「勉強で集中できる人」が絶対に外さない重要ポイント4つ。“キリの悪いところ” で休憩を入れるのがキモ!?

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みなさんは、勉強するときに「自分にもっと集中力があればなあ……」と思ったことはありませんか?

参考書を開いてもなんとなく気が散ってしまい、数分後にはスマートフォンを手に取って勉強とは関係ないSNSを開いたり、友人にメッセージを送ったり……。「自分は集中力がないなあ……」と感じながらも、そういった衝動を抑えられない人、多くいると思います。

じつは、勉強の集中力が続く人は、“あるポイント” をしっかり押さえているのです。今回は「集中力が続く重要ポイント」を4つご紹介しましょう。

【重要ポイント1】「アウトプット」を増やす

東大生が最も集中できる科目はなんだと思いますか。じつは「数学」なんです。というのも、数学の勉強は常に問題を解く必要があり、ほかの科目と比べアウトプットが多いからなのだそう。

18万部を超えるベストセラーとなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠氏は、アウトプットを増やすことで勉強に集中しやすくなると述べています。

その理由として、西岡氏は「目的がわかりやすい」ことと「形に残りやすい」ことを挙げています。

たとえば、ただ人の話を聞くだけでは、何を重点に聞けばいいのか目的がはっきりしないため、ついぼんやりしてしまいますよね。しかし、聞きながら「ノートにポイントをまとめる」という目的を取り入れたとしたら、話を注意深く聞こうという意識が働くので、集中することができます。そして、そのノートは形として残るため、これだけポイントを押さえられたという成果も実感できます。西岡氏によると、そのような “努力をしている” と感じられる勉強のほうが、人は集中しやすいのだそう。

同時に西岡氏は、アウトプットを増やすという手段は脳科学的にも理にかなっていると述べています。

(前略)アウトプットをするということは、ペンを持つ「触覚」、ノートに書いた文字を目で追う「視覚」、自分で口に出した声を聞く「聴覚」と、五感のうち3つを活用することになります。そして、五感を多く使ったほうが、がぜん集中しやすいのです。

(引用元:東洋経済オンライン|東大生の「脳みそが熱くなる」ほど集中するコツ

実際に、手書きによって集中力のエンゲージメントが上がったという研究結果もあります。プリンストン大学が行なった実験では、被験者である学生に、手書き組とノートパソコン組のふたつのチームに分かれてTEDトークのメモを取るように指示しました。そして、TEDトークが終わったあとの30分間、認識度を図るテストをし、さらにその後、講義内容に関するクイズを被験者に受けさせます。その結果、手書きのチームのほうが、講義内容をより高度かつ詳細に理解していることが判明。さらには、集中力・注意力のエンゲージメントも高いことが明らかになったのです。

たしかに、ただ参考書を読むだけの勉強では、記憶に定着しにくく飽きてしまいますよね。そうではなく、参考書のなかで重要な記述をノートに書き出したり、自分で納得したとおりにまとめたり、問題集があるならそれを解くという時間を増やしたりすることで、より勉強の集中力が高くなりますよ。

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【重要ポイント2】「ポモドーロ・テクニック」で適度に休憩を挟む

「勉強中に休憩をとるなんてもったいない!」「自分はほかの人より頑張らないといけないから休憩はとらない!」なんて考えていませんか。もしそうだとしたら要注意です。私たちの脳が集中力をキープできる時間には限界があります。ときどき休憩をとり、脳機能を回復させる必要があるのです。

そこでご紹介したいのが「ポモドーロ・テクニック」。これは、25分の勉強をしたら5分間の休憩を挟むという、極めてシンプルな時間管理術です。イタリア出身のコンサルタントであるフランチェスコ・シリロ氏が開発しました。

ポモドーロとは「トマト」のこと。シリロ氏は、学生時代に社会学の試験に追われた際に、トマト型のキッチンタイマーを用いて、時間を区切って勉強をしました。「集中力と生産性が最も上がる時間管理術は何なのか?」という疑問のもと、ひとつの作業を行なう時間や休憩時間、その回数などを研究した結果、「25分+5分」というひとつの単位を突き止めたのです。

さらに、2時間以上の長時間の勉強においては、1ポモドーロ(25分+5分)を4回行なったあと、20~30分程度の長い休憩を入れます。これは、次のタスクに取りかかるまでに、完全に脳を休ませるためです。

「今日は集中して勉強するんだ」と決めたのなら、ぜひタイマーを25分にセットし、そのたびに5分間の休憩を確保しましょう。ちなみに休憩中は、窓の外の緑に目をやるのがおすすめ。メルボルン大学の研究で、緑を眺めるとその後の作業のミスが減ることが明らかになっています。休憩を取り入れてリラックスしつつ、集中力を回復させましょう!

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【重要ポイント3】「キリの悪いところ」でやめる

勉強が捗っていると、「このまま一気にキリのいいところまで続けよう」という気持ちになりますよね。しかし、脳科学者の中野信子氏によると、集中力の高い人は “あえてキリの悪いところで休憩を入れている” のだとか。その理由は、未達成のもののほうが印象に残るという人間の心理があるから。

この「ツァイガルニク効果」は、ベルリン大学の心理学者であるクルト・レヴィン氏と、リトアニア出身の留学生ブルーマ・ツァイガルニク氏が、「完了していない仕事や目標は、完了したものよりも長く記憶に残るのではないか?」という仮説を立てたことから始まりました。

たとえば、好きな海外ドラマを観ているとき、ストーリーの鍵を握る隠れた重要人物が明らかになりそうな場面で終わってしまったら、次のエピソードが気になってしかたありませんよね。また、あと30分さえあれば完了できたはずの仕事を残して家に帰るとき、その仕事のことが頭から離れず、なんとなくすっきりしない気持ちになったことはないでしょうか。

「キリの悪いところでいったんやめる」という行為は、「まだ終わっていないそのことが気になって仕方ない」という心理をうまく使った、休憩後もまた集中して取り組める技なのです

「あと1ページでこの章が終わる……!」なんてときにも、休憩時間になったら思いきって参考書を閉じましょう。そのすっきりしない気持ちが、また参考書を開いて勉強する気を起こさせ、集中力の持続も促すのです。

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【重要ポイント4】「タスクシフト」で飽きさせない

それでもなかなか集中力が続かない……と感じている人は、もしかしたら同じ勉強内容に飽きているのかもしれません。

カナダのトロント大学は次のような実験を行ないました。学生17,621人を対象に、17週間という期間の中で学校の勉強や試験対策用のwebトレーニングを行なうよう指示。そこでは、それぞれの被験者がどのくらいの頻度でアクセスしたか、そしてどのタイミングで離脱していったかを調査しました。

そこで判明したのは、同じようなトレーニングを30分以上続けているとパフォーマンスが徐々に落ち、50分も経つとセルフコントロール能力が壊滅的になったこと。つまり、同じ作業を続けると、私たちの集中力やパフォーマンスは下がってしまうのです。

これを受けて、メンタリストのDaiGo氏は、集中力を持続させるには「タスクシフト」をすることが必要だと述べています。

つまり、僕たちは同じタスクをただひたすら続けている場合には徐々に疲れてしまいモチベーションは下がっていきますが、それと同時に他のモチベーションが上がっていくということです。(中略)集中力が落ちてきたところでタスクシフトといってタスクを上手に切り替えていくことができれば常に高いモチベーションを保ち続けることができるのではないかとされています。

(引用元:Mentalist DaiGo Official Blog|ずっと続く集中力の作り方 ※太字は筆者が施した)

またDaiGo氏は、個人差はあるものの、目安として30分毎にタスクを変えることをすすめています。30分ならば、ちょうど「ポモドーロ・テクニック」の1ポモドーロの単位と同じですね。

たとえば、今日はTOEICの勉強を集中してやりたいと思ったとき。30分は英単語の暗記を、30分はリスニングを、30分はリーディング……というふうに、勉強内容を次々と変える工夫をすると効果的です。集中力キープのためには、勉強に飽きさせないことも重要なのです。

***
以上の重要ポイントを押さえて、集中力とパフォーマンスを持続させましょう!

(参考)
東洋経済オンライン|東大生の「脳みそが熱くなる」ほど集中するコツ
FAST COMPANY|How To Finally Stop Taking Useless Notes At Work
Newsweek|ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた
ScienceDirect|40-second green roof views sustain attention: The role of micro-breaks in attention restoration
ダイヤモンド・オンライン|集中力が高い人ほど「キリが悪いところでやめる」を実行している
ダイヤモンド・オンライン|邪魔をされると目標達成しやすくなる
PubMed|A pre-registered naturalistic observation of within domain mental fatigue and domain-general depletion of self-control.
Mentalist DaiGo Official Blog|ずっと続く集中力の作り方

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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