みなさんは今、どのようなことに興味を持っていますか?
大人になってもたくさんのことに興味を持つ人がいる一方で、子どもの頃に比べてあまり物事に興味を持たなくなったという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
大人になるにつれて失くしてしまいがちな“興味を持つ=好奇心”があることによって、日々の生活を充実させることができますよ。
今回は、そんな好奇心の鍛え方についてお伝えしたいと思います。
子どもが好奇心旺盛な理由
子どもはよく、「どうして◯◯なの?」と尋ねてきますよね。純粋な子どもの“なぜなぜ攻撃”に遭って困ったことがある方はきっとたくさんいらっしゃるでしょう。大人顔負けの質問力を持つ子どもは、なぜあんなにも好奇心旺盛なのでしょうか?
アメリカの行動経済学者であるジョージ・ローウェンスタイン氏によれば、新しい情報を取り入れたことによって無知を自覚し、さらに自身の知識に空白地帯があることに気づいた時、好奇心が生まれるのだそう。「自分にはまだ知らないことがあるんだ」と分かると興味を持つようになるのです。
また、ノンフィクション作家であるイアン・レズリー氏は好奇心旺盛な子どもについて次のように述べています。
「この時期の子どもたちは、自分の気持ちを伝える方法や正しいことと悪いこと、許される行動と許されない行動といった事柄について、文化的情報の収集をしているのだ。特に重要なのは、学ぶ価値があるものとそうでないものを見きわめる方法を知ることである。」
(引用元:イアン・レズリー著,須川綾子訳(2016),『子どもは40000回質問する』,光文社)
子どもは、大人に比べてまだ知らないことも多く、自力で考えたり調べたりして答えを見出す能力も劣ります。そのため、両親や周囲の大人に尋ねることで学ぼうとするのです。
好奇心の重要性
子どもの時期だけでなく、大人になってからも好奇心は私たちにとって必要なものです。特に、仕事において重要な役割を果たします。
モバイルゲームの提供を行うLucktastic社の共同開発者であるTony Vartanian氏は、知的好奇心のある社員はそうでない社員に比べて技術の進歩や市場のニーズに伴う課題にも意欲的に取り組み成長を続けるため、チームや会社に価値をもたらすと伝えています。
確かに好奇心を持っていなければ、仕事で問題が起きたときにもその問題に興味を持ち、積極的に解決しようとする姿勢を見せる、ということは考えられませんよね。
好奇心は、自主的な行動を促すきっかけとなるため、それを持つ人はプライベートのみならず、仕事でも決められた枠にはまることなく日々の業務を改善することができるのです。
好奇心の鍛え方
では、私たちはどのようにすれば好奇心を鍛えることができるのでしょうか?
1.知らないことに対してアンテナを立てておく ローウェンスタイン氏の説に従うならば、子どもだけでなく大人も、新たな知識を取り入れることによって意識的に好奇心を生み出すことが可能です。
無知を自覚するレベルで知識を取り込むには、まず自分に馴染みのないジャンルの本を数冊読んでみると良いでしょう。また、今ではインターネットも発達しているため、簡単に知りたい情報を目にすることができます。前提知識を少し仕入れておくことによって好奇心が芽生え、それについてもっと深く学びたいと思うようになるはずです。
ビジネスにおいても、より様々なことに興味を持っている方が職場での会話のネタになったり、仕事に幅を持たせたりすることもできます。一般教養を身に付けるという点でも有効的なのです。
2.自分の興味に従って行動する よく「◯◯に興味はあるけれど、自分1人だけでする勇気はない」と言う人がいます。しかし、その気持ちをそのまま放っておいては、せっかく抱いた好奇心も薄れてしまいますよね。
たまたまそのときに興味を持って始めてみたことが、自分の人生になくてはならないものだったとあとで感じることもあるはずです。手に職をつけるという意味では今後の仕事につながることもあるでしょう。
自分がそれをやる価値があるのかどうかを考える前に、また同志がいなくとも、自分の好奇心のままに行動してみてはいかがでしょうか。 これまでよりも視野が広がり、きっと毎日が楽しくなりますよ。
(参考) イアン・レズリー著,須川綾子訳(2016),『子どもは40000回質問する』,光文社 CIO|好奇心旺盛な人材が会社にふさわしい理由(前) CIO|好奇心旺盛な人材が会社にふさわしい理由(後) PRESIDENT Online|ビジネスに生かす好奇心の鍛え方