社会人が独学を成功させる究極のコツ4選。独学は「システム化」すればうまくいく

独学を成功させるコツ01

「ひとりだとモチベーションを維持しづらい……」
「いまの勉強法が自分に合っているのかわからない……」
このように、独学のやり方に不安を覚えながら勉強している方はいませんか?

コツさえつかんでしまえば、独学でもしっかり成果を挙げられます。今回は、「独学を超効率的に進める方法」を4つご紹介しましょう。

【独学のコツ1】「SMARTの法則」で目標を設定する

独学を超効率的に進めるには、受け身ではなく能動的に勉強する必要があります。「上司に言われたから資格試験の勉強をしよう」といったように独学を受け身の姿勢で行なっていると、「勉強に身が入らず試験に落ちてしまった……」という失敗をしてしまうでしょう。

独学によって現役で東京大学に合格し、ハーバード大学教育大学院への留学経験ももつ本山勝寛氏によると、独学を能動的に進めるには、プロジェクトマネジメントの考え方が必要になるのだそう。つまり独学を「目標達成のためのプロジェクト」と考えて計画的・段階的に取り組むのです。

ここで活用すべきだと本山氏が言うのは「SMARTの法則」というビジネスフレームワーク。これは、コンサルタントのジョージ・T・ドラン氏が提唱した目標達成法で、

  • 具体性(Specific):具体的に表現する
  • 計量性(Measurable):数値で測れる
  • 達成可能性(Achievable):現実的に達成できる
  • 関連性(Relevant):最終目的に合致している
  • 期限(Time-bound):期限を明確に決める

の5つの要素にしたがって目標を定めること。本山氏によれば、この「SMARTの法則」に基づいて目標を設定すると、能動的に勉強に取り組むことができ、独学の成功率は上がっていくそう。

たとえば「来月の資格試験に合格したい」としましょう。これをこのまま目標とするだけではざっくりしすぎていて、どのような勉強をするのかが不明確なうえ、学習の進み具合を把握するのも困難です。そこで「SMARTの法則」にならえば、次のように表現できます。

  • 具体性(Specific)「資格試験の過去問題集にある問題をすべて解く」
  • 計量性(Measurable)「1日につき1年分の問題を解いて、答え合わせと間違った問題のやり直しを行なう」
  • 達成可能性(Achievable)「過去問題集にあるのは10年分。繰り返し解き直すことを考慮しても十分達成できる」
  • 関連性(Relevant)「“来月の資格試験に合格する” という目標に合致している」
  • 期限(Time-bound)「来月の資格試験本番まで継続する」

このように、ひとつのプロジェクト化して目標を設定すれば、きっと独学の成果は出るはずですよ。

独学を成功させるコツ02

【独学のコツ2】インターネットコンテンツを活用する

一橋大学名誉教授で経済学者の野口悠紀雄氏は、独学ではいつ、どんな教材を使って学ぶかを自由に決められるため、自分の知っていることは飛ばして必要なことだけを深く掘り下げて学べると言います。

とはいえ、独学では一緒に勉強する仲間がいなかったり、勉強のカリキュラムを立てるのに手間がかかったりするため、つい怠けてしまうというデメリットもあると野口氏。そのデメリットを解消するために、インターネット上のツールや教材を積極的に活用することをすすめています。

たとえば、勉強仲間が欲しいときには、次のような学習記録アプリを用いて、自分の学習内容を公開してみましょう。

  • 同じ習慣を身につけたい仲間と励まし合ったり、成果を報告し合ったりできる「みんチャレ」(iOSAndroid
  • いつでもどこでも友達とLIVE勉強会ができる「StudyCast」(iOSAndroid

また、以下のようなオンライン学習コンテンツも多く存在しています。

  • ビジネススクールとして有名なグロービスが運営するビジネスパーソン向け動画学習コンテンツ「グロービス学び放題
  • アメリカのUdemy社が運営するプラットフォームで、幅広いジャンルの講座を動画形式で見て勉強できる「Udemy
  • 現役の大学教授による大学レベルの本格的な講義をオンラインで受けることができる「gacco

(参考:STUDY HACKER|オンラインで勉強しよう! 成長したいビジネスパーソン必見!

こうした独学で使える学習ツールを積極的に活用すれば、モチベーションを保ちつつ、自分のペースで勉強をどんどん進めていくことができるでしょう。

独学を成功させるコツ03

【独学のコツ3】スキマ時間を利用する

『合格(ウカ)る技術』の著者で、トレスペクト教育研究所代表の宇都出雅巳氏は、独学で成功する人と成功しない人の違いは「勉強を継続させられるかどうか」だとしています。

宇都出氏によれば、社会人になると学生の頃のようにまとまった時間をとることが困難になるため、「勉強する時間がない」と決めつけて勉強しなくなってしまうのだそう。

そんな人は、5分や10分など、わずかなスキマ時間を有効活用するようにしましょう。寝る前や通勤中の5分や10分などを利用し、集中して勉強することを宇都出氏は推奨しています。たとえば、単語帳の見開き1ページに載っている英単語を覚え込んだり、苦手な分野について参考書の該当ページを読み込んだりなどしてはどうでしょうか。

もし手元に単語帳やテキストなどの勉強道具がない場合でも大丈夫。それまでに学習した内容を思い出すだけでも勉強になる、と宇都出氏は言います。このようにして、スキマ時間に勉強することを習慣づければ、独学が続くはずです。

独学を成功させるコツ04

【独学のコツ4】独学をシステム化する

『知的戦闘力を高める独学の技法』の著者である山口周氏によると、独学には独学のシステムがあるそう。それは、

  1. 戦略
  2. インプット
  3. 抽象化・構造化
  4. ストック

という4つのプロセスによるものです。

まず「戦略」というプロセスで、問いを立てることから始めます。たとえば経営について独学する場合、「価格競争に巻き込まれない戦略とは何か?」といったような問いを自分で立ててみましょう。

次の「インプット」というプロセスでは、前のプロセスで立てた問いを検証するために、さまざまな知識を吸収します。ここで山口氏がすすめるのが、「ジャンルを決めつけない本の乱読」。ジャンル問わずさまざまな本を読むことで、多くの視点を身につけることができます。経営について学ぶのであれば、一見関係がなさそうな歴史の本も読んでみると、先に立てた問いに対して経営史の視点からも学べる部分があることに気づけるはず。こうした過程で、問いに対するアプローチが多面的になっていくのです。

3つめの「抽象化・構造化」というプロセスでは、インプットした知識から「本質」だけを抜き出して背景や原因を考察し、そこから示唆されるものを引き出します。前述の例を続けると、「さまざまな企業の過去の事例から、価格競争に巻き込まれないためにはマーケティング戦略が重要だとわかった」といったように抽象化できるでしょう。

最後の「ストック」というプロセスでは、自分が抽象化・構造化した知識をいつでも引き出せるかたちでストックします。ここで山口氏が推奨しているのは、知識をデジタルデータとして記録しておくこと。自分が読んだ本のなかに出てきた重要そうな情報は、パソコンやスマートフォンのメモ機能などを使って、すぐに引き出せるよう保存しておきましょう。

以上の4つのプロセスから成る「独学のシステム」に沿えば、独学により確かな学びを得られるはずです。

***
独学にはモチベーションの維持が難しい側面もあるかもしれません。今回ご紹介した「独学のコツ」を意識して諦めなければ、独学を成功させられるでしょう。

(参考)
BLOGOS|独学のコツは目標設定にあり 達人に聞いた「時間がない」社会人のための学び術
BiZHint|SMARTの法則
NIKKEI STYLE|「独学こそ社会人に最高の勉強法」 野口悠紀雄氏
みんチャレ - 三日坊主防止アプリ
StudyCast
STUDY HACKER|オンラインで勉強しよう! 成長したいビジネスパーソン必見!
NOBETECH|宇都出雅巳【第2回】忙しくて時間が無い、という発想は捨てること – 独学で成功する人・成功しない人宇都出雅巳
EL BORDE|【独学特集:後編】新しいことを学び始めたい人必見! 独学には「システム」があった!?

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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