仕事や勉強では必ず、頭を使って考える、ということをしますよね。では皆さんは、そのように考え事をするとき、「脳」を意識することはありますか?

多くの人にとって「体の使い方」を意識する場面はイメージしやすいでしょう。例えば、皆さんが初めて自転車をこぐ練習をしたとき、態勢の保ち方や足の回し方を試行錯誤して学んだはずです。ところが、何か考えたり意識したりするときに、「脳の使い方」を意識する人は少ないのではないでしょうか。実は最近の研究から、「使い方」を意識することで脳の活動はより良くなるということが分かっています。

同じだけ時間を使っても、脳の使い方次第で成果の質は変わってきます。せっかく時間を使うなら、より質の高いパフォーマンスをあげたいと考える方に、この記事を読んでいただければ幸いです。

脳をうまく使えば、短時間でハイパフォーマンスを生み出せる

もし、あなたが何も考えずに勉学や仕事に取り組んでいるとしたら、それはおすすめできません。なぜなら、脳は環境を整え、うまく使ってやることで、最大限の力を発揮するからです。

脳科学者の茂木健一郎氏によれば、「脳は飽きっぽい性質があり、長時間集中するのは苦手」なのだとのこと。この特性をきちんと理解し、短時間の集中で大きな成果を生むように意識することが大事だ、と茂木氏は言います。「これから〇〇をしよう!」と意識したうえで、脳が最大限の効果を発揮できるような取り組みをすれば、仕事や勉強に対する集中力が高まり、短時間でも質の高い成果をあげられるのです。

ではここからは、

・仕事や勉強に集中するとき
・脳を休めるとき

の2つに区切り、脳の切り替え方、上手な活かし方について見ていきたいと思います。

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集中するときの脳の使い方

まずは、仕事や勉強に集中したいときにはどのように脳を使えばよいか、茂木氏の解説に基づいてご紹介しましょう。ポイントは、仕事や勉強に対する「意識の向かわせ方」です。

1. 瞬間集中で集中を持続させる
茂木氏は、飽きっぽい脳の特性をうまく活用し、「瞬間集中」を繰り返すことを強くすすめています。瞬間集中とは、瞬時に集中の対象を切り替え、脳に刺激を与えるというもの。目の前の仕事に飽きて集中が失われそうなときなどは、構わず他の仕事に瞬時に移り、集中を保つようにしてみましょう。飽きたら次、飽きたら次と繰り返すことで、常に最高に集中した状態で仕事に取り組むことができます。つまり、瞬間集中によってフロー状態に何度も自分を引き込むことができるのです。

2. やると決めたらすぐやる
皆さんは始業時や昼休み後、また一区切りついたときなどに、「〇分になったら始めよう」「コーヒーを飲み終わってからやろう」と考え、取り組み始めを先延ばしにしていませんか? このように、段取りを作って仕事を後回しにすると、脳は仕事を「しなければならないもの」と感じてしまいます。実はこの意識が、脳が瞬時にフル回転する妨げとなるのだそう。「準備が整えば仕事はすぐに取り掛かれるもの」という意識を持ちましょう。そうすれば脳は瞬時にフロー状態に入りやすくなるのです。

3. タスクをすべて把握しておく
タスクの把握は、もはや社会人として常識ですね。実は、その一週間・その日やるべき仕事を把握しておくことは、集中力を強化することにも役に立ちます。瞬間集中とは、対象をひとつに絞り、ほかのことを脇に置いておくことで可能になります。その「ほかのこと」がより多いほど、「たくさんのことを脇に置いてまで、今この仕事に集中する」というプレッシャーを自分にかけることができるのです。

4. 自分で締め切りを再設定する
例えば、仕事中に上司に急に仕事を振られ、「〇日までにやっといて!」と言われたら、「自分も忙しいのに、やりたくないな」というマイナスの気持ちが生まれてしまったりしませんか? 実は、この「やりたくない」という気持ちは、瞬間集中の妨げになってしまいます。ここで効果的なのが、締め切りを自分で再設定するという方法。例えば「来週の水曜日まで」と言われた仕事なら「来週の月曜日には仕上げて提出しよう」と自分で決めるといった具合です。こうすることで、人から指示された仕事にも能動的に取り組めるようになり、瞬間集中がしやすくなるのです。

脳を休めるときの脳の使い方

ここまで、仕事や勉強に集中したいときの脳の使い方を見てきました。しかしながら、いざ集中したいときだけ脳に意識を向けても、脳が疲れていては話になりません。実際、集中するときに脳が追加で使っているエネルギーはせいぜい5%ほどで、脳が使うエネルギーの大半は、平常時の、集中しておらずぼーっとしたり休んだりしているときに消費されると言われています。そこでここでは、脳をリラックスさせる方法や、脳の過剰なエネルギー消費を抑える方法を見ていきたいと思います。

1. 日常に緩急をつける
脳をリラックスさせるためには、緊張と緩和を組み合わせることが重要です。制限時間のあるテストにぎりぎりまで取り組み続けたあと、終了と同時に一気に気が抜けるというような経験は誰しもあるのではないでしょうか。この通り、「緩和」だけではなくて「緊張」→「緩和」の流れが、脳にリラックス効果をもたらしてくれます。

例えば休みの日であれば、行ったことのない場所を訪れてみたり、普段はやらないことに挑戦してみたりするのも良いでしょう。日常の中に意識的に非日常を生み出していくことで、その後に深いリラックス効果を得られます。

2. マインドフルネス
皆さんも一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。マインドフルネスとは、禅の瞑想法を元に、宗教色を抜いて作られたもの。マインドフルネスを行うと、心を落ち着かせることができるとともに、副交感神経優位の状況を作り出し脳の過剰なエネルギー消費を抑えることもできます。

今回は、『ストレス・疲れがみるみる消える! 1分間 どこでもマインドフルネス』の著者である産業医の奥田弘美氏が勧める、どこでもできるマインドフルネスの一例をご紹介しましょう。

(1)背筋を伸ばしてイスに座る
(2)へその両側に手を置き、2~3回腹式呼吸をする。気持ちが落ち着いたら、自然な呼吸に戻す
(3)右手で右肩の先端、左手で左肩の先端を、ゆっくり、そっとつかむ
(4)心の中で「右肩を回します」と言ってから、ひじで外側に大きな円を描くように、ゆっくりと肩を回す
(5)回している間は、肩の関節や筋肉の動きに意識を集中させる
(6)5~10回程度回したら、心の中で「止めます」と言ってから、動きを止める
(7)左肩も同様に行ったら、最後は同様に両肩を回す
(8)心の中で「終わります」と言ってから、静かに終了する

(引用元:NIKKEI STYLE|職場で「瞑想ストレッチ」

マインドフルネスというと、瞑想や呼吸法だけをイメージする人が多いかもしれませんが、この方法はストレッチを絡めたマインドフルネスです。特に重要なのは、肩を回しながら、骨や皮、筋肉などの感覚に意識を向けること。こうすることで余計なことに意識が向かなくなります。短い時間で脳が休まりリラックス効果を得られるのです。

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休憩時にしっかりと脳を休ませれば、集中するべきときにフルパワーで目の前のことに取り組むことができます。なにごとにもコツがあるように、脳を働かせ方にもコツがあるのです。「集中」と「休憩」の質をうまく高め、仕事や勉強のパフォーマンスアップを目指しましょう。

(参考)
NIKKEI STYLE|職場で「瞑想ストレッチ」
DIAMOND online|茂木健一郎氏が語る「脳の特性」を使って膨大な仕事をこなす方法
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