勉強が最高に捗る「脳の整え方」があった! 脳に “ワクワク感” を与えるのがキモ。

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「仕事の役に立つ本を読みたいのに、集中力を保てない」
「前より記憶力が悪くなった気がする」
「勉強したい気持ちはあるのに、モチベーションが上がらない」
このように、勉強に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

勉強をつい怠けてしまったり、学習したことが頭に定着しなかったりするのは、気持ちの問題ではなく、今の「脳の状態」が影響しているかもしれません。

今回は、勉強がはかどるようになる脳の状態と、それを実現するための行動をご紹介しましょう。

1.「ワクワク」すると集中力が上がる

ハーバード医科大学の医療機関の元研究員で医学博士の川﨑康彦氏によると、集中力を上げるためには、「今やっていることにワクワクする」ことが重要なのだとか。ワクワクして取り組むことで、「ドーパミン」と呼ばれる、喜びや快楽などを感じさせる神経伝達物質が放出され、集中力が高まり、パワーがみなぎるそう。

川﨑氏によると、“記憶力や計算力に優れた冷静沈着な人たち” というイメージを持たれがちなハーバードのエリート研究者たちも、実際は子どものように無邪気で、情熱的に研究に取り組む人たちなのだとか。

もちろん、自分にとって興味のある分野を勉強し、時間が経つのを忘れるほど没頭できれば理想的ですが、勉強している内容に興味が持てないことも多いことでしょう。そのような場合は、学習したことの先に、自分がワクワクする要素を付加したり、自分流におもしろく目的を解釈し直すことがオススメです。

たとえば、英単語の勉強をしている場合には、「単語をたくさん覚えることで、自分の引き出しが増えて、海外の人と会話やメールのやり取りができるようになる。仕事の幅が広がり、収入が増えるかもしれない」など、学習した先にある楽しみをワクワクの要素にするのも良いでしょう。

あるいは、自分の中でルールを決めて「単語100個覚えるごとに、好きな洋服を1着買って良いことにしよう」のように、ゲーム的な楽しみ方でモチベーションを上げるのもひとつの方法。

ポイントは、「どうしたらワクワクしながら取り組めるだろう?」と考えることです。

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2.「アウトプット+質問」で記憶に定着させる

脳には左脳と右脳があります。記憶力を高めるためには、両方のバランスが取れていることが理想的です。川﨑氏は、右脳情報を知識として認識・整理(インプット)左脳論理的に表現(アウトプット)することが脳の効果的な使い方である、と説明しています。

たとえば、学習したことを自分なりにノートにまとめたり、友だちや家族の前で解説したりするのが効果的でしょう。アウトプットしようとするタイミングで疑問が生じ、さらに深く調べ直し、それが記憶につながるのです。

プラスアルファで学びが深まる方法としては、勉強する前に「質問を設定する」ことがおすすめです。精神科医で作家の樺沢紫苑氏によると、自分に質問をすると脳が活性化し、必要な情報を集めてくれるそう。

これには、心理学でいう「カクテルパーティ効果」と、脳科学でいう「選択的注意」という2つの効果が影響しています。カクテルパーティ効果は、雑音が多いなかでも自分の名前や気になっている情報は聞き取れる現象。選択的注意は、事前に単語を決めておくことで、その言葉のみに注意が向くというものです。

たとえば、仕事に役立ちそうな本を購入した場合、読む前にその本を読む目的や一番学びたいことを書き出しておくのが良いでしょう。もしくは、新しい教科書で学ぶ際に、最初に問題集に目を通し、あらかじめどのような質問が出されるのか把握しておくのもおすすめです。

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待っていてもやる気は湧かない。脳は習慣が大好き

作家で「モチベーショナル・スピーカー(Motivational speaker=登壇者として、観客にモチベーションを与えるスピーチをする人)」のメル・ロビンズ氏は、TEDxの演説で、何かを始めるときのモチベーションについて語っています。

ロビンズ氏によると、脳は習慣が大好きで、何か普段と違うことをやろうとすると、危険を感じてブレーキをかけるようにできているそう。勉強が習慣化していない人が、勉強を始める際に気が重くなるのはこのせいでしょう。

同氏はTEDxの演説の中で、ダイエットや早起きなど、やりたいと思っていても気が向かないことについて、“You’re never going to feel like doing it(やりたい気分になることは一生ない)” と説明しています。

たとえば、痩せたいけれどもなかなか食事制限できない人が、突然「白いご飯やケーキよりも鳥のササミが食べたい!」という気分に切り替わることはありませんよね。

何かを始めたいと思ったならば「今、自分がどう感じているのか(=面倒だな・気が進まないな、など)」に注目するのではなく、「目的や欲しいもの(=スキルを身につけること・収入アップ など)」に注目するべきである、と同氏は説明しています。

目標を明確にしたら、行動あるのみです。たとえば、目標が資格試験に合格することであれば「試験に申し込む」「教科書を開いて問題を解き始める」など、すぐに行動に移しましょう。なかなか動き出せない人にオススメなのは、15分だけやってみると決めてタイマーを設定することです。「15分だけ」と思うと気軽に始められるうえ、一度始めてしまうと案外それよりも長く続くものです。

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行動を少しずつ変えていくことで、勉強のモチベーションや集中力は上がります。学習の悩みを抱えている人は、ぜひ試してみてください。

(参考)
川崎康彦(2016),『ハーバードで学んだ脳を鍛える53の方法』,アスコム. 
川崎康彦(2017),『ハーバード式最高の記憶術』,きずな出版. 
TED|How to stop screwing yourself over
Torteo|脳科学に裏付けられた究極のアウトプット術で飛躍的な自己成長を!
ハートクリニック大船|神経伝達物質

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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