「助けてもらう」だけで好かれます。職場の人と距離を縮める超簡単な方法3選

同僚と仲良く01

皆さん、会社での人間関係は良好ですか? 

「イマイチ職場にとけ込めない」
「上司や同僚ともっと仲良くなりたいけれど、関係性が構築できていない気がする」
「今さら仲良くなる方法もわからない……」

このような悩みを抱えている方は少なくなのではないでしょうか。

「会社の人たちと必要以上に仲良くなる必要はない」と考えている人もいるかもしれませんが、じつは、「職場の人間関係が良好なほど、仕事力も上がる」という調査結果が出ているのです。今回は、職場で良い人間関係を築く重要性と、職場の人と仲良くなるコツをご紹介しましょう。

職場で良い人間関係を築く重要性

冒頭で述べたように、同僚たちと良い関係を築けている人のほうが、そうでない人よりも仕事のパフォーマンスが高く、心身の健康に良い影響があるという調査結果が出ています。

世論調査などを行なっているギャラップ社が、アメリカで2,500万人を対象に行なった調査によると、70%もの従業員が仕事にあまり熱心に従事していないという結果が出たなか、職場に仲の良い社員がいる人たちに限っては仕事への満足度が著しく高かったそう。

また、会社に友人がいる人たちは、そうでない人たちに比べ、7倍もの確率で熱心に仕事に取り組み、実力をフルに発揮し、結果も出していることもわかったのだとか。職場の人間関係は、これほどまでに仕事の結果に直結しているのですね。

職場は毎日8時間以上過ごす場所。気持ち良く過ごしたいですし、自分の出せる実力を出し切って評価されたいものですよね。「職場の人と仲良くできなくても結果さえ出せれば良い」と考えていた人も、仕事の出来に関わってくるとあれば、考え直すのではないでしょうか。

同僚と仲良く02

まず、自分の「なりたい像」に近い人と仲良くなろう

職場でうまく人間関係を築けない人のなかには、「自分に自信がない」という人も多いのではないでしょうか。

「自分よりずっと仕事のできる同僚に気負いしてしまう」「上司に好かれていない気がする」「自分と一緒にいても楽しくないのでは」などという自信のなさから尻込みしている人におすすめなのが、まずは、自分の「なりたい像」に近い人と積極的に仲良くなることです。

アメリカの起業家で自己啓発作家のジム・ローン氏は、人付き合いについて「人は最も多くの時間をともに過ごしている5人の平均である」と説明しています。職場に自分の「なりたい像」に近い人がいる場合は、積極的に仲良くなりましょう。尊敬する人と長い時間を一緒に過ごすと、相手の良いところを取り込むことができ、自信につながっていきますよ。

同僚と仲良く03

「助けを求める」だけで好かれます

「そんなことを言われても、『なりたい像』の人と仲良くなる自信すらない……」という人にこそ試していただきたいのが、「助けを求める」ということ。なんと、人には「助けた相手に好印象を抱いてしまう」という性質があるのです。それを裏づける、アメリカの心理学者ジェッカーとランディによる実験をご紹介しましょう。

1. まず、被験者に問題を出し、正解するとお金がもらえることを説明します。

2. 一部の正解者のみに「申し訳ないけど、研究資金がなくなったから、お金を返してほしい」と伝え、お金を返してもらいます。

3. 最後に、実験者たちの印象を聞くと、お金を返してくれと頼まれたグループのほうが、頼まれなかったグループよりも、実験者のことを「いい人だ」と感じていることが判明したのです。

つまり「相手に弱みを見せて助けてもらう」と、自分に対して好感を抱いてもらえるのです。

人には、矛盾を嫌う性質があります。「理由もなく相手を助けた」と考えるよりも、「この人を好きだから助けた」と矛盾しない理由を本能的に後づけしてしまうことによって、このような現象が起こるのだとか。

皆さんも、仲良くなりたい人に「相談したいことがあります」「アドバイスいただけませんか?」などと声をかけ、相談してみましょう。勇気を出して弱みを見せてきた相手に嫌悪感を抱く人は、そうそういません。

仲良くなりたい相手が後輩であっても、「助けてほしい」「じつはこれが苦手で……」などと相談するのが良いでしょう。後輩からしても、嫌な気分はしないはずです。むしろ先輩から頼られたことによって、自信がつくかもしれません。周りから助けてもらうことで好感を持ってもらえるのなら、簡単だと思いませんか?

同僚と仲良く04

悪口は控えて「ポジティブ・ゴシッピング」を

ほかにも、同僚との仲を深める方法としておすすめなのが「ポジティブ・ゴシッピング」です。その場にいない同僚の噂話をすることはあるかと思いますが、「あの人はミスが多い」「性格が悪い」「あまり一緒に仕事したくないね」といったネガティブな話題も多いでしょう。悲しいことに、悪口のほうが盛り上がりやすいように感じられる面もありますよね。

しかし、オハイオ州立大学の研究によると、第三者のネガティブな噂ばかりする人ほど嫌われやすく、親密な関係を築きづらいという結果が出ています。さらに研究によると、反対に、その場にいない第三者を褒める人は、親近感を持たれる傾向があるのだとか。皆さんも、同僚のちょっとした良いところをほかの同僚や上司に話してみてはどうでしょう? 普段から相手の良いところを探すクセをつけておくのもオススメです。

同僚と仲良く05

ミミッキングで距離を縮めよう

最後にご紹介するのは、「ミミッキング」という会話のテクニック。ミミッキングとは、相手の会話の語尾を2〜3語繰り返すことです。

たとえば、話をしている相手が「シュノーケリングが趣味で、今年の夏も行ってきたんですよ」と言ったら「今年の夏も行ってきたんですね!」と返すというもの。フランス、シンガポール、アブダビにキャンパスを持つ経営大学院INSEADの研究によると、ミミッキングを行なうと、相手が親近感を覚えることがわかっているそう。

コミュニケーションが苦手な人でも手軽にできる効果的な方法なので、ぜひ試してみてくださいね。

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何気ない会話こそが人と人との距離を縮め、その親密さが仕事に生きてくるのではないでしょうか。職場の人たちとなかなか仲良くなれない、という人は、ご紹介した方法をぜひチャレンジしてみてくださいね。

(参考)
Cosmopolitan|Having a work wife makes you more productive, study says
Business Insider|You're The Average Of The Five People You Spend The Most Time With
渋谷昌三(2013), 『面白いほどよくわかる! 自分の心理学』, 西東社.
DaiGo(2018), 『超人脈術』, マキノ出版.

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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