勉強がどうしても苦手な3つの理由、あなたはどれ? タイプ別に「勉強好きになる方法」教えます

勉強の苦手意識をなくす3つの方法01

「テストに備えて勉強しなきゃいけないけど、なかなか進まない」
「就職や転職に有利な資格を身につけたいけど、勉強するのがおっくうだ」

このように、勉強の必要性を感じつつも苦手意識が強く学習が進まない、あるいは挫折してしまう人は学生・社会人を問わず多いことでしょう。しかし16万人の脳画像を見てきた脳科学者によると「じつは、脳は勉強好き」なのだそうです。

では、どうして私たちは勉強に苦手意識をもってしまうのでしょうか? 脳が勉強好きである根拠についても述べながら、それでも勉強できない3つの理由とそれぞれの対処法を説明します。

そもそも、脳は「勉強好き」?

東北大学加齢医学研究所教授で、16万人の脳画像を見てきた瀧靖之氏によれば、脳は常に新しい情報や知識、技術の習得を求めており、広い意味での勉強を必要としているのだそう。その代表的な例が、赤ちゃんです。赤ちゃんがさまざまな物に興味を示し、手に取ったり口にしたりする行動は、勉強好きの脳によって起こっていると言います。

瀧氏いわく、学びに対する貪欲さとは、できることを増やして生き延びようとする人間の本能であり、大人になっても変わらないとのこと。それでも勉強に苦手意識をもつ人がいるのは、脳の別の性質の影響を受けているか、これまでの勉強法に原因があると考えられるからなのだそうです。

勉強の苦手意識をなくす3つの方法02

以下では、勉強に苦手意識をもってしまう原因を3つ挙げ、それぞれのタイプ別に適切な解決策をご提案します。

【原因1】勉強を「おっくう」「面倒くさい」と思っている

1つめの原因は、脳自体が勉強を「面倒くさいものだ」と認識してしまっている点。瀧氏によると、脳は「勉強好き」であると同時に「面倒くさがり」でもあるのだとか。

というのも、脳には常に同じ状態を保とうとする「ホメオスタシス」という機能が備わっているためです。ホメオスタシスには何かを「始める」のに抵抗感をもつ性質があり、その対象には勉強も例外なく当てはまります。そのため、勉強を始めるのがおっくうに感じてしまうのだそう。

ホメオスタシスの抵抗を減らすには、勉強を始めるまでの障壁を減らすのが重要だと瀧氏は言います。即効性がある方法は、勉強部屋の撤廃です。

勉強部屋のレイアウトやデスクまわりの環境を整えれば、勉強意欲が湧きそうにも思えますよね。ですが、勉強がおっくうな人にはむしろ逆効果とのこと。部屋の準備をする段階でホメオスタシスが働き、「デスクまわりの整理がおっくうだ」という認識が「勉強がおっくうだ」という認識へすり替わってしまう可能性があるのです。同様に勉強のために図書館やカフェに行くというのも、勉強がおっくうな人には向いていません。外出するために身だしなみを整える、移動するという障壁を越えなければ勉強できないためです。

一方で、勉強部屋自体をなくせば、「勉強するために勉強部屋へ行く」という障壁をなくせます。瀧氏自身、子どもの頃からリビングでの勉強を習慣化しており、資格勉強をする際も食卓の端に勉強道具を常備してテキストは出しっぱなしにしていたそうです。こうして勉強道具が常に目に届くところにあると、勉強を始めることに特別感がなくなり、スムーズに取り組めるのだそう。瀧氏いわく、参考書をわざわざ買いそろえることも脳には障壁となりうるそうなので、まずは手元の参考書をリビングで読むことから始めてみてはいかがでしょうか。

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【原因2】「試験に出るから覚えよう」と思っている

2つめの原因は「試験に出るから仕方ない」と受け身で勉強している点。「人に言われたから勉強する」「役に立つ知識とは思えないけど、試験に出るから暗記する」といった姿勢でいては、勉強への苦手意識は克服できません。

なぜなら、脳には、情報を「自分にとって嬉しいものだ」と判断して主体的に受け取ろうとするほど、理解力が向上しインプットがはかどるという性質が備わっているからです。これは、脳神経外科医の林成之氏が述べていること。林氏によると、情報を記憶するときに重要な役割を果たす自己報酬神経群という脳部位は、思考の深さやモチベーションにも関わっており、意欲の低い受け身の姿勢ではどんなに頑張っても脳は記憶してくれないのだそう。

そこで林氏がすすめるのは、「〇〇という目標達成のために必要な知識だから覚える」というように、勉強に主体的に取り組むこと。そのために、コンサルタントのジョージ・T・ドラン氏が提唱したSMARTの法則を活用してみましょう。

SMARTの法則とは「Specific(具体性)」「Measurable(目標達成度を測定可能)」「Achievable(現実的な設定)」「Relevant(目標達成の先にあるもの)」「Time-bound(期限設定)」の5つの要素による目標設定法。たとえば、次のように目標を設定すると、なんのために勉強しているのかが明確化されて主体性はきっと高まるはずです。

  • Specific(具体性) :中小企業診断士試験に合格する
  • Measurable(目標達成度を測定可能):1日2.5時間以上、1年1,000時間以上勉強する
  • Achievable(現実的な設定):平日朝1時間、夜1.5時間、土日4時間以上勉強すれば可能
  • Relevant(目標達成の先にあるもの):組織人事コンサルとして働きたい
  • Time-bound(期限設定):1年後の試験まで

独学で東大に合格し、米ハーバード大に留学した経験をもつ『最強の暗記術』の著者・本山勝寛氏もこの法則で目標を立て、勉強の習慣化に成功したと述べています。ぜひ、SMARTの法則を活用して勉強する目的を振り返ってみましょう。

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【原因3】長時間の勉強など、がむしゃらな努力を強制されてきた

最後に挙げる原因は、これまで努力を強制されてきたために、勉強が嫌になってしまったという点。「休日も遊びに行かず、毎日勉強漬けだった」「徹夜で試験を受けることが多かった」など、がむしゃらな努力を強制されてきた人が、勉強に苦手意識をもつことは想像に難くありません。

瀧氏は脳科学の観点から、がむしゃらな努力は脳を酷使してパフォーマンスを落とす原因になり、勉強に対し “つらいものだ” というレッテルを貼ることにつながると警告しています。

そこで、これまで勉強をつらいと思いながら続けていた人は、がむしゃらな努力をやめて楽しく勉強するために努力のゲーム化を実践してみましょう。脳科学者の中野信子氏は、自身が東大に合格した要因について「努力をうまくゲーム化できたからといっても過言ではない」と述べています。中野氏いわく、全国模試はなんとゲーム大会に参加する感覚で受けていたとのこと。

努力のゲーム化には、やる気に関わるドーパミンの分泌を促す働きがある、と述べるのは脳神経外科医の菅原道仁氏。菅原氏はゲーム化のコツとして、「効率化」「報酬」「競争・喜びのシェア」を挙げています。

  • 効率化
    ダラダラと勉強しないよう、「1時間以内にテキストを解く」といったタイムリミットを自主的に設定。
  • 報酬
    「テキスト10ページ読み終えたらお茶にする、10分休憩する」というように、ささやかな幸せを報酬として用意しておく。
  • 競争・喜びのシェア
    勉強の進捗やテストの結果を競ったり、高得点を出して一緒に喜んだりできる勉強仲間をつくる。身近に勉強仲間がいない場合は、SNSでつくるのもOK。

また中野氏は、勉強記録をつけることもすすめています。なぜなら、自分がどれだけ頑張ったかを可視化するとドーパミンの分泌を助け、努力が楽しめるようになるから。ゲームのプレイ時間の表示のようなものです。

たとえば、以前STUDY HACKERで紹介された「ぬり絵勉強法」を試してみるのはいかがでしょう。用意するのは方眼紙と色ペンだけ。1マスを15分とみなし、科目ごとに色分けしながら勉強時間の長さだけマスを塗りつぶして記録します。資格勉強の場合は、「テキスト(=ピンク)」「過去問(=青)」「暗記用アプリ(=緑)」「オンライン講座(=黄)」というように教材ごとに色分けしてもいいですね。実際の記録イメージは、筆者が作成したこちらの画像をご覧ください。マスの大きさによっては、2×2の4マスを1マスとみなしても問題ありません。

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勉強との向き合い方を少し変えるだけで、脳の勉強好きな本来の性質を発揮させることができますよ。ご自身が当てはまるタイプの対処法をさっそく実践してみましょう。

文/かのえかな

(参考)
瀧靖之 (2017), 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「脳を本気」にさせる究極の勉強法』, 文響社 .
林成之 (2015), 『図解 脳に悪い7つの習慣』, 幻冬舎.
株式会社日立ソリューションズ|第3回 組織力をアップさせる「自己報酬」のススメ
BLOGOS|独学のコツは目標設定にあり 達人に聞いた「時間がない」社会人のための学び術
BiZHint|SMARTの法則
中野信子 (2015), 『あなたの脳のしつけ方』, 青春出版社.
菅原道仁 (2018), 『なぜ、脳はそれを嫌がるのか?』, サンマーク出版.
STUDY HACKER|勉強嫌いの私が1年で3000時間勉強して京大に合格した「ぬり絵勉強法」

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