尊敬されるような上司になりたい… 後輩から頼られるかっこいい先輩になりたい…
誰しも一度はそう思ったことがあるはず。他人の信頼を一心に集め、決断力と行動力のあるリーダー。なりたいのは当然だ。しかし、実際には簡単ではない。
重い責任がつきまとう。ミスは絶対に許されない。そんな時、どうやったら自信ある行動ができるのだろう。
今回は、科学的研究にもとづいた「リーダーになるための方法」をご紹介しよう。
リーダーには「自信」が必要!
リーダーシップ研究というものをご存知だろうか。リーダーにはどんな資質が求められているのか、どんなリーダーなら成功を収められるのか。科学的なアプローチによって明らかにしていく学問だ。
今回紹介する研究の中では「自信」を扱っている。人に指示を出す時に、不安そうにしたり、おどおどしたりするリーダーなんて、誰も見たくないはず。自信たっぷりに話し、堂々と行動するからこそ、人はついていくのだ。
九州大学大学院人間環境学府の池田氏は、自信というのは「外的経験よりも、経験の認知的もしくは内的処理によって獲得されるものだ」と話している。
簡単に言ってしまえば、「人からどうこう言われるよりも、自分で行動を振り返ることで自信は身につく」ということ。
池田氏はさらにそれを三つのプロセスに分けて紹介している。さっそく一つずつ見ていこう。
1 些細なことも意識しろ!
一つ目は「経験の意識化」。人の上に立って指示をする場合、毎日毎日いろいろと単調な作業があるかもしれない。ただ、だからといってそれらを雑多なルーティンにしてしまうのは禁物だ。どんな些細なことであったとしてもいろいろな視点から眺め、それが適切であるかどうかを考える必要があるのだ。
実行方法としては、「やることをリスト化」するのがおすすめ。付箋や手帳を効果的に利用し、どんなことでも可視化してみるのだ。そうすれば、些細な作業が埋もれてしまうこともなくなる。
2「良い結果は全部自分のおかげ」だと思え!
二つめのプロセスは、「原因の帰属」。得られた成果は、良かろうと悪かろうと、自分に原因があると考えるべきなのだ。 ここで重要なのは、結果が「良い」場合にも自分のおかげだと思うこと。 悪かった時、自分のせいだと反省するのは簡単だ。でも、もし成功した時、課題が簡単だったから、部下が優秀だったから……。としては、自信はつかない。
もし良い結果が出たら、素直に自分を褒めてあげよう。そうすることで、初めて成功経験が生きてくるのだ。
3「振り返り」を忘れずに。
最後は「セルフリフレクション」、つまり経験の振り返りだ。経営学の権威であるDaudelin氏は、次のような実験を行っている。
被験者のマネー ジャーは、最初にこれまで緯験したなかで最も挑戦的に感じた経験について尋ねられ、その後その経験についてそれぞれのグループで1時間の自己省察セッションに参加した。その結果、自己省察セッションを行わなかったグループのリーダー群よりも、他の自己省察を行ったりーダー群ほど、その経験から豊富な教訓 (成功原理)を得ていることが明らかになった。
(引用元:池田浩, 古川久敬, イケダヒロシ, & フルカワヒサタカ. (2005). リーダーの自信研究の新しい展開: その概念と測定尺度および自信の源泉. 九州大学心理学研究, 6, 119-131.)
たった1時間。たった1時間の振り返りでも、重要なフィードバックを得られるのだ。もし成果が出たら、短時間でもそれを振り返り、話し合ってみることをおすすめする。やりっぱなしでは、効果はないに等しいのだ。
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自信をつける。そう簡単なことではないだろう。しかし、人の上に立つときに、そんなことも言っていられない。
科学的なプロセスを使って、ぜひ魅力的なリーダーを目指してみてほしい。
(参考) Daudelin, M. W. (1997). Learning from experience through reflection.Organizational dynamics, 24(3), 36-48.
池田浩, 古川久敬, イケダヒロシ, & フルカワヒサタカ. (2005). リーダーの自信研究の新しい展開: その概念と測定尺度および自信の源泉. 九州大学心理学研究, 6, 119-131.