勉強で落ち込んでいる人に効く「いいこと3つメモ」の習慣。“小さな前進” に目を向けてみて

筆者が書いた「いいこと3つメモ」

私たちの脳は物事を悪いほうに考えがちな性質があるそうです。でも、日々のなかに埋もれた “いいこと” を、毎日ちゃんと拾ってあげれば大丈夫。

「勉強がうまく進まない……」と落ち込んでいる人が、すがすがしい気分で勉強に取り組めるよう、医師がすすめる「いいこと3つメモ」を紹介します。

人間の脳はストレスに弱い

心が不安で落ち着かないとき、「思うように勉強が進まなかった」「何もできなかった」と感じてしまいやすいそうです。

本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよし氏(医学博士・心療内科医師)によると、人間の脳はストレスを感じたとき、悪いことばかりを思い出しやすくなるのだとか。こうした状況は、社会全体の不安が強まると、ますます顕著になると言います。

(※「高校生新聞オンライン」の、2020年8月10日公開記事参考。この情報の背景には、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休校が続いたことなどがある)

「気分一致効果」の影響

また私たちには、経験などによる思い込みに影響され、不合理な判断や選択をしてしまう、認知バイアスと呼ばれる心理現象があります。十文字学園女子大学教授の池田まさみ氏らが企画制作を行なう「錯思コレクション100」によると、その認知バイアスのなかに「気分一致効果」というものがあるそう。

前項にも通じますが、たとえば楽しい気分のときは楽しかったことを、気分が落ち込んでいるときにはイヤなことを思い出しやすくなるのだとか。“注意の向けやすさ” も同じで、たとえば楽しい気分だと楽しげな話題に意識が向き、落ち込んでいると暗いニュースばかりが目についてしまうそうです。

そんな効果のせいであなたは、「思うように勉強が進まない」と感じながら、ますます一部のネガティブなことだけに注目してしまう……といった悪循環に陥っていないでしょうか。

勉強にすっかり自信を失くしているビジネスパーソンまたは学生

「ネガティビティバイアス」の影響

また、もともと私たち人間は、ポジティブなことよりもネガティブなことに注意を向けやすく、それが記憶にも残りやすいそうです。これも認知バイアスのひとつで、「ネガティビティバイアス」と呼ばれるそう。

たとえば、提出したレポートや企画書について9個ほめられて、1個だけ悪い要素を挙げられた場合、マイナス点は10個中1個だけなのに、それが気になって仕方がないといったこと。あるいは、勉強の成果が出ている部分があっても、目が行くのは「成績がふるわなかった部分」ばかり――といったことです。満足できなかった部分だけに注目していたら、自信がなくなるのも当然のこと。

しかし、このメカニズムは人間が生存し、社会に適応していくために備わったものなのだとか(ひとつの説として)。もしも「ネガティビティバイアス」がなかったら、危険性があるもの、リスクがあるもの、不快なものを察知できなくなり、ことごとく危険に陥ってしまうわけです。

ならば失うわけにもいきませんよね……。

「いいことないなぁ」とふてくされ顔をする若いビジネスパーソンあるいは学生

「いいこと」も見逃さないで!

私たち人間が、悪いほうに考えがちなクセを排除することは難しいとわかりました。

だからこそ前出の吉田氏は、勉強が遅れたと落ち込む学習者に対し、その日に体験した “よいこと” を3つだけ挙げ、就寝前の時間を使ってノートに箇条書きするようすすめています。自分に起こった出来事のなかの、“よいこと” について考える練習をするわけです。認知行動療法でも有効性が認められている方法なのだとか。

吉田氏いわく、よかったことを3つ書き出して “前向きな気持ちで眠りにつく” と、脳が「いいこともあるんだ」と認識してくれるとのこと。 睡眠中に見る夢にもいい影響が及び、落ち込みやすさの改善にもつながるそうです。では、筆者も試してみましょう。

夜寝る前に「いいことを3つ」書き、なんだかハッピーな気分になってきた学生あるいはビジネスパーソン

「いいこと3つメモ」をやってみた

社会人である筆者の場合は、スキマ時間に本を読んだり、簡単な教材を使って反復練習をしたりなど、仕事に役立つ知識やスキルを得るため、あるいは教養を高めるため、かなり短い時間ですが自分なりに勉強しています。

そうしたなか陥りやすいのは、「これが本当に役立つのだろうか」「私がやっている勉強なんて無意味ではないか」といった感覚。そこで、吉田氏の提唱する「寝る前に “よいこと” を3つ書く習慣」で、そんなネガティブな思いにとらわれないようにしたいと思います。

吉田氏によれば、書くのはどんな些細な出来事でもいいとのこと。筆者はメモ帳サイズの小さなノート(5号/A6)に、1つ1行のルールで書くことにしました。物理的に書くスペースが小さければ、簡潔に書くこと、短い時間でササっと書くことがスムーズにでき、億劫になる気持ちが生まれにくい――習慣化しやすいからです。すぐ書ける「いいこと3つメモ」といったところですね。

筆者が実際に書いた「いいこと3つメモ」

筆者が書いた「いいこと3つメモ」

こうして書いてみると、いかに自分が日々の “いいこと” を無視してきたかがよくわかります。たとえば家族との「夕食の会話が弾んだ」なんて、当たり前すぎて意識することがなかったからです。

また、現在「ほとんど頑張らないダイエット」を実践しており、なんとなく痩せた感覚がありましたが、その感覚もボンヤリと頭のなかで遊ばせていたと気づきました。適当でも冗談でも、たとえば「0.005%痩せた」などと数値化し、頭の外に出力してみると、それが自分に起こった “いいこと” だと感じられるからです。

勉強については、これから日々断片を書いていくことになると思いますが、驚くほど小さな前進でも「自分は確実に進んでいる」と感じ、ひと休みしても落ち込んでも、「自分は事実を真摯に受け止め前進している」ととらえていける予感があります。確信と言うべきでしょうか。

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勉強で落ち込んでいる人にも効く「いいこと3つメモ」の習慣を紹介しました。もちろん勉強だけではなく、仕事やプライベートで落ち込んでいる人にもいい影響を与えてくれるはずです。ぜひお試しください。

(参考)
高校生新聞オンライン|勉強が遅れ、落ち込む人の対処法→脳は悪く考えがち、よい体験を思い出して
錯思コレクション100 Collection of Cognitive Biases|ネガティビティ・バイアス
錯思コレクション100 Collection of Cognitive Biases|気分一致効果
野村證券|認知バイアス

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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