テストで思ったような結果が出ないと、皆さん落ち込みますよね。勉強量が足りなかったと自覚しているのなら、さほどショックではないかもしれません。しかし、できる限りのことはやってきたのに結果が出なかった、となると話は別。自分の勉強法は間違っているのでは? もっと効率のいいやり方があるのでは? と不安になってしまいます。今日はそんな悩みを抱えている人たちに、とっておきの勉強法をご紹介します。
勉強は段取り八分
皆さんは「段取り八分」という言葉をご存知でしょうか? 事前の段取りが終われば仕事の8割は終了したも同然である、ということを表し、仕事における計画の重要性を説く際にしばしば用いられます。この言葉は、勉強においてもそのまま当てはまるのです。段取りがしっかりしていないまま、がむしゃらに勉強しても成績は思ったように伸びません。
なぜ段取りをする必要があるのでしょうか? それは、時間は目には見えないからです。勉強をしているとついつい、目先のことに精一杯になってしまいがちです。しかし、本当に重要なのは、試験当日までに一定の水準に達すること。時間を自分で管理する癖をつけなければ、目に見えない時間は私たちの意識からこぼれ落ちてしまいます。最終ゴールを設定し、そこに到達するまでの道筋を明確にすることで、気づいたら時間が足りなくなっていた、という状況を防ぐことができるのです。
パーフェクトな段取りのためのスケジュール管理法
では、十分な段取りのためには、どうすればよいのでしょうか。京大生である筆者が、受験生の時徹底して行っていたスケジュール管理の方法があります。それはとても単純なもので、意識すれば誰にでも実行できる内容です。
1)ゴールを設定する 2)ノルマを設定する 3)時間を分配する 4)実行する 5)修正する
このたった5段階をひたすら繰り返すことで、勉強ができるようになり、京大合格を勝ち取ったのです。具体例を交えながら各ステップを見ていきましょう。
1)ゴールを設定する
まずは達成したいゴールを決めます。 例えば、ある教科について今まで習った範囲の復習を4ヶ月間で終わらせる、というゴールにしましょう。
2)ノルマを設定する
ゴールを決めたら、それを達成するために踏まなければならないステップに分解します。この際に気をつけることは、ゴールまでにやるべきことをなるべく細かく分解し、ステップごとに必要な期間を想定することです。 例えば、教科書で16章分を習ったとします。それを、4月から7月までの4ヶ月間で割ると1ヶ月あたり4章のペース、さらに4週間で割ると1週間で1章分復習すればいいことになります。このようにしてできた「1週間で1章分ずつ復習する」という目標をノルマと呼びます。ここから先は、毎週このノルマをクリアすることを目指します。
3)時間を配分する
次に、ノルマを達成するために必要になる時間を考えます。 1章復習するのに必要な時間が仮に5時間だとしたら、1週間のうちにその5時間を捻出しなくてはなりません。1週間のうちには他にもやるべきことはありますから、優先順位をつけ、不必要なものがあれば徹底して削ります。この時間配分を怠ると、いくらノルマを設定してあっても意味がありません。限られた時間を有効活用するために、無駄なことがあれば勇気を持ってそぎ落としましょう。
4)実行する
確保した時間内にノルマを達成するべく、ひたすら勉強します。 勉強しなくてはならない、となると、無計画にいきなり実行にかかる人もいるかと思います。しかしそんな勉強はナンセンス。なぜなら、それはゴールの不明確な勉強だからです。ゴールが見えているか見えていないかで、勉強効率には差が出てきます。1章分の復習に5時間かかることを見込んでいなかったら、1週間で1章分の復習が終わらないかもしれません。すると、1ヶ月で4章分の復習が終わらず、結果としてゴールが達成できない可能性があるのです。
5)修正する
1~3で立てたスケジュールの合間に、まとめの問題などを解いて成果を測定します。その成果が良くなければ、計画の立て直しを行いましょう。この段階で落ち込む必要はまったくありません。そこまでの勉強の何がいけなかったのかを分析する機会を得たからです。最初に立てたスケジュールの通りにいかないからといって心配しすぎることなく、その後の計画に及ぶ影響も踏まえながら、スケジュールの見直しを行いましょう。
以上の5段階のうち最も重要なのは、2のノルマの設定です。こなさなければならないノルマを基準に、必要な勉強時間を設定することが大切です。「~時間勉強したから今日は頑張った」という錯覚には、決して陥らないようにしましょう。
この勉強法は、受験や定期テストに向けた勉強だけでなく、大学入学後にも大いに使える方法です。学生時代に身につけておけば、社会人になってからのスケジュール管理にも活用することが可能。勉強するなら、将来に活きる方法で勉強したほうがいいですよね。
*** ここまで読んでいただいて、当たり前すぎて拍子抜けしてしまった、という方もいるかもしれません。しかし、自分自身を振り返ってみてください。この当たり前のことがきちんとできているでしょうか? この記事が、あなたの勉強法を見直すきっかけになれば幸いです。
(参考) 望月実 著(2008),『問題は「数字センス」で8割解決する』,技術評論社.