みなさんは、自分がやらなければならないことをきちんと全て把握できているでしょうか。うっかり忘れてしまっていることはありませんか。新入社員であれば特に、慣れない仕事だらけであたふたしてしまうかもしれませんね。
仕事に追われていると、何がどこまで進んでいてそれをいつまでに終わらせなければならないのか、頭が混乱してしまう方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。ビジネスでは基本的に過程よりも結果が重視されます。効率的に結果を出していくためには、急な要件にも迅速に対応して自分のタスクを着実にこなすことが大切。そこで今回は、タスクが増えてもきちんと管理できる方法についてお伝えしたいと思います。
タスク管理がうまくいかない原因
まずは、どうしてタスク管理がうまくいかないのかを考えてみましょう。もしかすると、最初はしっかり把握できていたのに、頼まれた仕事が増えるうちに管理しきれなくなってしまったのかもしれません。もしくは、各タスクをこなすのにかかる時間を面倒くさがって計算せず無計画になってしまったということも考えられます。急な予定が入って対応しなければならないことだってありますよね。
ビジネスパーソンならば、自身の管理不足で仕事を遅らせてしまうと、仕事能力が低いということを自ら示してしまうことにもつながりかねません。そこで、タスクを上手に管理するコツとして「GTD」という方法をご紹介します。
「GTD」とはなにか
「GTD」は「Getting Things Done」の略であり、生産性向上コンサルタントであるデビッド・アレン氏が提唱したタスク管理の方法です。具体的には、次の5つのステップから成ります。
1. 把握する:新たに請け負ったりたまっていたりする仕事や、気になること全てをメモします。 2. 見極める:メモしたことについて、やる必要があることなのかどうかを判断します。2分以内でできそうなことは今すぐ取り掛かり、そうでないものは他の人に頼むか自分のやることリストに加えましょう。 3. 整理する:PCで作業が必要なもの、電話する必要があるものなど行動ごとにタスクを分類します。 4. 更新する:やることリストを確認し、行動の優先順位を考えます。 5. 選択する:今の状況で何ができそうか、次に取るべき行動をリストから選択して取り掛かります。
これらの手順を踏めば、誰でも簡単にたくさんのタスクを管理することができます。メモを残しておけばタスクを常に頭の中で覚えておく必要もないため、やるべき作業だけに集中することが可能となるのです。さらに緊急の用事が入った時も、「GTD」を実践していたならば多忙を極める中でも焦らず冷静に対処できるでしょう。
「GTD」を実践する
では、私たちは実際どのようにして「GTD」を実践すれば良いのでしょうか。多くのタスクを抱えたビジネスパーソンを具体例に挙げて考えてみましょう。
まずは「把握」です。例えば、自分が今請け負っている仕事として、 ・上司に〇〇の確認を取る ・来週の会議で使用する資料を作る ・取引先に打ち合わせのアポイントメントを取る ・新規プロジェクトの企画書を作成する ・△△について分からないことがあるため他の部署に連絡をする の5つが見つかり、それらをメモにリストアップしたとします。
次にリストアップした仕事内容を見極めましょう。2分以内にできそうなことは「上司に〇〇の確認を取る」です。最初にそれを行い、残りは整理するべき項目に回します。
それから、必要な作業ごとに残りの4つを分類しなければなりません。4つの作業のうちPCが必要なのは「来週の会議で使用する資料を作る」と「新規プロジェクトの企画書を作成する」、そして電話が必要なのは「取引先に打ち合わせのアポイントメントを取る」と「△△について分からないことがあるため他の部署に連絡をする」です。
仕事の優先順位を考えてみると、取引先との打ち合わせは日程を調整しなければならず、一緒に参加する上司や同僚への迅速な連絡が必要であることが分かりました。そうすると、個人でできるPC作業よりも電話の方が優先順位は高くなります。
またしばらくして、分からないことに関する他の部署への連絡は後輩に頼めることになりました。リストを更新したところ、電話をする必要がある2つの仕事のうち「取引先に打ち合わせのアポイントメントを取る」がより優先度が高いタスクとなります。
また新しい仕事が入れば適宜リストを見て優先順位を再考する必要はありますが、基本的にはこれで「GTD」を用いたタスク管理は終了です。優先順位の高いものから、作業に取り掛かっていきましょう。
「GTD」実践に役立つツール
私たちが「GTD」を実践するにあたって、その助けとなるツールも一緒にご紹介します。ぜひオススメしたいのが、通称「RTM」と呼ばれる、かわいい牛のマークが目印の「Remember The Milk」というタスク管理ツールです。
1Strategy社のエンジニアであるDoug Ireton氏によれば、Remember The Milkは「GTD」を実践するために必要とされる特徴を兼ね備えているのだそう。やるべきことをリストアップする、他の人とタスクを共有するなど機能はシンプルですが、タスクを細分化して作業に取り掛かりやすくしたり、期限を設定したり、またタグを付けてグループ化したりと自由度が高いため、予定変更の多いビジネスパーソンにはうってつけです。一度使用してみてはいかがでしょうか。
*** みなさんも、これまで煩わしく感じていたタスク管理の対処法として「GTD」を試してみてください。きっとタスク管理が楽しくなりますよ。
(参考) GTD Japan|GTD®とは ITmedia エンタープライズ|提唱者デビッド・アレンさんに聞く、GTD実践法 PRESIDENT Online|「長時間労働」解決の決め手!「仕事の整理術」とは何か 日経Bizアカデミー|第3回 なぜ、あの人は仕事を抱え込むのか Remember The Milk|TOP Stuff the monkey says|Guest Post: Advanced GTD with Remember The Milk