロラーンド大学の心理学准教授バラツ・アッツェル氏が「人はどんな人のことを賢くないと思うのか」について研究しました。

研究では、被験者にさまざまな出来事についての文章を読ませ、「どの出来事を特に愚かだと感じたか」「なぜ愚かだと感じたか」を説明させたそう。その内容を分析した結果、人が他人を見て「この人は愚かだ」と感じる行動は、以下の3つに分類されたのだとか。愚かだと思われないための行動とともに、以下で紹介しましょう。

  1. 知ったかぶりをする
    あまり知識のない事柄について、よく調べもせずに口出しをする。そんな「知ったかぶりをする人」は、頭が悪そうに見えるようです。
    「こんなことも知らないのか」と思われたくない人もいるかもしれません。ですが、正直に「詳しくないですが、これから勉強したいと思います」などと伝えれば、悪印象は与えないでしょう。
  1. 自己コントロールができない
    夜遅くまでゲームに熱中して、翌日の仕事に支障をきたす。連続ドラマを見るのを途中でやめられない。やるべきことがあるのに、SNSをいつまでも見てしまう。そんな「自己コントロールができない人」は、能力が低いとみなされやすいよう。
    当然と言えば当然のことですが、ドキッとする人は意外と多いはず。すでに中毒になってしまっているなら、無理にやめようとしても難しいので、「平日の夜はゲームしない」など自分のなかでルールを決めるといいかもしれません。
  1. うっかり忘れをする
    上記2つほどではないものの、うっかり忘れ物をしたり落とし物をしたりする人は、「この人は能力が低いのでは?」と思われやすいそうです。
    自覚がある人は、ぜひ自分なりに対策を考えてみてください。忘れ物が多いのなら、チェックリストをつくって前日の夜にカバンの中身を確認する。定期券をよく置き忘れてしまうなら、バッグにくくりつけておく。このように、工夫次第で改善できることは多いはずですよ。

なぜか「能力が低そう」「仕事できなさそう」と思われる人の5つの共通点02

「必要以上に難しい言葉を使う」

言葉使いによっても、能力に関する印象は左右されます。じつは、賢く見られたいからといって難しい言葉を使うと、かえって「能力が低そうだ」と思われてしまうのです。

カーネギーメロン大学教授のダニエル・オッペンハイマー氏が行なった研究から、簡単な言葉を使う人のほうが賢く見られるということが判明したそう。

実験では、難しい言葉がたくさん使われている論文をいくつかピックアップし、同じ内容で簡単な単語に置き換えたバージョンの論文を作成。被験者(スタンフォード大学の卒業生たち)に両バージョンの論文を読ませ、どちらの作者のほうが頭がよさそうかを選ばせたそうです。すると彼らは、同じ内容の論文でも、簡単な単語を使っている論文の作者のほうが「賢そう」という印象を抱いていたとのこと。

これを私たちの仕事に当てはめて考えてみます。もちろん、いくら難しい言葉でも、職場で共通認識のあるものなどを使うぶんには問題ないでしょう。ですが、一般の客や取引先の担当者のように、共通認識をもたない相手に対しては要注意。そのような人との会話やメール、あるいは渡す資料のなかで「こっちの言葉を使ったほうが頭がよさそうに思われるかも……」と、簡単な言葉をわざわざ難しい表現に置き換えるのは、逆効果なのです。

難しい単語を使うこと自体が悪いわけではありません。ただ、「頭がいいと思われたい」という理由だけで難しい言葉をわざわざ使うのは、避けたほうがいいと言えそうです。

なぜか「能力が低そう」「仕事できなさそう」と思われる人の5つの共通点03

「人から助けてもらうのが苦手」

わからないことがあるとき、自分よりも知識や経験のありそうな人に助けや助言を求めることができますか? 「こんな質問をしたら馬鹿だと思われるかもしれない」と心配して、自分でどうにかしようとする人も多いでしょう。じつは、そちらのほうが周囲から「能力が低そう」と思われてしまいます。先述の「知ったかぶり」にも通じていますね。

ハーバード・ビジネス・スクールとウォートン・スクールの共同研究によると、多くの人が次のようなジレンマを抱えていることが判明したそう。

  • 「質問をしたら、自分は能力が低い人だと思われるかもしれない」と心配している。
  • しかし、自分以外の人に関しては「質問をする人のほうが有能に見える」と感じる。

研究における最初の調査では、被験者に「同僚に質問したい」と感じるシチュエーションを思い浮かべさせ、その場面で「実際に質問した場合」と「質問しなかった場合」のどちらのほうが、相手はあなたを有能だと感じると思うか、問いかけました。すると、大半の被験者が「質問をしないほうが有能だと思われるはずだ」と回答したそう。

次の調査では、被験者に別の被験者(※実際には、ペアの相手は被験者ではなく実験の主催者)とペアを組んで一緒にタスクをこなさせました。このとき、ペアの相手とはテキストメッセージでやりとりをします。タスクの完了後、架空のペア相手は、「結果がいいといいですね」とだけ送る場合と、「結果がいいといいですね。私に何かアドバイスをもらえますか?」と送る場合に分かれました。

その後、被験者に架空のペア相手について評価させたところ、被験者は「私に何かアドバイスをもらえますか?」と伝えてきた相手を「有能そうだ」と感じたことが判明。さらに、被験者に「自分自身はいまどれくらい有能だと思うか」と問いかけたところ、ペア相手にアドバイスを求められた被験者のほうが、自分のことを有能だと評価したそう。

この結果について研究者らは、「アドバイスを求められたことで、被験者の自己肯定感が上がったとともに、質問をしてきた相手に対する評価も高くなった」と結論づけています。

自分の能力を低く見積もられるのが怖くて質問できない。そんな気持ちはわかりますが、上の実験結果からわかるように、人は「質問しない人」よりも「質問する人」を有能だとみなすのです。質問したからといって、能力を低く見積もられてしまうことはないと思えば、安心できるのではないでしょうか。

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実際よりも低い能力しかないと見られてしまうのはもったいないものです。今回ご紹介したことを参考に、「能力が低そう」だと見られがちな言動をひとつずつ改めていきましょう。

【ライタープロフィール】
Yuko

ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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