大人の知性は言葉に宿る。語彙力獲得のための3つの提案。

『感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化』 先日(2016年5月5日)、こんな記事がYahoo!ニュースにあがりました。記事は、最近の若者の言葉に起きている異変を紹介するもので、代表的な言葉について以下のように説明しています。

『びびる』という心情表現は、『驚く』『すくみ上がる』『萎縮する』『恐れる』など、他の言葉でさまざまに言い換えられる。だがそれをすべて『びびる』で済ませてしまう子が多い (中略) 「煩わしい」「不快」「つらい」「げんなりする」などはすべて「キモい」で済ませ、「すごい」「面白い」「すてき」「感動した」は大抵「ヤバい」で片付ける。

(引用元:Yahoo!ニュース|感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化

確かにこれらの3つの言葉は世間でよく耳にするし、ともすれば自分自身が頻繁に使っていたりもします。たったの三文字で様々な意味合いを表せるからこそ、便利でつい使ってしまうのでしょう。

これほどまでに極端でなくとも、ふとした時に語彙の少なさを感じることはありませんか? こういう感情、どうやって表すのだろう、うまい表現が思いつかない……。などという経験をしたことがある人は少なくないはずです。

今回は、深刻な語彙力低下の問題を受けて、語彙力を高める3つの方法を紹介します。

語彙力を高める方法1, 読書をする

語彙力低下の一因としてあげられるのが、読書量の低下です。

下記のグラフは、全国16歳以上の男女を対象に行われた文化庁の調査に基づくものです。これを見ると分かる通り、国民全体の読書量は低下傾向にあると言えるでしょう。

dokusho (画像引用元:社会実情データ図録|国民の読書量

本来「書」とは出版物であり、そこに書かれている文章は公的なものです。出版物の中には、冒頭であげたような「ウザい」「キモい」「ヤバい」などという言わば若者の俗語的表現は、日常生活の中ほど存在しません。そのかわり、本来これら俗語に対応すべき適切な表現がのっているのです。

つまり、普段から本を読んで正しい表現力を身につけておくことで、「ヤバい」という言葉が使いたくなるような状況において適切な表現ができるようになるでしょう。

いわゆる「読書」をする時間がない人は、朝や夜などの少しの時間を使って新聞に目を通すだけでも構いません。公的に書かれた活字に触れることが、語彙力を増やすための第一歩なのです。

語彙力を高める方法2, 日記をつける

さて、本や新聞を読んで活字に触れ表現を学んだところで、アウトプットをしなければ真に何かを学んだということにはなりません。

そこで役に立つのが日記です。

はじめは「今日の仕事はヤバかった」と書きたくなるかと思いますが、「ヤバい」の他の言い方を探してみましょう。例えば「今日の仕事は骨が折れた」に言い換えるだけで、またひとつ新たな語彙を獲得しましたね。

日記は、かならず毎日つけられる上に、日常的によく使われる言葉が頻繁に出てくるので、語彙力を増やすためのトレーニングにはもってこいでしょう。

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語彙力を高める方法3, 自分のコミュニティーの範囲を広げる

「キモい」「ウザい」「ヤバい」がよく使われるのは、自分が所属するコミュニティー内だけでしょう。これら3つの言葉に絞らずとも、語彙力の低下を促す俗語的な言葉が使われるのはあくまで自分が所属している狭いコミュニティーの内側になります。

そのため、語彙力の貧困に歯止めをかけるには、公的な言葉や適切な単語を使わなくてはならない空間に自らを配置してみることが有効です。

学校であれば「いつメン」だけでなく先生や先輩と会話をしてみたり、社会人であれば同期や部署内だけの狭い空間にいるのではなく、時には上司にランチをお願いしたり、会社帰りに仕事以外の別のコミュニティーに足を運んでみたり。その機会はいくらでもあると思います。

背筋を伸ばさなくてはならない空間にいれば、おのずと使う言葉も変わってくる上に、新たな語彙力を獲得することも可能なのです。

また自分よりも年上の人や知識の豊富な人が集まる場所にいけば、教養を深めることもでき、まさに一石二鳥です。

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スマートフォンの登場やSNS産業の隆盛によって、一個人を形成する空間が非常に閉鎖的になってきました。 そのような空間で日常生活の多くを過ごすことが、語彙力の低下に拍車をかけているわけです。 時代を逆行するようにも思えますが、こんな時代だからこそ読書をして日記を書き、ネットワーク上ではなく現実世界でのオープンな空間に足を運びたいものです。

<参考> Yahoo!ニュース|感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化 文化庁|平成 25 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要 社会実情データ図録|国民の読書量  青山ハッピー研究所|第383回 日記を書いていますか?

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