心が疲れやすい人におすすめのメンタルケア習慣。「バレットジャーナル」で自分を大切にして。

「バレットジャーナル」を使って自分を大切にしてみた01

強いプレッシャーや不安を感じたり、仕事のことでイライラしたりしがちなあなた。疲れた心をケアできていますか?

「忙しくてセルフケアにまで手が回らない」「よく落ち込むけれど、対処法がわからない」という方に、バレットジャーナルを活用した、効果的なメンタルケア方法をご紹介します。

「心が疲れやすい人」に見られるふたつの特徴

心が疲れやすい人には、考え方や行動にある特徴が見られるようです。あなたに当てはまるものはありますか?

1. 認知の歪みがある

ストレスコーピングのスキルを指導する研修トレーナーの伊庭正康氏は、認知の歪みがあるとストレスにつながると述べます。認知の歪みとは、「○○すべきだ」「自分は○○だ」のような、考え方の癖のことです。

たとえば、取引先から「打ち合わせを延期したい」と言われたとします。客観的に考えれば、「打ち合わせが延期になった」という出来事が起きただけ。にもかかわらず、「自分は嫌われているんだ」「一度約束したのだから守るべきなのに」と思い込むことで、クヨクヨ、イライラしてしまう――。

認知の歪みがあると、このようにストレスを感じて、心が疲れてしまうのです。

2. タスクを詰め込みすぎる

仕事に家事、将来のための勉強など、一日のうちにあれもこれもとタスクを詰め込むことも、心を疲れさせます。

タスクがたまってくると、「早くしなきゃ」「終わらなかったら怒られるかも」などのプレッシャーが少なからず生まれるもの。こうしたプレッシャーにともなうストレスが、脳と心の状態を不安定にすると指摘するのは、東邦大学神経科学研究室教授の増尾好則氏。

増尾氏によれば、ストレスを感じると、感情を抑制する役割がある脳の前頭前野の働きが阻害されるとのこと。その結果、イライラや不安感といった感情の制御がしにくくなるそうです。

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メンタルケアに効果的なふたつの習慣

「認知の歪み」と「タスクの詰め込み」によるストレスが心を疲れさせる、ということがわかりましたね。ではこれらの要因を軽減・解消できる習慣をご紹介しましょう。

1. セルフトーク法

伊庭氏は、認知の歪みを修正する方法としてセルフトーク法を提案しています。

セルフトークとは、無意識に心のなかでつぶやく言葉のことです。前述のように、認知の歪みがあると、ネガティブなセルフトークをしがちなため、ストレスがたまるもの。

そんなネガティブなつぶやきを別の角度から言い換えることで認知の歪みを直そうというのが、セルフトーク法です。たとえば、

「今日は30分しか勉強できなかった」
「30分も集中して勉強できた」

「私だけ仕事が多すぎる」
「私だけ、とは言いきれない」

というように、合理的・客観的な視点で物事を見直してみると、イライラやクヨクヨが減り、心を疲れさせずにすむのです。

2. 紙に書く

タスクの詰め込みで心が疲れがちな人は、ToDoリストを紙に書くとよい――そうすすめるのは、イギリスの心理療法士リンジー・ジョージ氏。やることを書き出すだけで達成感を得られ、メンタルの状態が安定するそうです。

ジョージ氏によれば、そもそも感情や思考を書き出すことは、有効なメンタルケア法のひとつ。というのも、「何に対して不安を抱いているのか」「どうしたいのか」などが明らかになり、問題解決につながりやすくなるからだそう。 

タスクを抱えすぎて混乱した頭のなかを整理するのに、「書き出す」ことが役に立つというわけですね。

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「バレットジャーナル」を活用したメンタルケア習慣の定着方法

先にご紹介したふたつのメンタルケア習慣を実践するうえでぜひおすすめしたいのが、バレットジャーナルです。

バレットジャーナルとは、やるべきことや考えたことなどを「箇条書き」で簡潔に記録していく手帳術のこと。中身は基本的に以下の4項目です。

インデックス:目次
フューチャーログ:年間スケジュール
マンスリーログ:月間スケジュール
デイリーログ:日別の予定やタスク

上記以外は自由にカスタマイズ可能。そこで筆者は「セルフトーク法」を兼ねた日記も書くことにしました。ここからは、その手順をご紹介します。

1.「インデックス」を書く

フューチャーログやマンスリーログなどが何ページめから始まるか、目次形式で記載。バレットジャーナルでは、タスクの完了度や重要度などを「キー」という記号で表すので、そのキーの意味も同じページ上でリスト化しました。

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2.「フューチャーログ」を書く

スタートが2022年6月だったので、2023年5月までの1年間分の欄を作成。片ページを3分割し、4ページにわたって月ごとのイベントや目標、やりたいことなどを書きました。予定がまだ確定していない月の欄には、決まり次第書き加えていきます。

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3.「マンスリーログ」を書く

片ページを丸々使って縦に日付を並べ、1か月分の細かいスケジュール表をつくります。土曜日には青、日曜日には赤で印をつけ、曜日をわかりやすくしました。

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4.「デイリーログ」を書く

一日のタスクをリストアップし、「×」や「>」などのキーで進捗度合いを記録します。筆者は、寝る前にその日のタスク進捗をチェックしつつ、翌日のタスクを書き出すことにしました。

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また、セルフトーク法を兼ねた日記としては、「一行日記」をデイリーログ内に加えました。

これは、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長の伊藤羊一氏が提唱するもの。「出来事」「自分にとっての意味」「気づき」「次のアクション」を1行ずつ書き、着実に成長していくことを狙いとしています。

ひとつの出来事を多角的にとらえる点がセルフトーク法に近いと感じて、取り入れることにしました。

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このように、タスクのチェック・書き出しと一行日記を1週間続けました。

なおこの先は、月末に翌月のマンスリーログを作成し、適宜フューチャーログに予定を書き加えつつ、デイリーログを継続していく流れとなります。

バレットジャーナル&日記でメンタルが安定した!

1週間のバレットジャーナルを通して、ふたつの効果を実感しました。

自分を客観視したことで、心の疲れを減らせた!

認知の歪みから抜け出して自分を客観視でき、心が軽くなった感じがしました。

たとえば、筆者はいままで、タスクが終わらないと「なんでこんなに仕事が遅いんだろう……」と自分を責める癖がありました。しかし、毎晩タスクの進捗度合いを記録すると、「仕事が終わらなかったのは、この作業に時間がかかったからなんだ」などと気づけて、クヨクヨ悩むことが減ったのです。

また、一行日記のなかで「気づき」だけでなく「次の行動」まで考えたことも大きな意味がありました。「原稿が進まなかったのは、書きたいことがボンヤリしていたからかも(気づき)。何を書きたいか整理してから書こう(次の行動)」という具合で、要改善点を発見しやすくなったのです。頭や心がクリアになったおかげで、ベッドに入ってから “ひとり反省会” をすることがなくなりました。

「コーピングリスト」で心の疲れを防げた

じつは今回一行日記のほかにも、バレットジャーナルに追加したものがあります。それはコーピングリストストレスへの対処法をできるだけたくさん書き出したリストのことです。心がつらいときにリストを見返して、どれかを選んで実践するというようにして使います。

バレットジャーナルの「日本初の書き方ガイド」として出版された『「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル』著者のMarie氏が実践しており、心が疲れやすい人に最適だと思ったので、書いてみることにしました。

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タスクの進捗や一行日記を書いても気分が乗らない日には、コーピングリストを開きました。リストのなかからその時の気分や状況にあったものを選んで実践すると、気持ちが晴れたように思います。なにより、漠然と落ち込んだ気分になる日が減りました。ぜひみなさんにもおすすめしたいです。

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箇条書きで楽に書けるバレットジャーナルなら、メンタルケア習慣も簡単に身に着けられるはず。毎日ほんの数分、タスクや日記を書く時間をつくって、心の疲れをやわらげてはいかがでしょうか。

(参考)
株式会社らしさラボ公式|メンタル研修で注目される「ストレスコーピング」理論とは
東邦大学|ストレスと脳
コスモポリタン|セラピー効果も?心理療法士が説く「ジャーナリング」のすすめ
コクヨ ステーショナリー|初心者でも簡単!バレットジャーナルの書き方の基本
創業手帳|Zアカデミア・伊藤羊一学長が確信した「圧倒的な成長をする人」が共通して続けていることとは?
Mandarin Note|ストレス解消法を視覚化・コーピングリストを作ってみました

【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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