みなさんは、初めて誰かと会う時、第一印象を良く見せようと服装を整えたり表情を作ったりしたことがおそらくあるのではないでしょうか。
ビジネスであれば就職活動などにおける面接や、プライベートなら恋人の両親に初めて会うときのように、自分が評価されるシチュエーションでは特に、相手の目に映る自分の第一印象が気になるもの。そして、そういう場面で第一印象を良く見せることに失敗してしまうのは誰にでもあることだと思います。
しかし、第一印象を良く見せられなかったからといって、今後の相手との関係を悲観する必要は全くありません。今回は、第一印象だけでなく総合的に相手に良い印象を持ってもらうための方法について、お伝えしたいと思います。
第一印象だけでなく「第二印象」「第三印象」もチェックしよう
私たちはしばしば、自分や相手の第一印象のみにとらわれてしまいがちですが、実は第一印象だけでなく第二印象や第三印象といったものも存在します。それぞれ、意味は次のとおりです。
第一印象:相手を初めて見た時に、その見た目などの視覚情報から受ける印象。 第二印象:第一印象を受けた後、実際に話をしたりすることで感じた印象。 第三印象:ある程度の月日をかけて形成される、主に相手の内面についての総合的な印象。
第一印象を磨くことはもちろん大切です。しかし、第一印象は一瞬で決まってしまうが故に、相手に良い印象を与えることができないという失敗も起きやすくなります。緊張していたり体調が悪かったりするだけでも、自分の与えたいイメージとは異なる自分を印象付けてしまうことがありますし、相手の価値観が自分のものとは違うという自分ではコントロールできないことによっても、相手に与える第一印象は容易に崩れてしまうのです。
例えば、ある営業パーソンが初めての顧客に営業するとき、爽やかなイメージを相手にもってもらおうとして明るい色のスーツで営業に臨むことがあるでしょう。しかし相手は、それまでに接客や営業を受けた経験から、落ち着いた色のスーツを着ていた男性が好感の持てる営業をしてくれたことを思い出し、目の前の営業パーソンに対して、より派手な印象を抱いてしまう、ということがあります。明るいイメージを与えるつもりが、逆に浮ついた印象を与えてしまったのです。
このように第一印象の形成に失敗してしまった時に自分のイメージを挽回できる可能性をもたらすものが、第二印象や第三印象なのです。
「第二印象」を磨くには
トータルイメージコンサルタントであり、イメージコンサルティングやビジネスマナー研修を手掛けるCarpe Diem代表の西松眞子氏によると、ビジネスパーソンは瞬間的な好感度を上げることよりも、その場だけでは終わらない人間関係を構築することの方がより大切であるのだそう。
確かに仕事においては、最初の印象が良かったとしても、もしその後で悪い印象を相手に与えてしまったら、信頼関係を築いていくことが難しくなってしまいますよね。最初の印象が悪すぎると、信頼関係構築の糸口しかつかめないかもしれませんが、それでも強烈な印象で入り口を作っても結局長続きしないのであればロスも大きいものです。その意味では、長く続けられない関係性ならそもそも最初の印象で「つかむ」こと自体が無駄なのかもしれませんね。
初対面の相手と話す時、パッと見で好印象を与えることに成功しても、会話の中で的外れな受け答えしかできなかったら、自分の評価を下げてしまうことになります。このように第一印象よりもむしろ第二印象の方が侮れないということもあるのです。
では、第二印象を良く見せるためにはどうすれば良いのでしょうか。これについて西松氏は、「自分をどう見せるか」よりも「相手がどう感じるか」に従って行動すると、第二印象を上手く形成することができると言います。
例えば、相手の会話に興味があることを示すために「話す時・聞く時には相手の顔をきちんと見る」「相手の質問に対しポイントを絞って簡潔に答える」、相手に渡すメモや書類では「とめ・はね・はらいがきちんとなされた文字を書く」、といったことなどに注意を向けてみましょう。そうすれば、たとえ第一印象でネガティブなイメージを持たれていたとしても第二印象で挽回できるはずです。
「第三印象」を磨くには
経営コンサルタントである横山信弘氏は、第一印象や第二印象はしょせん「点」の印象にすぎず、「線」の印象である第三印象が最終的には重要だと言います。
つまり、第一印象や第二印象が悪くても、第三印象で挽回することが可能だということ。むしろ第一印象や第二印象が悪い方が、ギャップ効果によって第三印象が高まることもあるのです。
例として、第一印象は地味で、会話で何か質問してみてもボソボソとしか答えないような人がいたとしましょう。第二印象までは全く良い印象がありませんよね。しかし、長期的に一緒に仕事をしてみると、実は誰よりも影で努力している人だということが分かりました。そういった人の場合、「表面的なやり取りは苦手なのかもしれないけれど、誠実に仕事をする人だから見習おう」というように、プラスの印象を周囲に与えることができているのです。
逆に気をつけたいのは、第一印象も第二印象も良いけれど第三印象がダメなパターンの人です。これは評価が著しく下がる可能性があるため注意しましょう。
*** 第一印象に自信がない方でも、第二印象や第三印象次第で、与えたい自己イメージを取り戻すことは十分に可能です。みなさんも、総合的な印象がプラスになるように、自分の行動をチェックしてみてください。
(参考) DIAMOND online|転職は「第一印象で決まる」わけではなかった 面接結果は「第二印象」で8割決まる! NIKKEI STYLE|出世ナビ|第一印象で失敗しても挽回可能 「第二印象」で相手の心をつかむ 未来電子テクノロジー|好感度UP! 第二印象でギャップを作って強烈に印象を与える Yahoo! ニュース|第一印象が悪い人は、「第三印象」をよくしよう!