受験の時に文理選択で悩まれた方、いませんか? そして大人になってからも「私は文系だから」「私は理系だから」と自分にレッテルを張り、特定の分野に挑戦することを避けてはいませんか? よく聞くのは「私は文系だからコンピューターが苦手」「理系だから歴史が嫌い」などです。ですが、本来人間には文系や理系というくくりはないそう。 今回は知って驚く、文系脳・理系脳のお話です。
文系・理系とは?
文系、理系というのはたとえば文学は文系で、物理学は理系などのように、学問を便宜上区別したもの。それでさえ、文系とも理系とも区別しにくい分野もたくさんあります。
この人は文系、あの人は理系と人間の能力や得意不得意を決めるためにあるのではありません。
例えば、歴史の勉強が得意で、一見文系タイプに思える人が、小学生の頃に見たドキュメンタリーに感動して獣医さんをめざす。あるいは、物理や化学が得意だけれど、世界の最前線で活躍するために英語を勉強し、その分野でも目覚ましい結果を残す。そんなことは決して珍しいことではありません。
文系脳・理系脳とは?
しかし、そうは言っても、「理科や数学が大好き」「国語は好きだけれど、数学は苦手」など、いわゆる理系的、文系的という感覚があるのは事実。ただし、これは遺伝によって決まっているようなものではありません。むしろ、主に5歳までの環境によって形成される、後天的な思考能力の傾向だそうです。一般的に「文系脳」と呼ばれる人は「開拓者的」、「理系脳」と呼ばれる人は「貢献者的」であると言えます。
開拓者は、何かを作り出す活動が非常に得意で、論理を組み立てて整合性をとっていうよりも、0から1を生み出すようなイマジネーションを必要とするような作業に長けています。
一方、貢献者型の人は、発展させる活動が非常に得意です。何かを基に発展させて新しいものを考えたり、仮定に基づいて結果がどうなるのかということを論理的に組み立てて考えたりするのが得意。
こういわれると、今まで自分を理系・文系とそれぞれ考えていた人にも疑問が生じたのではないでしょうか。 「あれ、私は法学部だけど、新しい物語を考えたりするよりは、三段論法にのっとって論理的整合性のあることを考えているほうが性にあっているぞ」とか、「私は工学部だけど、すぐ妄想しちゃって、ストーリーを考えるのがすごく得意だなあ」とか意外と自分の思っていた文理とは脳の文理が違うこともあるものです。
簡単な判別法
文系脳・理系脳を判断するための「確実な手段」はありませんが、比較的高確率で当たる簡単でユニークな方法があります。目の前で手を組んでみてください。そのとき、右手の親指が上にくれば文系脳、左手の親指が上に来れば理系脳である場合が多い、と言われています。 なぜならば、右脳はイメージや芸術、直観の処理を司り、こちらが優位な場合は数学や理科などの理系教科が得意、左脳は言語、意味などの処理理系に関わっているためこちらが発達している場合は語学や歴史が得意とされているからです。ちなみに、右脳は左半身をコントロールし、左脳は右半身をコントロールするため、右手の親指が上=左脳が発達=文系脳、といわけです。 もちろん、指の組み方だけで100%見分けられるわけではないので、あくまで参考の一つとして見ておいてください。
しかし、このテストにも一つ意味があります。 それは、自分の思い込みに風穴を開けられる、ということです。普段思っていたことと反対の結果が出たら、ぜひ疑ってみてください。今まで「文系だから」「理系だから」と切り捨てていた半分の選択肢が加われば、可能性が大きく広がることになります。たかだか受験時の科目選択ごときが、人生の幅を狭めてしまっているとしたら、それはとてももったいないですよね。 ぜひぜひ、あなた自身の新しい発見につながれば、と思います。
(参考) 理系・文系の見分け方 理系バカと文系バカ 竹内薫(PHP新書) wikipedia 文系と理系