1日10枚の「ゼロ秒思考」を3週間継続する3つのコツ。今度こそ挫折しないで書き続けられる

1日10枚の「ゼロ秒思考」を今度こそ継続するためのコツ01

世界的コンサルティング企業・マッキンゼーで14年間活躍した赤羽雄二氏の著書『ゼロ秒思考』(ダイヤモンド社)を、一度は手に取った人も多いかもしれません。2013年の発売以後、累計34万部を突破。いまなおビジネスパーソンに注目されるロングセラー本です。

「ゼロ秒思考」のメソッドは、「思考力を上げたい」「頭のなかを整理したい」といった悩みを解決してくれます。しかし、“1日10枚のメモ書き” というルールに、ハードルの高さを感じる人も少なくないはず……。どうすれば「ゼロ秒思考」の習慣化に成功できるのでしょうか?

今回の記事では、1日10枚の「ゼロ秒思考」を継続するための3つのコツをご紹介。一度は挫折してしまった方も、ぜひ再び挑戦する前にご一読ください。

「ゼロ秒思考」とは?

「ゼロ秒思考」とは、「A4の紙に“1枚1分”」でメモ書きをすることにより、即断力を高め、思考の質とスピードを上げるメソッドです。

具体的な方法は以下のとおり。

  1. A4サイズの紙を用意する(裏紙やコピー用紙でOK)
  2. 紙を横置きにし、横書きで左上にタイトル右上に日付を記入する
  3. メモはすべて箇条書き1枚に4~6行・各行20~30字が目安
  4. 1枚につき1分ですばやく書ききる
  5. この作業を繰り返し、1日10枚書く

赤羽氏いわく、効果が実感できるのは「3週間継続」してから。その効果とは、次のようなものです。

【メリット1】仕事の生産性が上がる

「ゼロ秒思考」を続けると、即断即決力が得られるそうです。おのずと仕事を速くこなせるようになるため、PDCAを多く回せると赤羽氏。実行と改善をスピーディに繰り返すことで、仕事の質と速さを同時に追求することができます。つまり、仕事の生産性を高められるのです。

【メリット2】対人関係がうまくいく

対人関係の悩みをテーマに「ゼロ秒思考」を実践すると、人間関係の問題解決にも役立ちます。

赤羽氏によると、「あの人が苦手。嫌いだ」と感じる理由の多くは、相手のことが理解できないから。相手の考え・状況・好みなどを多面的に書き出すことを通し、相手の立場で考えられるようになると、否定的な感情がおさまるそうです。

【メリット3】心が澄みきる

赤羽氏は、書き出す行為に集中すると、雑念が消えると語ります。心を無にする ”瞑想と同じ状況” をつくり出せるとのこと。呼吸を整えるタイプの瞑想とは違い、書くという動作をともなうことから、赤羽氏は「ゼロ秒思考」のメモ書きを「アクティブ瞑想」と呼んでいるそうです。無心で紙に吐き出すことで、心がすっきりするのです。

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「ゼロ秒思考」が注目され続けているのは、仕事のみならず、人間関係やメンタル面でも効果が期待できるからなのですね。

しかし、1日10枚を3週間も書き続けるというのは少しハードルが高いもの……。「大変すぎて続かない!」という方のために、お悩み別に習慣化のコツを紹介しましょう。

「10枚も書けない」と悩む人は【まとめて書かない】

「ゼロ秒思考」を実践するなかで最初に直面する壁が「1日10枚」という量ではないでしょうか。慣れが肝心だと自分に言い聞かせても、いきなり10枚も書くほどの内容がない……と戸惑う人は少なくないはず。

しかし、一度にまとめて書く必要はありません

赤羽氏は思いついたその瞬間に書くことを推奨しています。「夜に10枚書こう!」と決めても夜になったら書くべき内容を忘れてしまううえ、仮に覚えていたとしても曖昧で書きにくく、メモを書くこと自体がおっくうになる――というのがその理由だそう。

一度にまとめて書くのではなく、分散させて書くことが継続の秘訣なのですね。

「ゼロ秒思考」の実践者のひとりである、効率化コンサルタント・井ノ上陽一氏は、メモ書きに必要な紙とペンをクリアフォルダに入れて持ち歩いていると語っています。そうすれば、自宅だけでなく、オフィスやカフェなどの移動先でもすぐに実行できるからです。

10枚一気に書こうとして失敗した経験がある人は、井ノ上氏のようにメモ書きの道具を持ち歩き、休憩時間やスキマ時間などに分散して書いてみてください。時間を空ければ、新たな考えも生まれるはずですよ。

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「効果を実感できない」と悩む人は【スピードを重視する】

「ゼロ秒思考を実践しても、思考力は変わらなかった」。このように、効果を十分に感じられず挫折した……という人に守っていただきたいのが、「1枚1分」というスピードです。

赤羽氏は、「思考能力の向上を実感できない」と悩む人の大半が、「1枚1分」のルールを破り、2分ほどかけていると指摘しています。

納得いくように書いていたら、1枚書くだけで時間がかかってしまった——残念ながら、このやり方では思考のスピードは以前と変わらないまま。思考力を上げるトレーニングにはなりません。だからこそ、スピードを重視すべきなのですね。

赤羽氏は、「最初は1分で2行しか書けなくても心配いらない」と語ります。1分という制限時間を守って書き続けるうちに、すばやく4~5行書ける力がつくのだそうです。

さらに、1分間必死で書けば、余計な考えが浮かぶ隙もありません。速く書くほど、「無心」というマインドフルネスの状態に近づけるのです。

なお、速く書くためには、書きやすいペンを使うことも重要。前出の井ノ上氏は最初、iPadでメモ書きに挑み、挫折したのだそう。iPadのペンだとすらすらとは書けなかったためです。赤羽氏が推奨するのは、筆圧ゼロでも書ける水性ボールペン。シャープペンでは速さは追求できないと言います。

効果が感じられなくて挫折した人はぜひ、書きやすいペンを吟味し、「1枚1分」というルールを守ってみてください。書き心地がよければ継続しやすいはずですし、続けるうちに頭の回転が速くなる実感を得られますよ。

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「毎回テーマを探すのが大変」と悩む人は【テーマを深堀りしてみる】

「ゼロ秒思考」では、まず始めに「テーマ」となるタイトルを決めます。しかし、「毎回テーマを探すのが大変……」と悩む人も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、同じテーマについて何度も書いてかまいません。赤羽氏は著書『ゼロ秒思考』のなかで以下のように述べています。

今日あるタイトルで書いても、明日またその言葉、あるいは似たような言葉・フレーズが浮かぶことがある。そういう場合は躊躇なく、もう一度書く。昨日どう書いたかなどと見返す必要はない。見返さず、頭に浮かんだまま、また書く。3日後にまた似たようなタイトルが浮かんだら、それでメモを書く。振り返らずにひたすら書く。

(引用元:赤羽雄二(2013), 『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』, ダイヤモンド社.)

赤羽氏によれば、似たようなテーマを繰り返し書くことで、 考え尽くした感じを得られるとのこと。テーマに関することが頭のなかで十分整理され、より明確なイメージをつかめるようになるのです。

また、赤羽氏はテーマを「深堀り」することも推奨しています。その方法とは、1枚に書いた4~6行のメモをそれぞれタイトルにして、もう4~6枚メモ書きをすることです。

たとえば、「仕事が遅くなるのはなぜだろう?」というテーマで書いたとしましょう。

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(画像は筆者にて作成)

次は、先ほどのメモに書いた各行を、新たなメモのテーマとし、さらにゼロ秒思考のメモ書きを実践します。具体的には、以下のようなことが考えられますね。

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(画像は筆者にて作成)

赤羽氏によれば、芋づる式に深堀りしていくと、テーマを細分化できると同時に、全体像も把握できるそう。上の例で言えば、仕事が遅い原因を細かく具体化しつつ、自分が抱える複数の問題点が「仕事の遅さ」につながっていることが一目瞭然となりました。

「1日10枚を3週間書き続ける」といっても、1枚1枚別のテーマを設定する必要はない――そう思えば、もう少しラクに続けられそうな気がしてくることでしょう。

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今回の記事を参考に、再び「ゼロ秒思考」に挑戦してみてください。このメソッドを継続して、あなたの仕事や生活の質がよりよいものへと変わることを願っています。

(参考)
赤羽雄二(2013),『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』,ダイヤモンド社.
リクナビNEXTジャーナル|A4の裏紙一枚で頭スッキリ! モヤモヤをなくし、即断即決できるようになる「ゼロ秒思考」
STUDY HACKER|「1ページ1分のメモ」で、苦手で腹が立つ “あの人” との関係がよくなるワケ
ログミーBiz|1日10分メモ書きするだけ『ゼロ秒思考』の著者が教える、頭が良くなる「アクティブ瞑想」のススメ
EX‐IT 効率化で独立を楽しく|紙・手書きが大嫌いな私が10日間で107枚書いた「ゼロ秒思考メモ」の効果
Outward Matrix|「ゼロ秒思考」著者が語る「思考力を向上させるコツ」とは。
ダイヤモンド・オンライン|ストレス解消の究極メソッド「『ゼロ秒思考』のメモ書き」のシンプルすぎるフォーマットとは?

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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