自分を売り込む技術はある? マーケティングに学ぶ、期待とチャンスの勝ち取り方。

皆さんは、上司に期待されていると思いますか?

早くから営業に同行させてもらえる、上司が困ったら仕事を1番に振られる、よく上の世代の食事や飲み会に呼ばれる。

新入社員は特別仕事ができるわけではないのに、さまざまな場面で上司や先輩から頼りにされる同期は周りにいませんか? 入社したタイミングは同じなのに、目立つ新人と目立たない新人の差はいつの間にか広がっていきますよね。

今回は、特別能力が高いわけではなくても期待される新入社員になるための戦略を紹介します。

期待度は能力には関係ない

そもそも、新人に対する期待度に能力はあまり関係ないのではないでしょうか?

学生時代からビジネスや起業をしていたような即戦力があるのなら話は別ですが、一般の新入社員は営業力も企画力もまだまだ半人前です。上司からすると、若手社員は能力的には大差ないでしょう。

労働政策研究・研修機構が行った「新卒採用において期待すること」に関する調査の結果でも、専門知識や経験、企画力、発想力、リーダーシップといった要素は下位でした。

つまり、会社はそもそも能力の高い新人を採用したいわけではないため、実際に新入社員の能力は大差ないのです。それにも関わらず、期待される人とそうでない人が生まれている、という現状が存在することになります。

期待度は知覚の勝負

では、上司から新入社員への期待度を決めるのは何でしょう。

それは「知覚」ではないでしょうか。上司が、あなたにどういった印象やイメージを抱いているかです。「ポジショニング戦略」の提唱で知られるマーケティングのプロ、アル・ライズとジャック・トラウトはこう述べています。

マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである
マーケティング上の過ちはほとんどが、自分たちは現実に根ざした商品戦争を戦っているのだという思い込みに端を発している。

(引用元:アル・ライズ、ジャック・トラウト共著(1994),『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』,東急エージェンシー出版部)

技術が発達し、さまざまな製品がコモディティ化した現代では、商品のイメージが売上に直結します。そして、それは人にも言えることでしょう。

新入社員という似たようなスペックの人が並べられた際、上司があなたに期待するかどうかは、上司があなたをどう知覚しているかにかかっています。まさに、新人が期待されるかどうかは“知覚の戦い”なのです。

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期待されるための3つのノウハウ

ポジショニング戦略を参考にしながら、上司に自分を印象づけて選ばれるための法則を紹介します。

1.何かのカテゴリーで一番手になる どんなジャンルでも良いので、あなたが一番手になりましょう。

仕事があるなら真っ先に手を上げる、メールは誰よりも早く返信する、アイデア出しなら誰よりも多くの案を出す、人より多くテレアポをするなど、どんなことでも構いません。

上司に「チャレンジ精神がある」、「反応が早い」、「アイデアマン」といった印象を与えることで、期待してもらい、面白い仕事がまわってくるでしょう。

何事でも二番手以降は記憶に残りにくくなります。世界で初めて蓄音機を作ったのはエジソンですが、次に作った人は知らないですよね。

自分が1番になれるジャンルで熱意や意欲を発揮し、「○○といえば△△だ」と、思わせてみてください。

2.自分が1番になれるカテゴリーを作る もし今、自分が1番になれるカテゴリーがなければ、作ってしまいましょう。

例えば、社内に「資料作りが上手」というポジションの人がいないとします。

ビジネスにおける資料作りのポイントを勉強して、日々の仕事の中で丁寧でわかりやすい資料を作るうちに、社内で「資料作りといえばあなた」という印象を獲得することができます。プレゼン用の資料なども任せてもらえるようになるかもしれません。

競争相手のいない、あなたが1番になれるカテゴリーを探すことがポイントです。

3.ライバルの弱点を突く 職場で、ある新人が期待されており、自分も彼くらいに目立ちたいと考えるならば、そのライバルの弱点を見つけましょう。

相手が期待されるエッセンスを見抜き、彼がしないこと、できないことをするのです。仕事は遅いけれど人当たりがよく、飲み会の幹事や職場の空気を良くする新人が相手なら、あなたは仕事のスピードは早めるべきでしょう。

または、数字にも強く分析力があるけれど、人付き合いの良くない新人が相手なら、挨拶や食事などで上司と積極的にコミュニケーションをとってみてください。

自分をどう売りこんで良いかわからないときは、ライバルである期待されている新人を分析してみることも効果的です。

*** マーケティングにおいて重要な概念である「ポジショニング戦略」。その考え方は、新入社員としての働き方にも応用できます。明日から自分のポジショニングを意識して、働いてみてください。

(参考) アル・ライズ、ジャック・トラウト共著(1994),『売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則』,東急エージェンシー出版部 アル・ライズ、ジャック・トラウト共著(2008),『ポジショニング戦略[新版]』,海と月社 竹中啓之著(2011),『新入社員の就職意識と企業の社員への期待の違いについて』,鹿児島県立短期大学紀要 第62号 J-CAST会社ウオッチ|上司が「手放したくない」部下の10条件とは

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