学習効率が高まる「勉強中」の4つのルーティン。“これ” を着るだけで集中力もやる気もアップ

勉強中の4つのルーティン01

勉強中、やる気が続かない、効率が上がらない……そんなお悩みはありませんか? いつもの勉強にひと工夫加えるだけでグンと学習効率がアップする、4つのルーティンをお伝えします。

1. 勉強用の服に着替える

まずは、勉強するときの服装について。リラックス用の部屋着やパジャマのような格好のまま、勉強机に向かってはいませんか? じつは、服装は集中力に影響を及ぼすのです。

2012年、アメリカのノースウェスタン大学で、服装と注意力に関する実験が行なわれました。実験では、

  • 白衣を着用するかしないかで、注意力はどう変わるか
  • 白衣を「医者のもの」として着たときと「画家のもの」として着たときで、注意力はどう変わるか

を調べました。その結果、白衣を実際に着用し、さらに白衣が医者と関連づけられた場合にのみ、注意力が上がっていたのだそう。この研究を行なった社会心理学者のアダム・ガリンスキー氏らは、これを「Enclothed cognition」と名づけました。訳すとすれば、「着ることによる認知」。服装が人の心理に影響を与えるということですね。

実験では、「高い注意力が求められる医師の白衣を着ている」と認識したことが、実際の注意力にも影響を与えていました。この結果からわかるように、私たちが勉強するときはただ単に服装を変えればいいということではありません。服に対して具体的なイメージを与えることが大切です。

たとえば、清潔なシャツやかっちりとしたジャケットなどを「勉強用の服」と決めて着るのもよいですし、実験のとおり医者や研究者などの格好をするのも手でしょう。テレビ番組などでよく見る有名な東大生の衣装や私服をまねて、なりきってみるのもいいかもしれません。

重要なのは、勉強や集中力に直結するイメージのある服を着ること。だる着のまま勉強しているみなさん、ぜひ背筋の伸びる服を着ることを勉強時のルーティンにしてみてください

勉強中の4つのルーティン02

2. 雨音を聴く

次は音についてです。みなさんはBGMをかけながら勉強していますか? それとも、無音の環境で勉強していますか? じつは、最も集中力が上がる音は、雨音なんです。

東京大学薬学部教授で大脳生理学が専門の池谷裕二氏によると、マウスの実験をするとき、まったくの無音ではマウスに何かを学習させること自体ができないのだそうです。人間も同様で、無音よりも50デシベル程度の雑音があるほうが学習が進むと言います。

50デシベルの音は、静かな事務所内の作業音や、エアコンの室外機の音などです。勉強に適したイメージがある静かな住宅地や図書館などは、40デシベル程度。これでは少し静かすぎます。ですから、普段の勉強環境がわりと静かだという人は、勉強中に雑音の音源を流すことをルーティンにするとよいでしょう。音源の例として池谷氏は、雨音や波音、川のせせらぎなど、自然音の収録音源を挙げています。

今回、自然音のなかでも特に雨をおすすめするのには理由があります。研究により、雨は集中力を高めるということがわかっているのです。2009年、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究で、晴れの日よりも雨の日のほうが記憶力が3倍もよいという結果が得られました。研究チームは、悪天候による暗い気分が注意力を高めたとしています。

雨音は学習に適した雑音であるだけでなく、ややナーバスな気分にさせる面でも、集中力を高めてくれるのです。勉強中の音は、雨音で決まりですね。

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3. ガムをかむ

耳に続いて口です。勉強中のルーティンとして、ガムをかむことをおすすめします。メジャーリーガーが試合中にガムをかんでいる様子はみなさんも目にしたことがあると思いますが、ガムをかむことによる脳の活性化は、科学的に証明されているのです。

この効果を明らかにしたのは自然科学研究機構生理学研究所の教授・柿木隆介氏らによる、2008年の実験です。被験者は5分間無味・無臭のガムをかんだ直後に、音が聞こえたらボタンを押すというタスクを実行。その際の被験者らの脳波が測られました。その結果を、何もしない場合、ガムをかまずに顎の運動のみする場合、手指の運動をする場合とで比較したところ、ガムをかんだ場合にのみ脳波の反応が早くなったそうです。しかも、かめばかむほど反応が早くなった(つまり、脳が活発に働いた)とのこと。

また、東京歯科大学教授の武田友孝氏は、ガムをかむとセロトニンというホルモンが分泌されるため、精神が安定する効果もあると言います。

ガムをかむことは、脳が覚醒し頭がよく働くようになるとともに、リラックスできて落ち着いて勉強に取り組める、一石二鳥なルーティンです。ぜひガムを勉強のお供にしてみてください。

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4. 休憩は「中途半端なところ」でとる

最後は、勉強中の休憩の入れ方です。少しだけ休憩するつもりが、そのままずるずる休んでしまって勉強を再開できないということ、ありますよね。そうならないために、休憩をとる際は「ツァイガルニク効果」を利用することを、勉強中のお決まりにしてはどうでしょう

ツァイガルニク効果とは、「完了していない課題のほうが、完了した課題に比べて、より思い出しやすい」という効果のこと。旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク氏が実験によって示しました。ツァイガルニク氏は、被験者らに複数のタスクを課し、できるだけ早く正確に完了させるよう指示。そして、作業中、時折被験者らの邪魔をして作業をストップさせ、別の作業を指示しました。作業後、いままでやったタスクにはどのようなものがあったかを被験者に答えさせたところ、邪魔が入ったせいで完了できなかったタスクを、きちんと完了させたタスクよりも90%も多く回答できたのだそう。被験者は、「中途半端なままの作業のほうが気になっていた」ということです。

みなさんにも、途中のまま置いてきた仕事が気になったり、相手が途中で話すのをやめた話題の続きが気になったりした経験があるかと思います。このツァイガルニク効果を勉強にも利用すれば、いったん休憩しても続きが気になって、スムーズに勉強を再開することができるでしょう。

勉強中は「ここまでやったから休憩!」と、きりのいいところまで終わらせてから休憩するのではなく、わざときりの悪いところで休憩してみてください。休憩が長引くことがなくなり、勉強への意欲も保つことができるはずです。

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服、雨音、ガム、ツァイガルニク効果。ちょっとしたルーティンを加えて、日頃の勉強をパワーアップさせましょう。

(参考)
Wikipedia|Enclothed cognition
ScienceDirect|Enclothed cognition
新R25|「集中力を上げる効果はない」とわかっていても、脳研究者が仕事中にBGMをかける理由
日本騒音調査ソーチョー|騒音値の基準と目安
AFPBB News|天気が悪いほうが記憶力が高まる、豪大研究結果
生理学研究所|噛めば噛むほど、脳は活発に—モノを噛むことに効果あり。脳波を使った研究で証明—
Tokyo FM|第346話 ガム - 「ガムで集中?それともリラックス?」 - ピートのふしぎなガレージ -TOKYO FM 80.0MHz
Wikipedia|ツァイガルニク効果
ダイヤモンド・オンライン|邪魔をされると目標達成しやすくなる

【ライタープロフィール】
梁木 みのり
早稲田大学文化構想学部在籍。福岡県筑紫女学園高校出身。高校時代から文芸部に所属し、小説を書いている。現在大学では、文芸・ジャーナリズム論系に進むためテクスト論を中心に日々勉強中。

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