出世や転職を成功させて、着実に収入アップしていく人。
いつも仕事に追われているわりに、昇進もできなければ収入も上げられない人。
世間にはどちらのタイプの人もいるものですが、前者のような成功者たちは、後者の人たちにとって、きらきらと輝く別世界にいるような手の届かない存在なのでしょうか?
いいえ、いくつかの習慣を改善すれば、高年収を実現する人たちのレベルに1歩近づけるかもしれません。“ずっと低年収” の人がしがちな「4つの悪習慣」を断ち、成果を出して評価されるビジネスパーソンとなりましょう。
悪習慣1:ギリギリの時間に出社する
朝は1分でも長く寝ていたいし、出社は始業時間に間に合えばいいや……という考えの人は要注意です。
5年にわたり大富豪たちの習慣について調査し、『Rich Habits - The Daily Success Habits of Wealthy Individuals(金持ちの成功習慣)』などを執筆したトマス・コーリー氏によると、自力で成功した金持ちの50%近くが就業時刻の3時間前に起床しているのだそう。
日中は会議があったり、予想もしないことが起きたりと、バタバタすることが多いもの。彼らにとって、朝イチに自分だけの時間をつくることは欠かせないのだとか。
さらに、朝にゆとりをもつことで、働く人が無意識に抱えがちな
- 「常に何かが自分の邪魔をしている」
- 「自分の人生をコントロールすることができない」
といういらだちから解放される効果もあるそうです。
「ギリギリまで寝て、慌ただしく出社し、急いでメールチェックをし、急な依頼や会議に追われて、気づいたら1日が終わっている……」というような、常に何かに追われるような働き方をしていては、いつまで経っても年収を上げるのは難しいかもしれませんね。
加えて、脳をしっかりと働かせられるという点でも、朝、自分にとって有益なことに時間を使うのは効果的です。脳科学者の茂木健一郎氏によると、朝は脳の「ゴールデンタイム」。朝の脳は、前日の記憶がリセットされ、創造性を発揮するのに適した状態なのだそうです。
朝の時間帯を有意義に使うことで、仕事もはかどり、さらに心の余裕にもつながります。いままでより少しでも早く起きて、自分だけの仕事に集中できる時間を確保してはいかがでしょう。
悪習慣2:「ノー」と言えない
お人好しで、頼まれたら「ノー」と言えない人は、それが原因で自分の成長や給与アップを妨げているかもしれません。
保有する個人資産が1,000億ドルを超える(2021年3月の資料による)投資家のウォーレン・バフェット氏は、「成功する人と、ものすごく成功する人の違いは、後者の人がほとんどのことに『ノー』と言うこと」と明言しています。
余計な仕事や、時間を無駄にすること、ネガティブなことなどに「ノー」と言えるようになれば、気が散ることが減り、本当にやるべきことに費やす時間が増えるのは、言うまでもありません。
コンテンツマーケティングの専門家であり、コンサルティング会社RGICの創業者キマンジ・コンスタブル氏は、「ノー」と言えるようになってから仕事や生活が好転していったと言います。
コンスタブル氏は、自分の仕事に対してネガティブな発言をしてくる人を相手にしないと決め、嫌いな仕事を何年も続けることをやめ、自分にとって有害なビジネスパートナーや友人との関係を断ち切ったそう。そうして、重要な仕事をするのに使えるだけの余裕をつくっていったのです。
コンスタブル氏と同じことをするのは、実際には難しいかもしれません。ですが、このような心がけをもつことで、理想の働き方や自分の心地よさを実現していけるのではないでしょうか。
たとえば、
- いつも仕事を押しつけてくる同僚がいたら、思いきって断ったり、上司に相談したりする。
- これまで無理に参加していた職場の飲み会に、本当にそこまでして参加する必要があるのか、考え直す。
などするといいかもしれません。
まずは、資格の取得や、昇進、転職など、自分が本当に実現したいことを決めましょう。それらの実現に向けて自分の時間をつくるために、いま抱えているもののなかから断るべきことを洗い出してみてください。
悪習慣3:「フィードバック」をもらわない
自分のやった仕事に対して、上司や顧客からフィードバックをもらうのが怖い……という人は、意識を変えたほうがよさそうです。
前出のコーリー氏によると、金持ちの習慣のひとつに「フィードバックをもらうこと」があるそう。
自分の悪かった点は何か。期待に応えられていない点はあったのか。聞くのをためらってしまうかもしれません。ですが、うまくいっていること・いっていないことを把握するのは、成長するには欠かせないのです。
12万部を超えるベストセラーシリーズ『プロフェッショナルサラリーマン』の著者である俣野成敏氏も、フィードバックをもらうことの大切さを説いています。
俣野氏いわく、上司の期待に応え続けることで、自分にしかできない仕事を上司から割り振ってもらえるような「ほかには代わりがいない人材」になれるとのこと。そのためには、上司が自分に何を期待していて、実際の自分の仕事ぶりをどう評価してくれたのか、直接意見をもらうことが不可欠だと言います。
まずは与えられた仕事をやり、そのあとでフィードバックをもらいましょう。コメントをもらうだけでなく、喜んでもらえたのか、やり直しを求められたのかなど、相手の反応を見ることも重要だそうです。
仮に上司が無反応であった場合も、自分から上司にお願いして、フィードバックをもらう時間をセッティングしましょう。
悪習慣4:「ありがとう」を積極的に言わない
日頃から、積極的に感謝の気持ちを伝えていますか? Yesと即答できない人は、さっそく今日から行動を改めましょう。
経済評論家で『あなたの人生を変えるお金の教養』など多くの著書をもつ加谷珪一氏いわく、感謝の言葉を口にする人は、収入が上がっていくとのこと。
「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいませんよね。それどころか、感謝を伝えてきてくれた相手のために、いい仕事をしようと思うもの。その結果、ビジネス自体に、利益をともなうようなよい影響が及ぶのだそう。
加谷氏によると、金持ちの人はこのことを知っているため、意図的に感謝の気持ちを頻繁に口にするのだとか。ずる賢いと感じる人がいたとしても、言われた側は嬉しく、言った側は利益になるのだから、誰も損する人はいないはずだと加谷氏は説きます。
ゴディバ ジャパン株式会社が20〜60代の男女500名に行なった調査でも、「ありがとう」を伝える人ほど幸福度が高く、年収も高いことが判明したようです。
特に年収に関しては、1日のうち「ありがとう」と伝える回数の平均が
- 4回未満の人……349.9万円
- 4回以上の人……371.0万円
となり、より多く「ありがとう」と言う習慣がある人のほうが20万円以上も高いことがわかったそう。
私たちが感情で動く生き物である限り、相手の気持ちをポジティブな方向に動かせる人が成功すると言っても過言ではないでしょう。職場の人はもちろん、家族や友人にも感謝の言葉を心がけたいですね。
***
収入が上がらない人の悪習慣をご紹介しました。当てはまるものがあれば、ぜひ改善していってくださいね。
(参考)
Insider|17 habits of self-made millionaires, from a man who spent 5 years studying rich people
Money Crashers|20 Productive Habits of Wealthy & Successful People
THE21オンライン|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方
Entrepreneur|9 Success Habits of Wealthy People That Cost Nothing
Entrepreneur|I Started Saying 'No' to These 6 Things. My Life and My Business Got a Lot Better
トウシル|ウォーレン・バフェットは実は短期投資家!?バフェットのすごさは銘柄の買い時より売り時にある
リクナビNEXTジャーナル|出世する人は「評価されない」時こそ、成長のチャンスと考える
朝日新聞デジタル|ありがとうと言える人はお金持ちになれるという話は本当?
PR TIMES|〜「ありがとう」に関する調査〜9割以上の人が文字よりも「声」の「ありがとう」が嬉しい!「ありがとう」と「声」に出す人は幸福度や年収が高く、パートナーとの仲もいい傾向
【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。