脳科学者がすすめる「最高の独り時間の過ごし方」。社会人は “孤独な時間” をもつべきだ

脳科学者がすすめる「最高の独り時間の過ごし方」01

仕事を終えた夜の独り時間に、休日の独り時間。なにげなく過ごすのも悪くはありませんが、せっかくなら脳にいい過ごし方をしてみませんか?

今回は、脳科学者らがすすめる「最高の独り時間の過ごし方」を4つご紹介しましょう。独りになると何をしたらいいかわからない……という方、ぜひチェックしてみてくださいね。

1. アウトプットする

脳科学者の茂木健一郎氏は、独りの時間に「アウトプット」をすることをすすめています。その理由は、茂木氏が考える「成功」と「孤独」の関係にありました。

著書『孤独になると結果が出せる』(廣済堂出版)のなかで、成功するには孤独な時間が必要であると語る茂木氏。孤独な時間をもたないと、脳が休まらず、ストレスからも解放されないために、脳本来の力を発揮できなくなると言います。

茂木氏によれば、人と会話をすると、脳のリソースの多くが使われてしまうそう。人とのコミュニケーションは脳を酷使するため、仕事などで人と会うぶん、独りの時間を確保して脳を休ませることが重要なのだとか。

また、素の自分になれることも、独りで過ごすメリットだと茂木氏は強調しています。

誰かといると、相手の目に自分がどう映るかを考えて行動することが多くなり、「自分の外側」にばかり意識が向いてしまうものです。その反面、独りでいる時間を確保すれば、自分の内側」にある思いや欲望に注目できるとのこと。

そんな独り時間をより意義深いものにして成功へとつなげるために、茂木氏が推奨するのが「アウトプット」です。書いたり話したりして、頭のなかにあるものを表出させるのです。

茂木氏いわく、周囲に人がいる環境では「見られている」という意識から、アウトプットの内容を抑圧しがち。しかし独りでリラックスした状態であれば、自分の内面にあるものを存分に発散できると言います。

アウトプットのやり方はいろいろあるでしょう。たとえば、仕事の役に立ちそうな知識を本で読んだとします。読書による気づきを、ノートに書いてもいいですし、独り言でつぶやくのでもかまいません。誰にも見られていないからこそ、空想レベルのことでも気兼ねなくアウトプットできるはず。仕事で実際に使えそうな、意外なアイデアも出せるかもしれません。

ひとり時間を有効活用し、脳を解放して自身の成長へとつなげてはいかがでしょうか。

脳科学者がすすめる「最高の独り時間の過ごし方」02

 

2. ぼーっとする

精神科医の樺沢紫苑氏は、ダラダラすることをすすめています。独りの時間に何もせずのんびりと過ごせば、仕事の忙しさや人間関係などによる疲れを解消できるほか、脳内にたまった情報を整理できるからです。

樺沢氏によると、力を抜いてダラダラ過ごしているようなとき、脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク」という神経回路が活発に働き、情報処理をしているそう。じつは、脳が消費するエネルギーのうち3分の2以上は、このデフォルト・モード・ネットワークが消費しているものだとか。それほどまでに、何もしていないときの脳は重要な役割を果たしていると言います。

たとえば、「大事な企画のために案を出そうと知恵を絞ってもなかなか思いつかず、諦めてシャワーを浴びていたら、突然アイデアがひらめいた」といったことが起こるのは、まさにデフォルト・モード・ネットワークのおかげ。何も考えていないリラックス中にこそ、脳内で情報が整理されて発想が生まれるわけです。

そんな「ダラダラ」する過ごし方には、注意点があるそうです。それは、スマートフォンやパソコンを操作しながらダラダラするのはNGだということ。画面を通じて大量の視覚情報に触れることで、脳に負担がかかるからです。

ですから、独り時間には、ゆっくりお風呂に入ったり窓の外を眺めたりしてぼーっと過ごしましょう。ダラダラすると時間を無駄にしてしまう気がするかもしれませんが、疲れを取り除いて、いいアイデアを出すための大事な情報整理の時間だと考えれば、気兼ねなくぼーっとできるのではないでしょうか。

脳科学者がすすめる「最高の独り時間の過ごし方」03

3. テレビドラマ・純文学に触れる

独り時間を有意義に過ごしたいなら、脳が生み出す「感情」に意識を向けるのもおすすめ。「EQ(Emotional Intelligence Quotient:心の知能指数)」を鍛えてみるのはいかがでしょう。

EQとは、感情を理解し管理する能力のこと。他者へ共感することや、自分の感情をコントロールすることなどが含まれます。

リーダーシップ研究の先駆者ウォーレン・ベニス氏によると、EQはIQや専門知識よりも重要であり、仕事での成功要因の85%〜90%を占めているのだそう。

そんなEQは、意外にも独りの時間に鍛えることができます。ふたつの方法をご紹介しましょう。

  1. テレビドラマを見る
    米オクラホマ大学の研究によると、ドラマを見るとEQが高くなるそう。被験者を「賞を獲得したドラマ」を見るグループと、「海洋生物のドキュメンタリー」を見るグループに分け、前後のEQの変化を測ったところ、ドラマを見たグループのEQスコアが高くなったのです。良質なドラマを見ることで、共感力が鍛えられるのですね。
  1. 純文学を読む
    米ニュースクール大学は、純文学を読むことで共感力が上がったという研究結果を発表しています。被験者らに「大衆小説」「純文学」「ノンフィクション」のいずれかを読ませたあと、「他者に感情移入ができるかどうか」をチェックするテストをしました。その結果、純文学を読んだグループのみ共感力が上がったそう。複雑な心の機微を描く文学的なフィクションが、読む人の共感性を上げたと考えられています。

独り時間にEQを鍛えれば、よりよい人間関係にも、仕事の成功にも活かせるはずです。

脳科学者がすすめる「最高の独り時間の過ごし方」04

4. 趣味に打ち込む

最後にご紹介する脳にいい独り時間の過ごし方は、趣味に打ち込むこと。

脳科学者の瀧靖之氏によると、趣味を楽しむと、記憶力ややる気を高めるドーパミンが分泌され、思考・判断・コミュニケーションなど高次認知機能が活性化するそうです。

20代後半以後、脳は加齢によって自然と萎縮し、認知機能が低下していくとのこと。また、働き盛りで仕事に重きを置きすぎる生活は、記憶をつかさどる海馬や、感情をつかさどる扁桃体を衰えさせ、記憶力ややる気を低下させるそうです。こうした脳機能の低下を抑えるには、好きなことをして「楽しい」と感じることが効果的なのだと瀧氏は言います。

すでに趣味がある人は継続し、趣味がないという人はこれから探していけばいいのです。昔から興味のあったことや、憧れていたこと、一度は取り組んだのにやめてしまったことなどにチャレンジしてみるのもいいでしょう。独りを「楽しむ」ことで、脳にいい時間を過ごせますよ。

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独り時間は、ストレスを軽減したり、頭のなかを整理したり、脳を育てたり、新しい発想を生んだりするための貴重な時間です。「独りになるとすることがないから……」と独りの時間を避けてきた人も、これからは積極的に独り時間を確保し、有意義に使っていくことをおすすめします。

(参考)
新R25|コミュニケーションは意外にも脳を酷使する。成果を出すには「孤独という環境」が必要だ
茂木健一郎(2020),『孤独になると結果が出せる』, 廣済堂出版.
新R25|スマホを触るのが一番ダメ。精神科医が教えてくれた、脳に効く「いいダラダラ」
i-common|グローバル企業でのイノベーション人材育成の潮流
Linked in|10 Easy Ways to Increase Your Social Intelligence and Motivate Your People
メンタリストDaiGo(2019),『コミュ障でも5分で増やせる超人脈術』, マキノ出版.
The New School|READING LITERARY FICTION IMPROVES “MIND-READING” SKILLS FINDS A STUDY FROM THE NEW SCHOOL FOR SOCIAL RESEARCH
ソニー生命保険|特集「子ども脳も大人脳も「好奇心」で成長する 脳に効く習い事」

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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