「やる気」なんか甘え。東大生が教える、やる気がなくても勉強をスタートする方法。

勉強をしないといけないのに、なかなかやる気が出ない。

そんなことに悩んでいたりしませんか? 学生はもちろん、大人になっても何かと付きまとう“勉強”。 スキルアップのための自主的な学習や、会社から求められて外国語やその他の技能を習得しないといけないということもあるでしょう。

しかし、直接的な義務である仕事とは違い、勉強となるとなかなかやる気が出ず、気づけば後回しにしてしまっている、ということも少なくないのではないのでしょうか?

そこで今回は、だらだらしてしまう自分を退け、“勉強モード”にスパッと切り替える方法を紹介したいと思います。

どうして怠けてしまうのか

「勉強しなきゃ!」と思っていてもだらだらと過ごしてしまい、なかなか取り組むことができないという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

これは、端的に言えば「怠けている」という状況ですが、それが悪いことなのだと自覚はしていても、抜け出すのはなかなか難しいものです。

では、どうして悪いとは分かっていても上手く抜け出すことができないのでしょうか?

それには人間の脳と「やる気」のメカニズムがとても大きく関わっています。 人間の「やる気」を大きく左右するのが、脳内で分泌されるドーパミンという神経伝達物質です。このドーパミンが分泌されると、人間はやる気に満ち、積極的に行動を起こすことができるようになります。

しかし、このドーパミンを分泌する側坐核と呼ばれる部分が曲者で、実はこの部位が活性化するのは「実際に行動を起こしているとき」なのです。 例えば、スマートフォンをいじってダラダラしているときや何となく惰性でテレビを見ている間などには、この側坐核は活性化せず、ドーパミンも分泌されなくなってしまいます。そうしていつまでもやる気が出ない、ダラダラと過ごしてしまう、という悪循環に陥ってしまうのです。

何よりもまず行動を!

悪循環から抜け出すために、最も効果的なのは「とにかく動く」ということです。

「やりはじめないと、やる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は、何かをやりはじめないと活動しないので。」

(引用元:ほぼ日刊イトイ新聞-脳の気持ちになって考えてみいてください。 ~「やる気」と「脳」の話を、池谷裕二さんと。~|第五回 自分で積極的に動いたときの反応は10倍。

これは脳科学者の池谷裕二氏の言葉です。 やるためにやる気を出すのではなく、やる気を出すためにとりあえずやる。悪循環を抜けるためには、そういう考え方の転換が必要になってきます。

しかし、その最初の一歩目の「とにかくやる」ということも簡単ではありませんよね。そこで最初の「とにかくやる」は、「勉強にとりかかる」でなくても良いのです。

ここで大切になってくるのは“側坐核を活性化させること”。 そのためには、「とりあえず机に座り、教材を開く」だけでも効果があります。それだけでは物足りないのであれば「最初の数行を音読してみる」というのも、側坐核の活性化には役立ってくれるでしょう。

しかし「そんなやる気すらも出ない!」というときには、思い切って散歩に出たり、ジョギングをしたり、その場で軽くラジオ体操をしてみたり、とにかく気持ちよりも先に「身体を動かす」ということを試してみてください。

適度な運動は、側坐核の活性化に非常に効果があり、身体を動かすことで「よし、やるか」と自然とやる気も湧いてくるのです。

報酬を大切に

人間の脳がドーパミンを分泌するとき、行動と並んで重要になるもうひとつのキーワードが「報酬」です。

人間の脳は、報酬を手にしたとき、もしくはそれを手にすると“意識したとき”に報酬系が作用し、ドーパミンが分泌される働きがあります。高い報酬を意識することで、辛くて長い仕事にも耐え抜くことができるというのは、この報酬系が作用してストレスの軽減ややる気の増進が行われているからなのです。

このことを利用して、勉強の後に報酬を設定することで、勉強に取り掛かるやる気を奮い立たせることができます。

しかし、このとき注意すべきは、人間は「高すぎる目標」や「困難過ぎる仕事」に対してはやる気を失いやすいということ。 例えば、いきなり「5時間集中する!」、「この1冊を今日中に終わらせる」なんて目標を立てたところで、やる気なんて湧いてくるはずがありません。

そのため、まずは「とりあえず30分集中したらおやつを食べよう」、「とりあえず20ページ進んだら休憩にしよう」など、簡単に達成できる目標を立て、報酬を強く意識するのが重要です。

そうすることで、勉強にとりかかるモチベーションはグッとアップしてくれるのです。

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音楽もドーパミンを出す

それでもなかなかやる気が湧いてこない、という人はやる気のための最終兵器、音楽を試してみてください。

カナダ・マギル大学の研究チームの発表では、音楽にはドーパミンを大量に分泌させる働きがあることが明らかにされています。つまり、音楽は聴くだけでやる気を奮わせる、いわば「起爆剤」になってくれるのです。

また、同研究においては、音楽を聴いているときだけではなく、音楽を聴く期待感だけでもドーパミンの分泌が行われたことが分かっています。

その性質を利用すれば「音楽を聴きながら勉強する」という風にセットで習慣にすることで、勉強を始めるときに上手にやる気を引き出すことができるようになるのです。

好きな音楽を聴くついでに、ちょっと勉強でもしてやるか。 そんな感じで一度手を付けてみれば、側坐核が活性化してみるみるうちにやる気が湧いてくるでしょう。

*** 勉強は続けるよりも、実は取り掛かることの方が難しいかもしれません。脳の役割と上手に付き合い、スパッと切り替えて勉強できる人間になりましょう。

(参考) AFP BB NEWS|好きな音楽にワクワクする原因はドーパミン、カナダ研究 Wikipedia|ドーパミン Wikipedia│報酬系 THE 21 ONLINE|脳科学から見えてきた! やる気を高める4つの方法 ほぼ日刊イトイ新聞-脳の気持ちになって考えてみいてください。 ~「やる気」と「脳」の話を、池谷裕二さんと。~|第五回 自分で積極的に動いたときの反応は10倍。

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