学びの質が格段に上がる「勉強後」のルーティン4選。“やりっぱなし” が一番ダメ!

勉強後に行なうべき4つのルーティン01

「学んだことがなかなか身につかない」
「やる気にムラがある」
「勉強を始めるまでに時間がかかる」

このように勉強を頑張りたい気持ちはあるのに、うまくいかないと悩んでいる人は多いでしょう。

せっかく勉強するのであれば、効率よく覚えたことを記憶したいし、しっかりと勉強習慣をつけたいところ。それらを実現するためには、「勉強のあと」の行動が重要なカギとなります。勉強後に行なうべき4つのルーティンを提案しましょう。

1. 記憶力向上のために筋トレをする

「勉強したことがなかなか記憶に定着しない」と悩んでいる人におすすめなのが、学んだ直後に軽い筋トレをすること。ジョージア工科大学の研究で、筋トレによって記憶力が向上することがわかっています。

研究では46人の被験者に、パソコン画面に表示される90枚の写真を見せました。その後被験者をふたつのグループに分け、片方には脚の筋トレを50回行なわせ、もう片方には椅子に座ったまま過ごさせたとのこと。そして2日後、前回の90枚に新しい写真90枚を加えた合計180枚の写真を被験者らに見せ、どの写真を覚えているか尋ねました。

その結果、椅子に座ったまま過ごしたグループが平均して50%の写真を覚えていたのに対し、筋トレをしたグループ60%の写真を覚えていたのだそう。

筋トレをすると、記憶の定着を促す「ノルエピネフリン」という神経伝達物質が分泌されます。20分程度の筋トレで効果が現れるようですよ。ジムで行なうような本格的なものでなくても、スクワットなど自宅でできる筋トレで問題ないそうなので、簡単に取り入れられますね。

学んだことを効率よく頭に定着させたい人は、ぜひ勉強後の筋トレを習慣にしてみてはいかがでしょう。

勉強後に行なうべき4つのルーティン02

2. 机を片付けて翌日に備える

「勉強の集中力が持続しない」「自宅で勉強していると、つい気が散ってしまう」と悩んでいる方は、デスクが散らかってはいませんか? 勉強をしたあとに必ずやるべきなのは、翌日の勉強に備えて机を片付けることです。

20年以上に渡り集中力について研究を続けるプリンストン大学のサバイン・カストナー教授によると、散らかった空間は集中力を阻害し、さらには認知機能を低下させてしまうのだそう。

同氏の実験の結果、視界に入る情報が多いほど、集中したいものから意識が引き剥がされてしまうことがわかっているとのこと。脳は、目にした数多くのもののなかから重要なものを選びとるために力を使うため、すぐに疲れてしまうのです。カストナー氏は研究結果から、「脳は散らかった状態を気にしないことはできない」と結論づけています。

勉強しながら机の上に乱雑に置いた文房具や紙類は、勉強が終わるたびに必ず片付けましょう。勉強し終えた参考書を置いたまま次の勉強に移るのも、よくありませんね。机の上をスッキリと片付ければ、翌日も集中して勉強できますよ。

勉強後に行なうべき4つのルーティン03

3. 脳のリフレッシュのためにボーっとする

やる気と集中力は常に高い水準を保ちたいもの。しかし「勉強したい気持ちはあるけど、疲れてしまって集中できない」という日は誰にでもあるでしょう。たまにならいいですが、いつもそんな状態だという人は、脳のケアが足りていないのかもしれません。

疲れた脳をリフレッシュするコツは、ボーッとすることです。じつはさまざまな研究から、ボーッとすることが、記憶力・認知機能・ワーキングメモリ・クリエイティビティなどによい影響を与えると判明しています。

たとえば、神経科学者のアリエル・タンビニ氏は、記憶を定着させるにはぼんやりすることが有効だと明らかにしました。被験者に2枚の写真を暗記させた直後にボーッとする時間を設け、そのあいだfMRI(脳機能を計測する機械)で脳の動きを確認したところ、脳の複数箇所が同時に動いており、記憶がより強まっていたことが判明。休憩は、脳の認知機能と記憶力を向上させるのに重要なのです。

また、世界トップクラスの学術研究機関MPG(マックス・プランク研究所)のジョナサン・スモールウッド氏によると、ぼんやりしたり空想したりする人は、そうでない人に比べワーキングメモリが高いのだそう。ワーキングメモリが高い人は、複数のことを同時に考えることが得意で、知能も高いとされています。

さらに、ジョージア工科大学の心理学教授エリック・シューマシャー氏の実験では、ぼんやりする時間の長い人のほうがクリエイティビティが高いことがわかっています。

勉強後、学んだことを頭のなかで反復するのは悪いことではありませんが、やりすぎると脳が疲れてしまいます。放心する時間を意識的につくることが、勉強能力を高めるポイントなのです。勉強をやり終えたら、お風呂に入ったりお気に入りのハーブティーをいれたりして、思いきりボーッとしましょう。

勉強後に行なうべき4つのルーティン04

4. 目標を決めて友人に共有する

「昨日は1時間みっちり勉強したけれど、今日は気分が乗らないから勉強はいいや」と、サボりたくなる日もありますよね。特に社会人になると、親や先生が見張っていることもなくなり、すべては自分次第。自分を律するのが苦手な人は、ついつい怠けてしまうかもしれません。

それを防ぐために、勉強が終わったら友人に報告することを習慣づけてはいかがでしょう。というのも、カリフォルニアのドミニカ大学心理学教授、ゲイル・マシュー博士の実験により、目標を友人と共有すると達成率が上がることが明らかにされているのです。

実験では、被験者267名に4週間で達成したい目標を決めさせ、目標の達成具合を友人に毎週報告するグループと、報告しないグループに分けました。その結果、報告ありのグループの70%以上が目標を達成したものの、報告なしのグループで目標を達成できた割合は35%程度に留まったそう。

ひとりで勉強していると緊張感がないので、「誰も見ていないしサボってもいいか」と甘く考えがち。友人どうしでお互いを見張る仕組みをつくって、一緒に頑張ってみませんか? 勉強が終わったら必ず友人に報告すると決めておけば、重い腰も自然と上げられるでしょう。

***
勉強終わりにちょっとした習慣を加えるだけで、毎日の学びの質が格段に上がりますよ。みなさんの日々の勉強に、ぜひお役立てください。

(参考)
Georgia Tech|Lift weights, improve your memory
Princeton Almni|Distractions in our visual environment can impede our brains’ ability to function
JOLSID|Neuroscience provides a Creative Hack for Productivity
Live Science|Do You Daydream? You May Be Smarter and More Creative Than Your Peers
Dominican University of California|Study focuses on strategies for achieving goals, resolutions

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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