頭のいい人がやっている、常識とは “逆” の勉強法。東大生は○○から勉強している

頭のいい人のイメージ

「勉強をしてもなかなか身についていない気がする」

そんな悩みをもっていませんか? 

頑張って勉強しても伸び悩んでいるのなら、新しいアプローチを試すべきタイミングなのかもしれません。時には、常識とは “逆” の勉強方法を試すのも有効ですよ。

その具体的なやり方やメリットを詳しく解説します。ぜひ、この記事を読んで新しい勉強法に挑戦してみてください。

【ライタープロフィール】
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

過去問は解かずに「解説から」読む

通常、資格試験などの過去問は、実力がどの程度ついているかの確認や、身につけた知識の実践として、問題を解くために利用するものですよね。“自力で問題を解いてから、解説のページを読む” というやり方が当たり前だと考えている人は多いでしょう。

しかし、じつは “解説欄から先に読み込む” ことで、より効率よく試験勉強ができます。こうすすめるひとりが、資格・勉強コンサルタントの鈴木秀明氏。「基本的な知識と、『解き方』のパターンを覚えていくこと」が「試験勉強の本質」だとし、次のように言います。

初めて見るタイプの問題に出合うたびに「まずは一度自分の力だけで解いてみよう」などとやってしまうのは、時間を浪費してしまうわりに、その過程によって得られるもの・磨かれるものはさほどありません。「解く」のではなく、「解き方のパターンをどんどん吸収する」ことに注力しましょう。

(カギカッコ内含む引用元:ダイヤモンド・オンライン|過去問は「解く」のではなく「そのまま覚える」

参考書を読み込んで、複雑な用語を暗記して、必死に頭をひねりながら過去問を解いて……といった流れで勉強していては、時間がいくらあっても足りないでしょう。多忙なビジネスパーソンが、限られた勉強時間で結果を出すためには、解説を読み込んで解き方をインプットしていくことが大切なのですね。

『ずるい暗記術』の著者で弁護士の佐藤大和氏も同様に、“問題を解かずに、答えを見る” 勉強法をすすめています。というのも、「教科書を読み、練習問題を解き、過去問を解く」という順で進めると、「ようやく過去問にたどり着いたら、今まで勉強していた内容と過去問の傾向が大きく違うケースがある」から。(カッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|問題は絶対に解かない。答えだけを見る

たとえば、「法律知識の暗記に時間を費やしたのに、いざ過去問を開いたら条文を直接問う問題よりも、 “実際の取引の場面でどのように法律が適用されるか” というケーススタディ形式の問題が多かった……」といったような、時間のロスが発生しかねないということです。

以上のことをふまえると、問題を解くより先に過去問と解説欄をセットで読み、実際の問題を想定しながら勉強するのが効率的だと言えます。

筆者も、実際にこの方法を使って弁理士試験の勉強をしてみました。最初はわからない単語だらけで解説を読むことにすら苦労しましたが、読み進めていくうちに、用語の意味もわかるように。

読んでもわからない単語はメモをして、あとから調べました。問題や解説を先に頭に入れておいたら、単語の意味をより理解しやすくなったように感じましたよ。

実際に勉強に使用したノート

特にこの効果を感じたのは、似た意味の単語を調べるときです。どのように出題されるのかを知ったうえで両方の単語を調べると、差異を効率よく理解できたのです。

たとえば、似ている言葉として、

「専用実施権」と「通常実施権」

というものがあります。意味の違いは、「専用実施権者は特許発明の実施をする権利を専有するのに対して通常実施権者はこのような専有はできません」とのこと。(カギカッコ内引用元:日本弁理士会 関西会|特許権の効力・存続期間について

この説明文だけ読んでも、どう試験に出てくるかまではわかりにくいですよね。

ですが、これらの言葉がたとえば、

AさんがBさんに「通常実施権」を与えた場合、さらにCさんにも「通常実施権」を与えることができるのは正しいかどうか

という感じで出題され、その答えは「◯」だと知ったうえで、先ほどの説明文を読んだとしたらどうでしょうか?(出題例の参考:特許庁|令和元年度弁理士試験  短答式筆記試験問題集

なるほど、「通常実施権」は権利を専有するもの “ではない” から、権利をほかの人にも追加で与えることができるのか。これが、「専用実施権」と「通常実施権」の違いなんだな。

と納得しながら勉強できるわけです。

このように、過去問と解答・解説を先にセットで見ておくと、意味の違いがまぎらわしい用語を効率よく理解できます。また、問題を解かないので、過去問集を一周する時間がかなり短くなる点もメリット。過去問は繰り返し何度も学習するのが重要ですが、この方法であれば通常より多くの回数取り組むことができそうですよね。

繰り返し勉強している様子

テキストは最初からではなく「結論から」勉強する

参考書や教科書を読んで勉強するとき、最初のページから読み進める方が多いでしょう。そうすると自然に、“昔→最近” といった時系列順に勉強していくことになりますね。

しかし意外にも、その逆の流れで勉強することも有効であるよう。

東大生の勉強法についてまとめた著書を多くもち、自身も東大生である西岡壱誠氏によると、東大生たちは「なぜ」と問いながら「『最後→最初』で勉強する場合が多い」のだそう。「『なんでそんなことが起こったのか?』という疑問を深掘りするように勉強する」のだといいます。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「本や参考書は最後から読む」東大生の驚きの勉強

たとえば、歴史の勉強でいうと次のような具合です。

【第二次世界大戦は「なぜ」起きたのか?】

→1939年、ドイツがポーランドに侵攻したから
→「なぜ」侵攻したのか
→ドイツ領土が縮小したため、ポーランドから領土を取り戻そうとしたから
→「なぜ」領土が縮小したのか
→ヴェルサイユ条約でドイツにとって厳しい条約を結ばれたから……

このように、第二次世界大戦が起きたという結論をもとに、その原因をさかのぼっていくのです。

「なぜ」を深掘りしている男性

筆者も、先ほどと同様に弁理士試験の内容で実践してみることに。すると、多くの条文に理由や経緯があっていまのかたちとなっていることを知り、内容を覚えるのにとても役に立ちました

たとえば、次の制度で見てみましょう。

「特許異議申立」

これはほかの制度と違って必ず “書類上のみ” での判断であり、特許庁で直接関係者から意見を聞くことがありません。(参考:弁理士法人 三枝国際特許事務所|特許異議の申立て制度

じつはこの言葉については、暗記しようと思ってもほかの制度と混ざってしまい、なかなか覚えられずにいたのです。

調べたところ、もともと特許異議申立は一度なくなったものの、再開された制度だと判明(参考:同上)。そこで、以下のように「なぜ」で掘り下げてみました。

【特許異議申立は「なぜ」書類上のみでの判断なのか?】

→もともとは一度なくなった制度である
→「なぜ」なくなったのか
→ほかの直接意見を聞く必要がある制度では特許庁に行く必要があり、遠方の参加者の負担が大きい問題があった

(参考:同上)

以上をふまえると、特許異議申立は問題点を改善するため、より簡単な手続きだけで終わる制度として再開されたのだとわかったのです。この経緯を知ると、「特許異議申立はそもそも負担を少なく請求できるようつくられていて、書類のみで行なうものである」という制度の仕組みをしっかりと覚えることができました。

また、経緯を調べていくことで制度改定の傾向を知ることができ、調べていない内容についても、「こういう理由でできたのではないか」と推測することもできるようになりました。

このように納得しながら内容を理解していくと、単なる暗記よりも知識として定着していく実感が得られました。理由を知らないまま勉強するよりも根本から理解していけるため、おすすめですよ。試験まで時間に余裕がある場合には、ぜひやってみてください。

***
今回は、常識とは ”逆” の勉強法をご紹介しました。普段の勉強で成績が伸び悩んでいる方は、ぜひこの方法を試してみてください。よい結果につながれば幸いです。

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト