一冊の手帳で身につける「考えるクセ」

新しい企画を考えなければいけなかったり、ミーティングで意見を出す必要があったり、誰しも思考力が必要とされる場面に立つことはありますよね。しかし、そんな時にいつも無難な意見にまとまってしまう……、と悩んではいませんか? 突然何か考えようとしても、なかなかいいアイディアは生まれません。日頃から考える力を育ててこそ、そういった場面でも独自のアイディアを編み出すことができるのです。

そのために重要なのが「考えるクセ」。今回は、考えるクセとはそもそも何か、そして考えるクセを身につけるにはどうしたらいいのかをご紹介します。

「考えるクセ」はこんなに役立つ!

「考える」とは、単純に難しいことを理解したり記憶しているものを持ち出してきたりするだけのものではありません。それらの要素を組み合わせて新しいものを生み出してこそ、考える意味があるのです。そのためには、日頃から考えるクセをつけておくことが必要。考えるクセがないと、いざ思考力が必要とされてもその場しのぎな提案しかできないのです。

例えば、自分なりに計画したはずなのに全然思い通りに仕事が進まなかった、気が付いた時には期限ギリギリで周りの人に迷惑をかけてしまった、といった経験はありませんか? 考えるクセがないと、自分の作業効率が落ちてしまうことはもちろん、周りの人にも迷惑をかけてしまいかねません。

考えるクセを身につければ、マニュアルにない部分でも合理的に判断でき、周りの人から「場当たり的に行動する人だ」などと低く評価されてしまうことがなくなります。

考えるクセは、仕事において大いに役立つものなのです。では、実際に考えるクセを養うにはどうしたらいいのでしょうか。実は、あるものを携帯するだけで考えるクセは身につけられることができます。

考えるクセを身につけるには、一冊の手帳を持ち歩こう

考えるクセを身につけたいのなら、手帳を持ち歩くことが効果的です。具体的には、以下のようなメリットがあります。

・手で書くことによって脳が活性化される 日本語には漢字やひらがななど多くの種類の文字があります。さらにトメやハネといった細かい決まりもあり、文字を書く際にはとても繊細な動きが必要。そういった指先の細かな動きをするには、脳もすごく集中するため、活性化されるのです。

・アイディアが思いついたときにすぐにメモできる せっかくいいアイディアが思いついたのにメモを取ろうとした時には忘れてしまっていた、なんて経験はありませんか? いざ脳が活性化したとしても、その能力が生かせなければムダになってしまいます。普段から手帳を持ち歩いておけばすぐに書き込めて、生まれたアイディアを失ってしまうことはありません。

・やるべきことを覚えておかなくていい やるべきことを忘れてしまうと、仕事にも悪影響ですよね。その分「覚えておかなければ」と脳を使ってしまい、アイディアをねったり考えたりすることに割けるエネルギーが少なくなってしまいます。手帳があればToDoリストも作れますし、手帳を持ち歩けばその分脳を自由に使えるのです。

以上の理由から、考えるクセを養うのなら手帳を持ち歩くことが最も効果的だといえます。では次に、具体的な手帳の活用法を見てみましょう。

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手帳の活用術

1. 3週間先読みして予定を書き込む これは、打ち合わせや企画書の期限など「あらかじめ決められたもの」から3週間先までの予定を書き込む、ということです。先の予定まで見越して手帳に書き込むと、その分先読みしなくてはいけません。この先読みが、「考えるクセ」を身につけることに大いに役立つのです。

例えば、取引先に納品しないといけない商品があったとしましょう。その場合、ほとんどの方が納品期限をメモしますよね。しかし実際の仕事では、納品して終わりということはないのではないでしょうか。お客様に評判を確認したり、上司に報告したり、結果をまとめて書類作成したり……。そういったものを先読みして手帳に書き込むのです。項目を並べるだけでなく、日程もきちんと設定するのがポイントです。

2. 各タスクにかかるであろう時間の見積もりを出す ToDoリストを作成している方は多いかと思いますが、その際はぜひ、各タスクを書き並べた横に「かかるであろう時間」を書き込んでみてください。

例えば、企画書を作らなくてはいけないとしましょう。まずコンセプトやターゲットを決め、顧客のニーズを調査し、実施するサービスを確定し、競合を調べ、類似しているサービスとの差別化を図り、さらにそれを相手に伝わるよう文字に起こし……、と数多くの手順を踏む必要があります。

かかる時間を割り出すには、タスクを細分化しなくてはいけません。「企画書を作るのにかかる時間は?」と聞かれてもなかなか分かりませんが、細かい要素に分けて取り組めば時間の予測もしやすいでしょう。この「ざっくり」ではなく「詳細に」捉えるのが、まさに「考える」ということなのです。

「かかるであろう時間」の隣に「実際にかかった時間」を書き込むとより効果的。その差を分析することで、どの部分に時間がかかっているのかが明確になり、自分がタスクをこなす上での改善点が浮かび上がってきます。こうやって仮説・検証・修正を続けていくことで、だんだんと考えるクセがついていくのです。

3. 疑問に思ったことは即座にメモする 考えて思いついたアイディアはもちろん、疑問に思ったこともメモするようにしましょう。日々の些細な疑問でもかまいません。

疑問があるということは、そこにアイディアのヒントが隠れているということ。他にも不便に感じることや少しひっかかることなどがあったら、まとまっていなくて大丈夫なので、即座にメモをとるクセをつけてください。その小さな習慣が、やがて大きなアイディアへとつながります。

*** 考えるクセを身につければ、仕事はもちろん、生活面もより豊かにすることができます。早速一冊の手帳を持ち運び、考えるクセを養いましょう!

(参考) 伊庭正康著(2016),『会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン』,すばる舎. Yahoo!JAPANニュース|2分で「悩む習慣」を捨て、「考える習慣」を手に入れる方法 就活SWOT|本質を考える癖をつける…「なぜ」を繰り返して身に付ける 論理的思考 DIAMOND男の健康|マニュアルが何もできない――「自分で考える」力のない人々

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