「意見を求められたものの、うまく答えられず印象を下げてしまった」
「質問の答えになっていない話し方をしてしまった」
会議や面接などで、自分の発言にいつも後悔してしまう人はいませんか?
うまく話すことができれば、相手からの評価はきっと高まるはず。この記事では「話し方」に着目し、よい印象を相手に与えるコツを解説します。
一流ほど「話し方」に気を遣っている
ビジネスでは、「話し方」は重要な資質として評価されます。
たとえば、伊藤忠商事グループをはじめ、さまざまな大手企業で研修を行なってきたTBS元アナウンサーの今井登茂子氏によれば、一流と言われる人ほど「言葉遣い」に敏感なのだそう。
彼らからすれば、仕事の能力以前に言葉遣いがなっていない人は「問題外」。単に礼儀知らずと思われるだけでなく、各局面で最適解を瞬時に出す能力が低い、つまり「ミスが多く仕事が遅い」と判断されます。ビジネスの相手として「使えないヤツ」という烙印を押されるわけです。
(引用元:東洋経済オンライン|新人が周りをドン引きさせる言葉ワースト3)
また、言葉遣いのほかに「話しているときの態度」も見られているようです。株式会社マンダムが企業新卒採用担当者412名を対象に行なった調査では、半数以上の回答者が、新卒者の「視線をそらさずに話す」「姿勢」といった非言語コミュニケーションを重視していたのだとか。
相手へよい印象を与えるためには、話す内容や言葉遣いなどの言語コミュニケーションだけでなく、姿勢のような非言語コミュニケーションまで全般的に気を配ることが重要となるのです。では、具体的にどうすればいいか、3つのコツをご紹介しましょう。
1. NGワードを使わない
実業家や行政書士として活動している株式会社健康プラザコーワ代表取締役・臼井由妃氏は、ビジネスでやってはいけない「幼稚に見える話し方」があると言います。たとえば、イメージやニュアンスを伝えるときに「っぽい」「みたいな」「とか」といった言葉遣いをしてしまう場合です。
これらの言葉を使うと幼稚に見えるだけでなく、自信のなさが相手に伝わってしまうというデメリットがあるそう。たしかに、オフィシャルな場で「〇〇っぽい感じ」「〇〇とかです」のように話していると、場違いにくだけた印象を与えてしまいますよね。「〜に近い」「〜に似ている」など、ふさわしい表現を選ぶようにしましょう。
あわせて気をつけたいのが、「一応」など前置きのために用いる言葉。臼井氏は、ビジネスでは「一応、〜です」という表現を使うべきでないと指摘します。なぜなら、「一応、確認しました」「一応、目を通しておきます」といった話し方だと、信頼性に欠ける印象を相手へ与えてしまうからです。
これらの言葉は口癖となりやすいため、会議や面接でうっかり言ってしまわないためにも、どのように受け取られる可能性があるかを事前に理解しておくべきでしょう。
2. 話す順番を構成する
話す順番がチグハグになってしまい、言いたいことがうまく伝わらずによい印象を与えられなかった経験はありませんか。財団法人NHK放送研修センター・日本語センターのエグゼクティブアナウンサーである岡留政嗣氏は、相手へよい印象を与えるために、次のような構成で話すことを推奨しています。
1. 話の結論や趣旨を最初に述べる
たとえば、ある提案に対する賛否を問われたとき、「その提案に私は反対です」などと話の方向性を最初に提示するようにしましょう。結論や趣旨から話し始めることで相手は聞く準備ができるため、話を最後まで好意的に聞いてもらえる可能性が高まります。
また、「その理由は3つあります」のように、聞く準備を相手にさせるうえでは話すテーマの数を提示することも有効ですよ。
2. 結論に至った経緯や趣旨の詳細を説明する
話の結論や趣旨を述べたあとは、その根拠や背景などを具体的に示すようにしましょう。ここで気をつけるべきは、「余計な情報を挟まない」という点です。たとえば、以下の2つの例を比べてみてください。
【OK】「私はその考えには反対です。理由は3つあり、第一に......」
意識せず言い訳をしたり、自分をよく見せるような言葉をつけ加えたりしがちですが、むしろ印象が悪くなってしまいます。結論に関わる客観的な情報のみを話すよう心がけてみてください。
3. 個人的な意見や想いは最後に述べる
岡留氏によれば、結論の根拠に直接関わらない個人的な意見やつけ足したい内容がどうしてもあれば、話の最後に述べるとよいそう。このように、三部構成で話を組み立てるようにすれば、相手はきっと聞きやすくなるはずです。
3. 声の出し方に気を配る
ボイスディレクターの中西健太郎氏は、ビジネスにおいて「声」が与える影響は大きいとし、声の上手なつくり方に関するポイントを2つ解説しています。
第一のポイントは「姿勢」。他者から評価を受けるとき、「声」もその対象に入ります。緊張すると目線が下に落ちやすくなり、姿勢も縮こまって声が弱くなってしまうため、体の中心を突き刺す1本の線(正中線)を意識しながら、胸を張って立つ姿勢をとるとよいそう。そうすれば、自信のある声で話し続けられるでしょう。
第二のポイントは「発声の仕方」。中西氏は、聞いてほしい相手の一列後ろまで届けるつもりで話すのがちょうどよいと言います。これは、小さな面接会場からセミナー用のホールまで、さまざまな場所に当てはめられる基準です。小さすぎる声だと、気が弱い・自信がない印象を、逆に大きすぎると横柄な印象や不快感を与えてしまうため、注意しましょう。
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下手な話し方がクセにならないよう、お伝えした方法を参考に対策してみてください。相手によい印象を与えられるようになるでしょう。
(参考)
東洋経済オンライン|新人が周りをドン引きさせる言葉ワースト3
PR TIMES|企業新卒採用担当者に聞いた!就活生の身だしなみと態度に関する調査<コミュニケーション編>
NIKKEI STYLE|ビジネスではアウト 幼稚に聞こえる話し方ワースト3
日立ソリューションズ|「上手な話し方」講座
ダイヤモンド・オンライン|デキるビジネスパーソンが「話し方」よりも「声」に投資をするワケ
日本心理学会第83回大会|声の高さが話者のイメージに与える影響
内田照久・中畝菜穂子(2004), 「声の高さと発話速度が話者の性格印象に与える影響」, 心理学研究, 75巻5号, pp397-406.
【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。