「あっ、これ勉強しなきゃ!」と思ったとき、「即勉強できる人」と「できない人」の4つの違い

「即勉強できる人」と「できない人」の違い4つ01

身近な先輩から「○○の資格に合格したんだ」と聞き、「自分もその資格をとりたい!」と思ったものの、「そのうち勉強してみようかな」と考えるだけで、結局は勉強しないままになっている……。

そんな先延ばしばかりを繰り返していませんか?

「勉強しなきゃ」と感じたときにサッと取りかかれる人と、ダラダラ先延ばしにしてしまう人の違いを本記事で学び、「即勉強できる人」に生まれ変わりましょう。

【1】即勉強できる人は、「とりあえずググる」

「将来的に役立ちそうな資格へ興味をもった。でも勉強するのは面倒くさい気がして、興味をもっただけで終わってしまった……」

そんな経験がある人は、「勉強するとなれば、参考書も読まないといけないし、問題集も解かないといけないし……」とやるべきことの多さを想像して、うんざりしたのかもしれません。

ですがそのような人でも、「とりあえずググる」ことから始めれば、うんざりすることなく即勉強できる人になれるでしょう。

習慣化コンサルタントの古川武士氏によると、脳には、変化に抵抗し、現状を維持しようとする性質があるとのこと。新たな物事を始めるときには膨大なエネルギーが必要になるため、「面倒くさい」という心理が生じてしまうのです。

そこで取り入れたいのが、古川氏が提唱する「ベビーステップ」というメソッド。最初の一歩をなるべく小さく(=赤ちゃんのように)して、取りかかりのハードルを下げることです。これにより、「始める面倒くささ」を解消することができるのだそう。

勉強の場合なら、いきなり分厚いテキストに挑んだり、まとめノートをガッツリつくろうとしたりするのではなく、数分程度でできるようなちょっとした調べ物からスタートするのが得策。たとえば、身近で手軽な「インターネット検索」を使うのは一案です。

これは、株式会社カルペ・ディエム代表で勉強法に関する著作・コンサルティング活動を行なう西岡壱誠氏が提唱する方法。身のまわりの言葉を「とりあえず調べてみる」習慣をもてば、知識を深められるそうですよ。

たとえば、新聞で取り上げられていた「キャリアコンサルタント」という資格に興味をもったとき。この資格って何をする資格なんだろう。この資格があるとどんな職場で働けるんだろう。この資格をもつ著名人はいるかな……など、とりあえず検索して調べてみましょう。そうするうちにおのずと、資格への興味がより深まったり、勉強法を知ったりすることになるはず。いつの間にか資格取得への一歩を踏み出せるかもしれません。

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【2】即勉強できる人は、あえて「雑に」読む

「同僚と話していて、自分には業界知識が足りないと危機感をもった。にもかかわらず、勉強はやっぱりおっくうだ……」

そんな人は、「ちゃんと体系的に学ばなきゃ意味がない」「完璧にマスターしなければ」と思い込んでいませんか? 「多少雑でもいい!」と考えるほうが、勉強を始めやすくなりますよ。

英ケンブリッジ大学でメンタルヘルスを研究するオリヴィア・リームス氏は、やる気を引き出すには、「完璧を目指さず、下手にやる」といいと提言しています。「不完全でいいのだ」と気楽に構えると、取りかかりのハードルが下がるので、面倒くささを解消できるのです。

たとえば、同僚との会話でマーケティングの知識が足りないと気づき、本は買ってみたもののなかなか開く気にならないのであれば、

  • とりあえずザッと読めばいいや
  • 難しい箇所、つまらない箇所は飛ばしちゃおう
  • 興味がある章だけ読んでおこう

という具合に、あえて “雑な” 読み方をしてみましょう。先述の「ベビーステップ」も意識するといいですね。

そのうえで、気になった箇所があれば印をつけておいて、あとでじっくり読み込めばいいのです。最初から「完璧にやろう」とするのではなく、「手を抜きすぎかな」と思うぐらい楽なやり方で勉強を始めてみてください。

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【3】即勉強できる人は、「情報の空白」を見つける

「何か資格をとりたいなと考えていたら、たまたまとある資格の広告が目についた。『よさそう!』とたしかに思ったのに、その興味はすぐ消えてしまった」

このような状況は、興味の深堀りが一歩足りないせいで起きたのかもしれません。自分のなかの「情報の空白」をうまく見つけて好奇心を刺激すれば、即勉強できるはずです。

米国NLP協会認定トレーナーで脳の仕組みに詳しい山崎啓支氏によれば、勉強への好奇心をかき立てるには、「空白の原則」を活用するとよいそうです。山崎氏いわく、脳は「よくわからない物事=情報の空白」に遭遇したとき、それをなんとか理解しようとフル回転する性質をもつとのこと。このとき、私たちの好奇心や集中力が高まります。

たとえば、「簿記の資格が役に立ちそうだから学んでみようか」と考えたものの、それより先に進めずにいるとしましょう。ここで試したいのが、自分の好奇心をかき立てるために、どこが「情報の空白」なのかをはっきりさせること。

それには、具体的な「問い」を立ててみるとよいと山崎氏は言います。以下のような感じです。

  • 簿記とは、どんなフォーマットで書くものなんだろう?
  • 簿記には、何を記述するんだろう?

上記のような問いを通して「わからないこと」が明確になれば、脳はそれを「知りたい!」「調べたい!」と自然と思うようになります。好奇心が湧いてきて、勉強に対するやる気がぐっと増すはず。

自分の好奇心を上手に刺激できるかどうかという点も、勉強に取りかかれる人・取りかかれない人の分かれめのひとつと言えるのです。

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【4】即勉強できる人は、「先延ばしの代価」を考える

「とある資格に関心が湧いた。でもまだいまは勉強しなくてもいいか……」

そう考えて勉強を先延ばししている人は、先延ばしによってどんな損を被るのかを考えていないために、学びの機会を取りこぼしているのかもしれません。即勉強できる人になるには、起こりうる損を先回りして具体的にイメージすることをおすすめします。

生産性コンサルタントのクリス・ベイリー氏は、先延ばしを防ぐために「先延ばしの代価をリストアップする」という方法を提唱しています。

たとえば、同僚がファイナンシャルプランナーの資格をとったと聞き、自分も勉強しなきゃと思ったけれど、「いまはまだいいか」と思いかけた……そんなときは、「いますぐ勉強に取りかからないと、代償として何を失ってしまうか?」を一考して、リストアップしてみましょう。次のような感じです。

  • いつまでも資格をもたない自分は、将来の活躍のチャンスを失うだろう
  • 資格をとれば得られるはずの、給与アップの機会を失うだろう
  • 「資格をとらなきゃ」と考え続ける羽目になり、精神の安定を失うだろう

上記のように、家計やストレス、幸福などの観点で、先延ばしの代価を想像することをベイリー氏はすすめています。「損することは避けたい……!」という感情を刺激すれば、即勉強に取りかかることができるでしょう。

***
勉強を先延ばしにしがちな人は、上記4つのテクニックを取り入れることで勉強のやる気を高め、「即、学ぶ」習慣を身につけてくださいね。

(参考)
東洋経済オンライン|「勉強や運動」が続かない人が陥りがちな勘違い
東洋経済オンライン|東大生が断言「スマホは勉強に役立つ」3大理由
ダイヤモンド・オンライン|先延ばしグセを克服する、「科学的に正しい」3つの方法
山崎啓支 (2012), 『マンガでやさしくわかるNLP』, 日本能率協会マネジメントセンター.
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|「先延ばし」を克服する5つの戦略

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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