「ゆとり」がないのは脳に最悪。脳に大ダメージを与える “3つのNG習慣”

ゆとりがないのは脳に最悪01

日々の仕事、資格試験の勉強、友人との付き合い……そんな忙しさに明け暮れて、なんとなく「頭がうまく働かない感じ」を覚えていませんか? 日常生活にゆとりがないと、いつの間にか脳のゆとりさえ奪われてしまいます。

今回は、余裕のない習慣がもたらしてしまう脳へのダメージを3つ解説し、その改善策についてもお伝えしましょう。

【1】ネガティブ思考は海馬を傷つける

見通しのつかない未来への不安、重要なプロジェクトに対する懸念、対人関係で発生した問題……など、現代社会を生きる私たちの悩みは尽きないもの。なかには、常にネガティブな考えが頭から離れず、心の余裕をもてない人もいるかもしれません。しかし、その状態を引きずりすぎると、脳の海馬が傷ついてしまう可能性があります。

「じわじわと続く慢性的なストレスが海馬の縮小を招く」と警鐘を鳴らすのは、日本精神神経学会専門医である功刀浩氏。うつ病患者の脳をMRI(磁気共鳴画像法)で調べると、情動を抑える帯状回ほか、記憶をつかさどる海馬が、健康な人と比較して萎縮していることが確認されたのです。

ストレスを受けると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加します。長期に渡ってストレス状態が続くと、過剰に分泌されたコルチゾールが海馬を損傷させてしまうのだそう。海馬が傷つくと考えられるのが、記憶力の低下です。物覚えが悪くなることは、仕事や勉強に大きなデメリットを及ぼすことは言うまでもありませんね。

そこで、脳をストレスから守るためにおすすめしたいのがマインドフルネスです。日本マインドフルネス学会理事長である越川房子氏によると、マインドフルネスを継続した人は、左海馬の灰白質の密度が増したと判明したのだとか。

越川氏が教える、実践しやすい「呼吸瞑想」の方法がこちら。

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. 目を閉じる
  3. 自然に呼吸をし、呼吸に意識を向ける
  4. 注意がそれたら何に注意がそれたのかをそっと心に留め、また意識を呼吸に戻す

1日5~10分程度行なうだけでもよいそうですよ。ストレスによる海馬へのダメージを防ぐために、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

ゆとりがないのは脳に最悪02

【2】デジタル頼りは前頭前野を抑制する

メールに調べ物、スケジュール管理、最新情報のチェック……など、忙しい人にとって、効率化を図れるデジタルツールはとても便利な存在です。しかし、息抜きスマホはもちろんのこと、デジタルに依存してばかりいると、脳の前頭前野の活動にブレーキがかかってしまうのです。

東北大学加齢医学研究所の所長である川島隆太氏は、「ITを使った知的作業は前頭前野を抑制してしまう」と指摘します。

手書きで手紙を書くと前頭前野はたくさん働くのに、パソコンや携帯電話で手紙を書かせても前頭前野はまったく働かないという結果が出ている。自分の手指を使った知的作業(この場合は手紙の作成)は前頭前野を活性化させ、ITを使った知的作業は前頭前野を抑制させている。

(引用元:東洋経済オンライン|スマホが脳の発達に与える無視できない影響

また、諏訪東京理科大学共通教育センター教授であり脳科学者の篠原菊紀氏が行なった実験では、デジタルは紙よりも、脳の活動量を減らしてしまうと判明しています。被験者にプレゼンテーションを聞かせ、紙の資料とタブレットの資料を読ませたところ、紙よりタブレットのほうが、左側前頭前野の活発度合いが低かったのだとか。

前頭前野は、新しい情報や知識を一時的に保持する「ワーキングメモリ」の機能と深く関わっている場所。特に、実験で活動量の差が見られた左側の前頭前野は言語系に関わるのだそう。この部位が抑制されると、読んで理解する、文章を書く、相手に合わせて話をするなどのコミュニケーションに悪影響がもたらされると考えられるのです。

脳の前頭前野を活性化させる方法として、脳神経内科医である長谷川嘉哉氏が自ら実践しているという、手書きによる脳トレーニング法をご紹介しましょう。それは、読んだ本や観た映画の内容を、A4用紙に箇条書きでまとめるというもの。

長谷川氏は、以下の項目を箇条書きにしていると述べます。

  • 読んだ日時、場所、天気
  • (本の場合は)タイトル、著者名、出版社名
  • 仕事に役立つと思った情報
  • 印象に残ったフレーズ
  • 新鮮だと感じた表現
  • 読みながら浮かんだ疑問

(引用元:東洋経済オンライン|脳機能の低下を防ぐには「手書き」が有効だ

長谷川氏いわく、箇条書きでまとめると、読解力や文脈をとらえる力を鍛えることもできるのだそう。デジタルツールばかり使いがちで普段手書きの習慣がない人は、試してみてはいかがでしょうか。

ゆとりがないのは脳に最悪03

【3】睡眠不足は前頭葉・頭頂葉の活動を減少させる

仕事や勉強に追われる多忙な人のなかには、睡眠時間を削ってしまっている人や、なかなか寝つけない人も多いかもしれません。しかし、睡眠をとるゆとりを失うと、脳に深刻なダメージを与えてしまいます。

カナダのウェスタン大学の研究チームが行なった大規模な調査で、睡眠不足が脳の活動量を抑制させるという結果が示されています。調査では、被験者に4時間の睡眠をとるよう指示し、認知テストを受けてもらいながら、彼らの脳をスキャンしました。言うまでもなくスキャンの結果は、充分な睡眠をとった状態より、はるかに脳の活動量が減少していたのです。

この研究の中心者であるエイドリアン・オーウェン教授は、睡眠不足の状態では、意思決定問題解決、さらには記憶で重要な役割をもつ前頭葉と頭頂葉の活動が減ってしまうと述べています。つまり、睡眠が足りていないと、脳の主要な機能が著しく低下するということ。仕事で重要な判断を下したい人や、勉強で必要な知識を覚えたい人にとって、睡眠不足は最悪な習慣だと言えます。

とはいえ、時間を確保できても寝つけなかったり、すでに短時間睡眠の生活スタイルに慣れてしまっている人もいるかもしれません。そのような人がより良質な睡眠をとるための工夫もお教えしましょう。

それは朝の15分程度の散歩です。精神科医の樺沢紫苑氏は、朝の散歩が、睡眠の質を高めるために必要なセロトニンの生成を促してくれると言います。睡眠物質メラトニンの材料となるセロトニンは、朝日を浴びたりリズム運動をしたりすることでつくられるそう。このふたつを同時に行なえる朝の散歩は、低下しがちな眠りの質を改善するのに最適なのです。

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日々の生活にゆとりが生まれると、脳にとっても優しいのです。忙しさのなかでは、適度に余裕をもつことも大切にして、頭をもっと柔軟に働かせてみてくださいね。

(参考)
日経ARIA|じわじわ続くストレスで脳が傷つく うつチェック
日経ビジネス電子版|脳の構造を変える! マインドフルネスって何?
東洋経済オンライン|スマホが脳の発達に与える無視できない影響
日経BizGate|そのペーパーレス、本当に正解? 脳科学で解き明かす「紙とデジタルの知的生産性」
東洋経済オンライン|脳機能の低下を防ぐには「手書き」が有効だ
BBC NEWS|睡眠不足は脳にどう影響する
ダイヤモンド・オンライン|精神科医が「絶対にやるべき!」と断言する朝のベスト習慣

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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