メンタリストDaiGoもすすめる「科学的に正しい勉強法」5選。復習スパンの黄金比率は “1:5” だった!

科学的に正しい勉強法1

「勉強の効率が悪い」
「学習したことをすぐに忘れてしまう」
勉強に関するそんなお悩みを抱えている人は多いことでしょう。

そこで今回は、心理学や脳科学についての膨大な知識を持つメンタリストDaiGo氏が提唱する、科学的根拠のある5つの勉強法をご紹介します。日々の勉強を効率化するヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【勉強法1】「1:5」の分散学習

まずご紹介するのは、「1:5」の分散学習です。

「分散学習」とは、学んだ知識を少し時間を置いてから復習すること。つまり、“忘れかけた頃” を狙って、何回かに分けて復習するという方法です。ちなみに、それとは真逆の、短時間で一気に詰め込み、それ以上の復習をしない「一夜漬け」のような学習方法は「集中学習」といいます。

分散学習は記憶が定着しやすい

一般的に、多くの人が行なっている勉強方法は「集中学習」寄りです。たとえば、学校の授業で習ったことは、テストの前にざっと復習しておしまいではなかったでしょうか。学んだことを計画的に復習している人は、きっと少数派のはず。

このような「集中学習」スタイルは、一夜漬けで覚えたことをすぐに忘れてしまうのと同じで、知識の定着効率が悪いことがわかっています。いくら時間をかけて学んだところで、その数日後、数十日後などに何度も復習をする「分散学習」を行なわなければ、強固な記憶としては身についていかないのです。

日本女子大学の心理学科教授・竹内龍人氏によると、私たちが物事を記憶するまでには、じつは数日かかるそうです。そのため、インプットしてから数日後に復習をすると、今まさに記憶を定着させようとしている脳の働きを助けることになり、記憶をより強固にすることができると解説しています。

復習スパンは「試験日までの5分の1」を目安に

では、復習はどのくらいの間隔を空けて行なえばいいのでしょうか? 

DaiGo氏がすすめるのは、「試験日までの日数の5分の1」の期間を空けるという方法。たとえば、試験まで1ヵ月ある場合は6日後に、1週間ある場合は1~2日後に復習するのが目安です。「復習のスパン:本番までの日数=1:5」となることから、DaiGo氏はこの方法を「1:5の分散学習」と名づけています。

あらかじめ「○回小テストで正解できたら、この単元はもう復習しない」などのルールを決めておき、その回数をクリアするまで復習を行なうのが、DaiGo氏のおすすめです。

科学的に正しい勉強法2

【勉強法2】繰り返し小テスト

復習の方法としては、DaiGo氏は「小テスト」形式を推奨しています。DaiGo氏によると、記憶は、インプットしたときでなく思い出したときに定着するのだそう。

たとえば、「早稲田大学の創設者は大隈重信である」という知識を覚えるなら、「早稲田大学の創設者は?」「大隈重信は何を創設した?」という小テスト形式にして、自分の力で答えを思い出すようにしたほうが効率的です。

ワシントン大学が行なった実験でも、小テストが学習効率を高めることが実証されています。その実験では、被験者に美術史についての知識を学んでもらったあと、「特にテストはせずに復習する」「選択式のテスト形式で復習する」「短答式のテスト形式(小テスト形式)で復習する」の3通りのやり方で復習してもらいました。

その結果、3番目の「短答式のテスト形式で復習する」を行なったグループが、ほかのグループに比べて、1ヵ月後の再テストでの成績がよかったという結果になったのです。つまり、覚えた知識を小テストにして試すことで、記憶がより定着し長持ちしやすくなるということが、この結果からわかります。

このように、復習するときは、ただぼんやりと参考書やノートを読み返すのではなく、赤シートで参考書の文字を隠して小テストをするなど、知識を自力で思い出す練習を取り入れてみるのがいいでしょう。

科学的に正しい勉強法3

【勉強法3】覚えた直後に復習

また、新しいことを覚えるときには、ちょっとしたひと手間を入れることで記憶効率を向上させられます。そのひと手間とは、「覚えた直後に頭の中で簡単な復習をする」というもの。

たとえば、参考書の第1章の内容を覚えたとしたら、第2章へ進んでいく前に、たった今学び終えた第1章の内容を頭の中でおさらいしてみてください。このひと工夫で、学習内容をより強く記憶に残すことができます

「学んだ直後に復習をする」ことの効果は、サセックス大学が行なった実験でも証明されています。実験内容は、被験者に26本の映像を見せ、その内容を覚えてもらうというもの。被験者たちは3つのグループに分けられ、グループ1は「当日、8日目、18日目」に、グループ2は「当日、18日目」に、グループ3は「8日目、18日目」に、それぞれ復習を行いました。その結果、当日に復習を行なったグループ1、2は、グループ3の2倍近く、映像の内容を思い出すことができたのです。

新しいことを学んだら、次の単元へ移る前に、さらっとでも、おさらいをする習慣をつけましょう。

科学的に正しい勉強法4

【勉強法4】インターリービング(多様練習)

インターリービング(Interleaving)は、直訳すれば「間を離す」という意味。つまり、同じ勉強を何時間もずっとやり続けるのではなく、合間にあえて別の勉強を挟みこむ学習スタイルのことを指します。一見、非効率に思えますが、じつはインターリービングを行うことで逆に学習効率が向上することがわかっているのです。

2006年にカリフォルニア大学のロバート・ビョーク氏らは、絵画をテーマにした実験を行ないました。被験者は2つのグループに分けられ、1つのグループは作者ごとにまとめて絵を見る「ブロック学習」、もう一方はランダムに絵を見る「インターリーブ学習」で、画家の特徴や絵のタッチなどを学習してもらいました。

学習が終わったあと、それぞれの被験者に未見の絵を見せ、「この絵の作者は誰だと思うか?」という問題を出したところ、ブロック学習のグループの正答率は50%ほどだったのに対し、インターリービング学習のグループの正答率は65%にものぼりました。

ちなみにDaiGo氏によると、問題集を解くときも、順番通りに進めるのではなく、さまざまな種類の問題を織り交ぜてランダムに解いたほうが、かえって学習効率がよくなり応用力もつきやすいのだそうです。

科学的に正しい勉強法5

【勉強法5】勉強前に運動をする

最後に紹介するのは、「運動」というシンプルな方法です。

メリーランド大学は2019年に、55歳~85歳の男女26人を集め、運動と記憶力の関係を調べる実験を行ないました。被験者には、1分間に60~80回転というやや負荷のかかるペースでエアロバイクを30分間漕いでもらい、その後に記憶力を問うテストを解いてもらいました。

その結果、エアロバイクを漕いだ場合の被験者の記憶力は、漕がなかった場合よりも上昇。MRIを見ても、脳の海馬や上前頭回、下則頭回など、記憶を司っている部分が活性化していることがわかったのです。

ちなみにDaiGo氏は、最大心拍数の70%程度の運動、すなわち言葉を2~3語話すのがやっとになるくらいの激しい運動を推奨しています。リフレッシュも含めて、時にはランニングや筋トレで汗を流してみてはいかがでしょうか。

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学習の効率は、ちょっとしたコツやテクニックによって大きく変わってきます。限られた時間を有効活用するため、本稿で紹介した勉強術を使ってみてくださいね。

(参考)
Mentalist DaiGo Official Blog|短時間で最高の成果を手に入れるための「科学的勉強法」
Googleブックス|実験心理学が見つけた 超効率的勉強法:復習はすぐやるな! 思い込みで点数アップ!
Mentalist DaiGo Official Blog|科学が認める最強の練習・勉強法TOP5 〜1ヶ月で15万部突破記念
Cite Seer X|Testing improves long-term retention in a simulated classroom setting
Mentalist DaiGo Official Blog|記憶の残り方が段違い【40秒勉強法】とは
Consolidation of Complex Events via Reinstatement in Posterior Cingulate Cortex
DIAMOND online|反復学習よりも効果大!学習に変化を取りいれる「インターリーブ」のすごさ
Mentalist DaiGo Official Blog|思い出す能力を【速攻で鍛える】方法
Semantic Memory Activation After Acute Exercise in Healthy Older Adults

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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