「もっと仕事を振ってほしいのに、なかなか任せてもらえない……」
「同僚のあの人は、周囲から頼られている。自分と何が違うんだろう……」
このような悩みを解決するにはどうしたらいいのでしょう? 今回の記事では、「こんな人には仕事を任せられない」と思われてしまいやすい人の特徴を5つご紹介します。ご自身に当てはまるものがないか、チェックしながら読んでみてください。
1. 重要ではない作業に時間をかける人
ちょっとした社内資料をつくるときでも、細部のレイアウトにまでこだわりたくなる。人に聞けばすぐわかることでも、自分ひとりで解決しようと粘ってしまう……。
このように、一般的に見て “重要ではない” 作業に時間をかけすぎることは、仕事を任せてもらえない原因となります。というのも「要領が悪い人だ」と見なされかねないから。
グロービス経営大学院教員の村尾佳子氏は、「要領が悪いというイメージが定着してしまうと、『この人に仕事は任せられない』『頼りにならない』と信頼を失ってしまう可能性」があると指摘しています(グロービスキャリアノート|要領が悪い人と良い人はどう違う?仕事を効率化する3つのポイント より)。そして要領が悪い人の特徴のひとつが、この、重要ではない作業にこだわるという点だそう。
重要でない作業に時間をかける人は、「この人に作業を頼むと時間がかかりすぎるからやめておこう」と思われて、仕事を回してもらえないのですね。「なんでこんなことに時間を使うの? もっと大事な仕事があるのに!」といった不信感を抱かれるかもしれません。
そこで、重要でない作業に時間をかけないよう、村尾氏がすすめるコツのうち「70~80%くらいまで進んだら、意図的にその作業を切り上げる」というものを実践してみましょう。
たとえば、資料作成であれば「7~8割できたな」と思った段階で上司などに見せる。それで「社内資料だし、これぐらいの完成度でいいよ」とOKをもらえれば、空いた時間を別の重要な作業にあてることも可能になります。要領のよさは格段にアップするはず! 常に100%を目指すよりもこうするほうが、細部への過剰なこだわりを捨てられそうですね。
仕事を任される人になるには、重要でない仕事に時間をかけすぎないことをぜひ意識しましょう。
2. 言い訳が多い人
上司からミスを指摘されたとき、「これは〇〇でして……」などとすぐに言い訳をしてしまう人も、仕事を任されにくいようです。研修講師の渡辺しのぶ氏いわく、
上司に対する言い訳は『上司の意見を否定すること』になります。誰でも意見を否定されたら気分が悪いものです。それが自分の部下であれば余計に腹立たしいもの。
(引用元:@DIME|百害あって一利なし!ミスを指摘された時につい言ってしまいがちな「言い訳」を回避する方法)※太字による強調は編集部にて施した
また、言い訳をする部下は「何より信用できない」。そのため、「言い訳をすると上司から重要な仕事依頼がなくな」るのだとか……!
加えて同僚からも「『また言い訳しているよ…』という目で」見られるようになると渡辺氏。職場の誰からも頼りにされない存在になりかねません。
ですから、上司からミスを指摘されたとき、第一声を言い訳から始める癖は直しましょう。渡辺氏によると、「言い訳ばかりする人はいきなり『理由』を言う」。そこで、理由からではなく謝罪から始めるように変えるといいそうです。
たとえば、資料を修正するよう上司から指摘されたら、第一声は「申し訳ございません」と述べ、上司の意見を聞きます。理由を述べるのは、上司の話を聞いたあと。
上司に理由を尋ねられたら、まず『事実を時系列』に伝えます。続いて『私の考えを申し上げてもよろしいでしょうか』と許可を得てから『理由』を述べます
(引用元:同上)
「私は〇〇だと思うので……」などとすぐさま言い訳することが常態化してしまうと、上司からも同僚からも信用されなくなってしまいますよ。よく注意しましょう。
3. あいさつをしない人
上司と目が合っても無言でスルー、もしくは小声で「お疲れ様です」と言う程度……。あいさつをしない人も、仕事を任せてもらいにくいでしょう。
コミュニケーション講師の宮本秀明氏が、こう解説しています。
「挨拶をしない人」は、上司や先輩が「マイナス」の先入観を抱き、「つきあいにくい」という印象をもちます。それが「仕事を教えたくない」という態度に表れます。
(引用元:PHP人材開発|挨拶が職場にもたらす効果〜若手社員に理解させるには?)※太字による強調は編集部にて施した
これでは、仕事を任せてもらえないどころか、職場にいづらくなってしまいますよね。
では、どういったあいさつの仕方が望ましいのでしょうか? 宮本氏がすすめるのは次の3つ。
- 「自分からする」
- 「立ち止まってする」
- 「はっきり発音する」
(同上資料より上記項目のみ引用)
また、コミュニケーション研究家の藤田尚弓氏は、以下をすすめています。
- 「しっかり目を合わせる」
- 「声を大きめにする」
(All About|目上の人との話し方!上司に好感を持たれるコミュニケーションとは より)。あいさつにかける「少しの労力で印象を大幅に改善」できるのだそう!
あなたは職場で、何かをしながら相手を見ずにあいさつしてしまうことはありませんか? 小声でのあいさつが当たり前になっていないでしょうか?
気持ちのよいあいさつは、単なるマナーとしてだけでなく、信頼され、好感をもたれ、仕事を任される人であるために大切。このことをよく心得ておきましょう。
4. レスポンスが遅い人
メールやチャットを受信したことに気がついても、すぐには返信しない。翌日以降に返信することもしばしば……。こうしたレスポンスの遅さも、仕事を任されにくい人の特徴です。
営業コンサルタントの菊原智明氏は、「“1分以内でレスポンス”する」というある営業スタッフの例を挙げ、「このスピードだけでも『この人とならば気持ちよく仕事ができそうだ』と感じるものだ」と述べています(ダイヤモンド・オンライン|デキる営業マンは1分以内に返信する!ビジネスはスピード時代に突入 より)。
返信の早い人には仕事を頼みたくなる、ということですね。逆に、「“返信が2~3日後”」というように遅い人がいると、「仕事ができたとしても『他の人に頼もう』と思ってしまう」と菊原氏。
もっと仕事を振ってもらえるようになりたい、頼られたい――そう思うなら、メールやチャットの返信は早くするのが得策なのです。
とはいえ、内容によっては即返信ができないケースもありますよね。そんなときは、
「その件については社内で検討しますので、●●日までに回答します」と期限を決めて、今は内容に答えられない旨を伝えましょう。
(引用元:ヒューマントラスト|メールのレスの早さが示す対応力の有無)
これは、総合人材サービス業の株式会社ヒューマントラストが、対応遅れによるトラブルを避けるためにすべきこととして挙げているもの。
早めのレスポンスを常に心がけ、安心して仕事を任せてもらえる存在を目指しましょう。
5. 机の上が物であふれている人
配布された書類、つくりかけの資料、読みかけの本……いつも机に物が山積みになっている状態を見た周囲の人は、あなたに仕事を振ることをためらうでしょう。
文筆家の千田琢哉氏が、こう述べています。
同じ実力なら、普段机の上が綺麗なほうにチャンスが流れる。机の上が綺麗な人のほうが、すぐに仕事にとりかかって成果を出してくれると思われているからだ。
(引用元:type|デスクがきれいだとチャンスが訪れる?「整理」「片付け」「段取り」で仕事のパフォーマンスを上げる方法)※太字による強調は編集部にて施した
机の上をきれいにしておくだけで、信頼されやすいというわけです! 逆に、カバンなどを含む「荷物が多いのは、要領が悪い」ことの表れなのだとか……。こう聞くと、机の上を整理しなくちゃという気になりますよね。
そこで千田氏が同書ですすめるのは、「自分の最高のスピードを出せる環境」を整えること。それはつまり、
- 「余計な物がなく、自分の使いやすいように片づけられている」
- 「無駄な物がなく、無駄な動きが生まれない」
(同上資料より、上記項目のみ引用)
といった環境を指し、「今取り組んでいることに関係のないことすべて」が余計で無駄なものに当たるそうです。
ひとことでまとめると、いまやる作業に必要ないものを、机の上に置いておかないということ。たとえば、数字とは無関係な文書を作成中に、電卓が出したままである。今日から始まる新プロジェクトの準備作業をしている最中に、昨日終わったイベントの資料が出したままである――とてもありがちですが、こういった状態はNGなのですね。
周囲から仕事を任せてもらいやすくするだけでなく、自分の仕事をスピードアップさせるためにも、机の上が物だらけ……という人は、さっそく片づけましょう!
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ご自身に当てはまる特徴があった方は、ご紹介した解決策をぜひ実践してみてください。きっといまよりも周囲から頼られ、仕事が回ってくるようになるはずですよ。
(参考)
グロービスキャリアノート|要領が悪い人と良い人はどう違う?仕事を効率化する3つのポイント
@DIME|百害あって一利なし!ミスを指摘された時につい言ってしまいがちな「言い訳」を回避する方法
PHP人材開発|挨拶が職場にもたらす効果〜若手社員に理解させるには?
All About|目上の人との話し方!上司に好感を持たれるコミュニケーションとは
ダイヤモンド・オンライン|デキる営業マンは1分以内に返信する!ビジネスはスピード時代に突入
ヒューマントラスト|メールのレスの早さが示す対応力の有無
type|デスクがきれいだとチャンスが訪れる?「整理」「片付け」「段取り」で仕事のパフォーマンスを上げる方法
【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。