未完成は可能性! LinkedIn 創業者に学ぶ、永遠のβ版という "生き方" のルール

ITやインターネットをはじめとするテクノロジーの変化には凄まじいものがありますね。刻一刻と変わるビジネスの世界に生きるビジネスパーソンは、技術や環境の変化に合わせ、自分自身も成長し変化していく必要があります。ではどのようにすれば、時代の流れとともに自分自身を進化させることができるのでしょうか。ニュースや本で知識を得るだけで、果たして十分と言えるのでしょうか。

世界中に新たなテクノロジーを発信し続けるシリコンバレーでは、計画通りに物事が進むことなど何ひとつないと言われています。つまり、その時その時生じる変化に応じて、ビジネスはしなやかに形を変えながら進めていかなければならないということ。

シリコンバレー発、ビジネスに特化したSNS「LinkedIn(リンクトイン)」の創業者で会長のリード・ホフマン氏によると、ITの世界だけでなく、自分のキャリアについても、いつまでも変化しつづける「永遠のベータ版(未完成品)」ととらえることが大切だそうです。

「様々な人と交流することで、自分の強みを再確認すると同時に、自分に足りない要素や成長の余地も見えてきて、自分がまだまだ未完成であることに気づくはず。なぜなら私たち起業家には『完成』は禁句なのですから。むしろ私たちは永遠に未完成のβ版でなくてはなりません。自分自身を『永遠のβ版』と位置づけ、常に動き、学び、成長し続けるべきなのです」

(引用元:リード・ホフマン著,ベン・カスノーカ著,伊藤穣一序文,有賀裕子訳(2012)『スタートアップ! シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣』,日経BP社.)

では、自分自身を「永遠のβ版」として考えるためのフレームワークを、ホフマン氏に学びながら見ていきましょう。

大志、資産、市場環境の3つのバランスをとる

ホフマン氏によれば、自分の強みを活かすうえで重要になるのは、大志(ビジョン)、資産(現金のようなハードの資産と、スキルのようなソフトの資産)、市場環境(周囲が求めているもの)だそうです。この3つが備わっているかどうか、これらがいかに充実しているかよって、自分の競争力が決まります。

自分にとって、この3つとは何かを常に考えましょう。欠けているものがあれば補ってください。3つの間でバランスを取りながら、自分という資産に投資をすれば、自身の価値が高まり、チャンスが広がります。

ABZプランニングで柔軟に

「失敗は許されない」はもう古いのです。リスクをとって挑戦し、違ったら戦略を変更する柔軟さが欠かせません。

ホフマン氏は、ビジネスを成功させるために大切な柔軟さを「ABZプランニング」によって確保することを提唱しています。

Aは現段階でベストだと思われるプラン。BはAのプランがつまづいた場合やAよりすぐれた方法が見つかった場合に切り替えるプラン。Zは保険的なプランで、いざという時のためのものです。ホフマン氏に当てはめてみると、オックスフォード大学への進学がAプラン。Appleで働き始めたのがBプラン。そして、Zプランについては「いざとなったら両親の家に住まわせてもらって次の手を練ろう、というZプランがあった」のだそう。

ホフマン氏は、キャリアでもビジネスと同様に考えるべきだといいます。つまり、たとえ失敗したとしても、再起不能という最悪のケースに陥ってしまわないために、ABZプランニングによって逃げ道を考えておくのです。自分自身を追い込まないこと。それが、今目の前に取り組んでいることに集中するためのカギになります。

人脈作り

ホフマン氏がLinkedInというビジネスに特化したSNSを作ろうと発想したのは、ビジネスで出会ったプロフェッショナルな人脈がきっかけで、問題を解決することができたという経験があったからです。

ホフマン氏はLinkedInを立ち上げる前、AプランとしてSocial NetというSNSを始めたものの業績不振によりサービス停止、その後Bプランとして電子マネー送信サービスのPaypalに参画し、重要な職務を担当しました。当時のことを、ホフマン氏は次のように語ります。

「この時期に痛感したのが、人脈の重要性です。理念や志を共有し、強い絆で結ばれた人脈はもちろん、必要な時に的確なアドバイスや情報、スキルを提供してくれるプロフェッショナルな人脈に、私は何度助けられたか知れません」

(引用元:日経Bizアカデミー|「永遠のβ版」として生きようLinkedIn 共同創業者兼会長 リード・ホフマン氏(上)

実は、アメリカ人の70%は知人を介して配偶者と出会い、転職先は、よく会う友人からより「たまにしか会わない」友人から紹介される方が多いのだそうです。毎日会う親密な関係にないからといって、ビジネスでの人脈をおろそかにしてはいけないのだということが分かりますね。

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リスクに向き合う

ホフマン氏は、リスクに対して次のように考えているといいます。人はリスクを大きめに見積もるので、不確実性とリスクを混同してはいけない。先行きが不確実だからといって、必ずしもリスクが大きいとは限らない。このように他の人がリスクを誤解しているのだから、自分はそのチャンスを追い求めればよいのだ、と。

ホフマン氏は、アメリカの名高い投資家ウォーレン・バフェット氏が「みんながどん欲になっている時は臆病になり、臆病なときはどん欲であれ」を持論にしていることにも言及しています。これは、周囲が考えるよりはリスクが低く、しかも大きな見返りが期待できる機会を追求するべきだということです。

最近の例では、2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩氏も、失敗というリスクがあったとしても、それは経験の一端にすぎないのだと、ポジティブにとらえています。

「失敗を恐れるのではなく、条件を変えたらどんな結果が得られるのかを楽しめばよい」 (中略) 「<不可能>はうまくいかない人の<言い訳>だったりする。まだ試していない条件は何か粘って探せばよい」

(引用元:The Huffington Post Japan|天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

*** いつまでも成長し続ける「永遠のβ版」であるためには、挑戦を喜ぶ姿勢を大切にし、失敗をしても粘り強くあきらめず、すこしずつ自信をつけることが必要です。計画がうまくいかないからといって落ち込むのではなく、問題が見つかったら、その都度、ピボット(転換)していけばいいんですから。

さああなたのβ(ベータ)を楽しみましょう!

(参考) リード・ホフマン著,ベン・カスノーカ著,伊藤穣一序文,有賀裕子訳(2012)『スタートアップ! シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣』,日経BP社. 日経Bizアカデミー|「永遠のβ版」として生きようLinkedIn 共同創業者兼会長 リード・ホフマン氏(上) The Huffington Post Japan|天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

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