文章を磨き上げる簡単テクニック3選。推敲は「目視」よりも「〇〇」のほうがうまくいく!

自分が書いた文章をブラッシュアップ中の女性。なんとなく手応えを感じている

「文章を完成させたが、どうも腑に落ちない……」

そんなときは、あとで他者に指摘されたり、取り返しがつかなくなってから気がついたりしないよう、「なんか変な文章」をなくすテクニックで文章を磨き上げましょう。脳の特性とあわせて説明します。

脳は疲れやすくて飽きっぽい?

文章をブラッシュアップする(磨き上げる)際、ただ何度も同じように読み返して修正するだけでは、うまくいかないことがあります。「作業に飽きたが頑張って加筆修正を続けた。あとで読み返したら変な文章になっていた」なんてことはないでしょうか。

大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授の梶本修身氏によれば、同じ作業を長時間続けて「飽きた」と感じるのは、脳が疲れるからなのだとか。疲弊して情報処理能力が低下した脳の神経細胞がSOSを出すことにより、「飽きた」と感じるそうです。 そんな状態で洗練された文章を完成させるのは至難の業ですよね。

脳を疲弊させることなく文章をよりよくする、3つのブラッシュアップ・テクニックを紹介しましょう。

休暇をとりたがっている脳のイラスト

ブラッシュアップ・テクニック1:「なぜなぜ分析」

世界でも有数の大企業として知られるトヨタでは、トラブルに直面した際に「真の原因」を探るべく、「なぜ、それが起きたのか」を繰り返し考えるそうです。これは「なぜなぜ分析」と呼ばれるもので、トヨタ生産方式を体系化した元トヨタ副社長の大野耐一氏が提唱したとのこと。

たとえば工場で生産ラインが突然ストップしたら――

  1. 「なぜ?」でモーターに負荷がかかり配電盤のヒューズが飛んだとわかり
  2. でも「なぜ?」でモーターの潤滑油が不足していたせいだとわかり
  3. さらに「なぜ?」でポンプが十分に潤滑油を汲み上げていなかったと気づき
  4. それでも「なぜ?」でポンプの軸が磨り減っていたとわかり
  5. それでもまだ「なぜ?」と問うことで、潤滑油をためるタンクに切削くずが混入し、ポンプの軸を磨り減らしていたなどの「真の原因」がわかるわけです。

(参考:PRESIDENT Online|トヨタ式「5回のなぜ」でトラブル原因を因数分解

これを文章のブラッシュアップに当てはめるとこうなります。何か引っかかる文章の問題点がよくわからないとき――

  1. 「なぜ?」⇒内容が矛盾している気がする
  2. 「なぜ?」⇒最初の方向性はA寄りなのに、途中からB寄りになっているせいだ
  3. 「なぜ?」⇒合間に入れた名言の方向性がズレているせいだ
  4. 「なぜ?」⇒見栄えがいい名言を優先して、のちの文章を合わせてしまった

こうして「なんか変な文章」だと感じる原因が文章前後の矛盾であり、そのきっかけが合間に入れた見栄えのいい名言だとわかります。「真の原因」がわかれば、あとはその原因を取り除いて、矛盾のない文章にするだけ。

アメリカの心理学者・臨床心理士のロバート・マウラー氏によれば、「質問」は脳を覚醒させ、喜ばせるそうです。投げかけられた質問について、じっくり考えることが大好きなのだとか。「なぜ?」を繰り返せば、脳は疲れるどころかウキウキしながら文章の問題点を探すかも?

ノートブックを前に考えている若いビジネスパーソン、あるいは学生

ブラッシュアップ・テクニック2:「音読」

『四則演算の文章術』を著したライター・編集者の水島なぎ氏は、書き上がった文章の推敲テクニックとして音読をすすめています。声に出して読んでみると、視覚だけでは気づけなかった誤字脱字やリズムの悪さを、口と耳を通して感じ取りやすくなるからです。

たとえば「ストレスは溜め込まないに越したことはない」などといった二重否定のまわりくどい表現も、黙読より音読のほうが違和感を覚えやすいはず。気づくことができれば「ストレスは溜め込まないことが一番」などと、簡潔でわかりやすい文章に修正できます。

接続詞が適切ではない場合も、声に出して読むほうが感知しやすいのではないでしょうか。たとえばこうです。

  • 「青い色は体感温度を下げる。また、赤い色は体感温度を上げる」⇒なんか変?
  • 「青い色は体感温度を下げる。一方で、赤い色は体感温度を上げる」⇒しっくりくる!

声に出すほど耳に残り、文章のブラッシュアップを助けてくれるでしょう。

立ち上がって書いた文章を読み返す女性、ビジネスパーソン、学生

ブラッシュアップ・テクニック3:「逆から読み」

SEなどの技術者に文章作成の指導をしている豊田倫子氏によれば、誤字脱字をゼロにする方法はないけれど、減らすテクニックはあるそうです。そのなかのひとつが、段落または一文ごとに「文章を末尾から読んでいく」ことなのだそう。 

最初から読み返すと次の展開がわかってしまい、脳が無意識に途中の文章をスキップしてしまうからです。逆から読めば文脈が崩れて、誤字脱字の発見に集中しやすくなるとのこと。

たとえば「いつも大変お世話になっております。さっそくですが、先日のご提案にいつて検討した結果、今回はA案で進めさせていただくことにしました」といった馴染み深い文章は、スラスラと読み進めてしまい誤字脱字に気づけないことがあります。でも、以下のように逆から読んでみると――

  • 「今回はA案で進めさせていただくことにしました」
  • 「さっそくですが、先日のご提案にいつて検討した結果」
  • 「いつも大変お世話になっております」

――といった具合に、些細なミスが目立ってくるわけです。ぜひお試しください。

***
「なんか変な文章」をなくすブラッシュアップ・テクニックを紹介しました。自他ともに納得できる、洗練された文章が完成するといいですね。

(参考)
「マイナビウーマン」|疲労と睡眠の医学博士が教える。「飽きた」は脳が疲れているサインだった!
日経クロステック(xTECH)|誤字脱字が多い部下、文章を逆から読ませてみよう 
ダイヤモンド・オンライン|なぜ、私たちは「質問」されるのが好きなのか?
PRESIDENT Online|トヨタ式「5回のなぜ」でトラブル原因を因数分解
PHP研究所|「読みにくい文章」で使われがちな“3つの言葉”
Wikipedia|なぜなぜ分析

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