できる人の共通点は「すぐ行動すること」。先延ばしをしないためにぜひやりたい “2つのこと”

ラップトップパソコンを前に、立ちながらコーヒーを飲む女性

できる人の共通点は「すぐ行動すること」なのだとか。そして、すぐ行動できる人は「直感」を使いこなし、「根拠の後づけ」や「軌道修正」を取り入れているそうです。 こうしたノウハウは、ついつい先延ばしをしてしまう人や、早く確実に成果を出したい人の有益な情報となるはず。さっそく説明しましょう。

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STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

できる人は「すぐ行動」する

チャンネル登録者数27万人超を誇るYouTubeチャンネル「ハック大学」で、キャリアやマネーなどの教育テーマを中心に情報を発信している “ぺそ” 氏は、

「できる人の共通点は即行動すること」

だと説いています。なぜならば、すぐ行動することで積み重なっていく成功や失敗の経験が、成功率を上げるからなのだとか。

(参考および引用元:ログミーBiz|仕事ができる人の共通点は「即行動」 わずか2%しか実行できていない、「とにかくやってみる」の重要性

すぐ行動できる人は「直感」を使いこなす

また、『1分で話せ』『0秒で動け』(ともにSBクリエイティブ)などの著者で、Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長・武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 学部長の伊藤羊一氏によれば、

行動が早い人は「直感」を使いこなしている

そうです。同氏の言葉を参考に、行動が早い人の “起点から行動までの流れ” を書き出してみると、こんなふうになります。

  1. いろんな経験を積んで「直感」を磨く
  2. その直感で即座に「仮説」を立てる
  3. その仮説に基づいて「とりあえずの結論」を出す
  4. とりあえずの結論に従って「実行」に移す

(参考および引用元:EL BORDE|行動が早い人は「直感」を使いこなしている! スピード感ある仕事に必要なこと

上記の伊藤氏の考えに、前出のぺそ氏の考え(すぐ行動して重ねた経験が成功率を上げる)を合わせて考えると、積み重ねた経験が直感も磨いてくれるので、必然的に好循環が生まれるとわかります。

ちなみに、ぺそ氏も「仮説」の重要性について触れており、

「外れても仕方がない」くらいの気持ちで、「こうだろうな」と見当を付けて動くことが仕事を速くするポイントだと思います。

と語っています。同氏いわく「とりあえず目星を付けて動くことはかなり重要」とのこと。

(カギカッコ内含む引用元:前出の「ログミーBiz」記事)

そして、それ(とりあえず目星を付けて動く)をサポートするのが伊藤氏の言う「直感」というわけです。

パソコンを前に忙しそうなビジネスパーソン。直感を大事にすぐ行動を起こそうとしている。

「直感」とは何か

直感と聞くと、なんだかスピリチュアルな印象も受けますが――習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役社長の古川武士氏は、

  • 脳科学者のマシュー・リーバーマン氏の発見 ⇒(脳の「大脳基底核」という部分が潜在学習と直感の両方の神経基盤である証拠)

  • 心理学者のダニエル・ゴールマン氏の言葉 ⇒(「大脳基底核は、私たちがやることなすことの一切を観察し、そこから決定の規則を引き出す。……どんなトピックに関するものであれ、私たちの人生の知恵は大脳基底核にしまわれている」)

を挙げ、

これはつまり、直感や潜在学習(深い部分の無意識による学習)が「大脳基底核」で行われているということです。

(カッコ内含む引用元:ダイヤモンド・オンライン|直感力と創造力を鍛える最もシンプルかつ簡単な方法とは?

と伝えています。

ちなみに――記憶には陳述記憶(イメージや言語にすることができる)と、非陳述記憶(明確に意識できず、言語化できない)があります。後者の非陳述記憶には手続き記憶(たとえば自転車の乗り方・楽器の演奏など)が含まれ、その手続き記憶において中心的な役割を果たす脳領域のひとつが、大脳基底核なのだそうです。

大脳基底核は、脳の奥深くにある神経細胞の集まりで、言語に関わる脳領域とはつながっていない一方で、感情に関わる脳領域や内臓とはつながっているため、直感として語りかけてくるとのこと。

(参考:脳科学辞典|陳述記憶・非陳述記憶 / MSDマニュアル家庭版|大脳基底核の位置   / 前出の「ダイヤモンド・オンライン」記事)

つまり、意識がないまま経験したすべてがどんどん大脳基底核にストックされ、自分の決定ルールをかたちづくり、直感などをもたらすと考えられるわけです。もっと簡単に言えば、すべての経験が、知らぬ間に私たちの判断に影響を与えているということですよね。

前出の伊藤氏も直感について「膨大な情報や経験を無意識に整理して生まれるのではないかともいわれている」と説明し、だからこそ直感を磨くには、いろいろな経験を積むことが大切だと説いています。

(カギカッコ内引用元:前出の「EL BORDE」記事)

あらゆる背景をもつ人々が集まるグループ。経験もそれぞれに違う。

「根拠の後づけ」で自信と確信が生まれる?

ただ、“直感を頼りに立てた仮説” だけでは不安な場合もあるでしょう。

そうしたことから伊藤氏は、「とりあえずの結論」に「根拠を後づけ」する方法を紹介しています。普通は根拠を固めてから結論を出しますが、すぐ行動するために、まず結論ありきで根拠を後づけするのだそう。具体的には、直感が働いてとりあえずの結論を出したら、その根拠を(大雑把でもいいので)3つ探すとのこと。

たとえばこうです。

【とりあえずの結論】:今回のイベントのノベルティは紙石鹸にしよう!

  • 【後づけ根拠1】:衛生意識が高まっているので確実に喜ばれる
  • 【後づけ根拠2】:パッケージに新商品の宣伝を印刷できるので効率的
  • 【後づけ根拠3】:安価にできる

そうして、

根拠を考えたら、それが「根拠→結論」の順番で論理破綻がないかを客観的に確認する

のだとか。それで問題なければ「動き出すためのロジックとしては十分」とのこと。また、そうすることで「自信を持って動けるように」なるそうです。

(参考およびカギカッコ内含む引用元:前出の「EL BORDE」記事)

「失敗」は必ず糧となる

しかし、とりあえず結論を出して、根拠を後づけしながら即行動したら、失敗に終わってしまった――なんてこともあるかもしれません。そんなときは軌道修正すればいいと伊藤氏は言います。それに、

そうしているうちに経験値が高くなり、仮説のクオリティが上がっていく 

(参考および引用元:前出の「EL BORDE」記事)

のだそう。前出のぺそ氏も、すぐ行動することで積み重なっていく成功や失敗の経験が、成功率を上げると説きました。だからこそぺそ氏いわく、

失敗に終わったとしても次の仮説を立てる時のいい材料として使えるので、あまり気にしなくても大丈夫

とのこと。そして、

成功や失敗を繰り返して打率が高くなっていけば、自動的に仕事が速くなっていく

(引用元:前出の「ログミーBiz」記事)

と説明しています。

たとえばヨーグルトなどを食べた際、私たちの腸に届く前に死滅してしまった乳酸菌は、ほかの乳酸菌のエサとなり、なおかつ善玉菌に加勢してくれるといいます。仕事の失敗も、ただ時間とともに薄れていくだけでなく、仕事の糧となってくれるのですね。

金属の手すりに両手をかけて体を預け、自分のミスを思い起こしているビジネスパーソン

「軌道修正」は効率的なテクニック

なお、前項で伊藤氏が “失敗しても軌道修正すればいい” と述べたことについて触れましたが――オリンピック選手をはじめ、1万5,000人以上の目標実現をサポートしてきたメンタルコーチの大平信孝氏(株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役)に言わせると、むしろ

軌道修正は、ラクして成果を出すための技術

なのだそうです。大平氏によれば、

完璧なノウハウや回答を得るのに時間と労力を費やすより、一度仮に決めて行動してみた後、軌道修正していったほうが効率的

とのこと。また、

「後で軌道修正する」と決めているからこそ、安心して仮決め仮行動できるわけです。たとえ一度で成果を出せなくても、行動後の軌道修正さえうまくいけば、成果を出せるようになります。

(引用元:東洋経済オンライン|「仕事や趣味で成果を出す人」が随時している事

と伝えています。仮決め、仮行動、行動後の軌道修正――この流れは、これまで説明してきた内容にも重なります。それに、大平氏の言葉は、そうした流れが “すぐに行動して成果を出す流れであること” を裏づけているのではないでしょうか。

「軌道修正」のコツ

前出の大平氏は、軌道修正のやり方は無数にあるとしながらも、「誰でも実行しやすく、なおかつ効果的な3つの方法」を紹介しています。それを要素ごとに分解して並べると、以下のとおりになります。

  • 「うまくいっていること」を増やす
  • 「うまくいっていないこと」を減らす・やめる
  • 「新しいこと」を始める
  • 「やり方」を変える
  • 「時間、場所、人」のいずれかを変える
  • 「できるはず」だったところを埋める

たとえば働きながら資格をとろうと考え、直感に頼ってすぐ行動を起こしたけれど、いまひとつ勉強がうまく進まないとしましょう。

具体的には、あえて時間を設けると集中できず、むしろ時間がないときにパラパラと参考書をめくったほうが覚えやすい。他者にすすめられた勉強法は特に取り入れておらず、勉強の進み具合はすべて仕事の疲れ、調子の良し悪しが影響しているのだと考えている場合を想定します。その状況で、大平氏が示した方法にのっとって「軌道修正」してみると――

  • 「うまくいっている」のは “スキマ時間の勉強” →増やす
  • 「うまくいっていない」のは “あえて一定の時間を設けて勉強すること”→やめてみる
  • 「新しいこと」として “他者の助言に耳を傾け、アドバイスを取り入れる” ことを始める
  • 勉強する「場所」を変えたり、「時間」を少しずらしたりしてみる
  • もう覚えているであろう「できるはず」という箇所は “ミニテストを強化” する

(参考およびカギカッコ内引用元:前出の「東洋経済オンライン」記事)

といった具合になるでしょうか。こんな感じなら、違うケースでもうまく軌道修正できそうですね。

***
ついつい先延ばしをしてしまう人や、早く確実に成果を出したい人のヒントとなるように、「直感⇒とりあえずの結論⇒即行動⇒根拠の後づけ⇒必要に応じて軌道修正」の詳細およびコツなどを紹介しました。よろしければ参考にしてみてください!

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