「1日たった30分の勉強」を最高にはかどらせる3つの方法。勉強後の○○で記憶力10%アップ!

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「新しい勉強もしたいけど、時間に余裕がない……」
「毎日まとまった時間がとれず、勉強が続かない……」
「仕事に追われ、自己学習がおろそかになっている……」

勉強について、こんなふうに悩んではいませんか? もしそうなのであれば、1日たったの30分から勉強を始めてみましょう。

「30分だと短い」と感じる人もいるかもしれません。しかし、短時間だからこそ、集中できたり継続できたりするもの。ちょっとしたコツをおさえれば、短い時間でも濃い学習をすることは可能です。

今回の記事では、1日たった30分」の勉強を最高にはかどらせるための3つのコツをご紹介します。

【1】勉強前の「軽い運動」で脳を整える

勉強を始める前の準備として、記憶を入れやすい脳の状態にしておくことが大切です。そのためにおすすめしたい方法が軽い運動

スウェーデン・ヨンショーピング大学が行なった研究で、軽い運動には脳の活性化を促す効果があると明らかになりました。驚くことに、効果が現れ始める運動時間はたったの「2分から。

2009年から2019年にわたって18~35歳の被験者を対象に運動の効果を調べた、13件の研究を分析した結果、2分~1時間の運動を行なった被験者の学習能力や記憶力が向上したことが判明したのだそう。ここで想定されている運動とは、ジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動です。

論文を著わした研究者たちは、脳が情報を記憶し始める「前」に有酸素運動を行なうことで、学習や記憶の機能が改善する効果があると考察しています。運動が脳によいことはよく知られていますが、勉強の準備段階に身体を動かしておくことが効果的なのですね。

運動の習慣がない……という人でも、勉強前に軽く近所を散歩するだけで大丈夫です。脳をよい状態に整えてから、勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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【2】「検索練習」で効率的に記憶する

勉強に時間を割けるのは30分という限られた時間。どのような勉強法だと、短時間でも学習内容を濃く記憶に残すことができるのでしょう? おすすめするのは、認知科学者も推奨する検索練習という方法です。

検索練習とは、脳内の記憶をたぐって学習内容を思い出すという方法。たとえば、単語帳を使ったフラッシュカード形式の勉強などがこれにあたります。新しくインプットした情報を「頑張って思い出す」ことで、曖昧な記憶をしっかり定着させることができるのです。

この方法の有効性は、科学的にも証明されています。2006年にアメリカ・ワシントン大学の研究者らが発表した論文によると、文章を読んだ学生のうち、テキストを「再読する」という方法で学習したグループより、テストを行ない「思い出す」学習法を組み入れたグループのほうが、2日後、1週間後の覚えている量が多かったのだそう。

覚えたことを思い出すという行為は、いわゆるアウトプットです。作業療法士の菅原洋平氏は、忙しい人ほどアウトプット重視の勉強法が有効だと述べています。特に、覚えたことを自分の言葉で言い換えると効果があるのだとか。脳内で既存の情報と新しい情報をつなぎあわせ、理解しやすいよう加工していく作業により、情報処理に関わる機能のワーキングメモリを有効活用できるため、学習効率が高まるのだそうです。

たとえば、参考書を読んだら途中で本を伏せ、覚えていることを自分の言葉で紙にまとめてみる。そんな勉強法を取り入れてみてはいかがでしょう。ほかにも、「思い出す」ことを意識しながら学習を進めていくと効率が上がるかもしれませんよ。

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【3】勉強後10分間は「何もしない」

勉強後は、せっかく覚えた内容を忘れないための対策もとりましょう。その方法はきわめてシンプル。勉強後の10分間はあえて「何もしない」ことです。

スコットランドのエジンバラ大学が発表した研究論文において、本を読んだあとに意図的にぼーっとする時間を挟むことで、記憶の定着が促されることが示唆されています。研究では、61~87歳の男女33人の被験者が、短編小説を2本選んで読みました。そして、以下の2つのグループに分かれて10分間休憩をとったそうです。

  • 外部からの情報が入らない状態で、10分間ぼーっとするグループ
  • 10分間、本の内容と関係のないゲームをするグループ

その結果、ゲームで遊んで休憩をとったグループよりも、10分間何もせずぼーっとしたグループのほうが、本の内容を10%も多く記憶していたことが判明しました。

メンタリストDaiGo氏いわく、数秒単位では記憶の定着は起こらないとのこと。時間を空けることなく新しい情報を次々入れると、そのぶん前の情報が抜けていってしまうのだそうです。勉強したことを忘れにくくするには、少なくとも10分間は脳に余計な情報を入れず、知識の定着を待つことが重要なのですね。

勉強後、すぐにスマートフォンに手を伸ばすのではなく、あえて情報に触れない状態をつくり、10分間だけ意図的にぼーっとしてみてはいかがでしょうか。

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今回ご紹介した3つの方法を参考に、忙しい毎日から捻出した30分でより濃い勉強をしてくださいね。

(参考)
CNN|勉強前の運動、わずか2分でも脳が活性化か スウェーデン研究
FLIPPED LEARNING|Defining a Pedagogy of Retrieval
PubMed|Test-enhanced learning: taking memory tests improves long-term retention
新R25|「1つの勉強をじっくり」VS「違う勉強を同時進行」…脳をうまく使った効率的な勉強法は?
SAGE journals|Brief Wakeful Resting Boosts New Memories Over the Long Term
Mentalist DaiGo Official Blog|読んだ本を頭に残りやすくする1番簡単な方法

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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