仕事に、人間関係に、不満はありますか?
きっと、多くの人がYESと答えるはずです。
あの上司、いつも俺にばっかりコピー頼んできやがって… 最近彼女が、いちいち細かいことばかり指摘してくる…
こんな時、言いたくなるのが「グチ」です。 飲みの席でも、昼休みでも。何かとグチっている人、いますよね。
でも、ご存知でしたか? グチにも良いグチと悪いグチがあること……。
今日は、そんなグチについて書かれた、原祐美子さんの「グチの教科書」をご紹介します。
『グチの教科書』
原 祐美子著 マイナビ 2015年
「良いグチ」と「悪いグチ」があった?
まず著者の原さんは、「グチには良いものも悪いものもある」と語ります。
グチは「言ってもしかたがないこと」です。「グチが多い人」といってイメージするのは、ネガティブなオーラをまとって自分では解決できないこと、自分には関係ないこと、過去にすぎてしまったことについて何度も何度も言う人ではないでしょうか。(中略)「酒は百薬の長」という言葉があります。グチもお酒と同じく適度であれば効用があります。(中略)また、言葉に出すことで、問題点が見えたり、次への行動につながったりすることもあります。
(引用元:原祐美子|グチの教科書)
現代社会は、ストレスであふれています。グチを言ってしまうのは、仕方のないことです。 でも、言い過ぎたり、言い方が悪くなると、モチベーションを下げ、周りにも悪影響を及ぼしてしまうんだとか。
まず、悪いグチにはどんなものがあるのか。そして、その悪いグチをどう良いものに変えていくのか。そんな方法をこの本では紹介しています。
原さんの紹介する「悪いグチ」、一体どんなものがあるのか。 少し見てみましょう。
未来についてグチるのはやめよう
未来についてのグチは、当たり前ながら起きていないことについてです。「あー。明日、月曜日か。嫌だなあ。またきっと〜〜なんだろうな」、「20年後、俺はダメかもしれないな」というグチが出てしまったら、「そうだ。起きてもいないことで悩む必要はないな」とすぐに気づいてください。
(引用元:同上)
将来に対する不安は、誰しも抱えてしまうもの。でもその不安、起こるかどうかわかりませんよね。もし確実に起こるとしても、その時にしっかり対処すればいいだけの話なのです。どうしようもないことを嘆いても、何も始まらないのかも。
「いつも…」ってそれは本当?
「いつも冷酷だ」といえば未来も「冷酷」であることを暗示します。「いつも……」と言ってしまったら、「それは本当?」と自問してみてください。きっと「いつも」とは言い切れないはず。
(引用元:同上)
「だっていっつも◯◯なんだもん!」 これもよく聞くグチのひとつですね。いやいや、「いつも」ってあなた、本当にそれ「いつも」なんですか?ひょっとして、自分の中で言い訳をつくっているだけなのでは?ちょっと耳が痛くなる内容ですね。
ネガティブなグチをポジティブに変えるコツ
では一体、どうやってグチを良いものに変えていけばいいのでしょう。 原さんの方策を見てみましょう。
認識を変える
念願だった大企業に行けず、中小企業への就職が決まったとき。そんな時、「あーあ、行けなかった」ではなく、「中小企業で何ができるか」を考えることが大事だと原さんは語ります。
行きたかった大企業のよいところは何でしょう?それは中小企業ではかなえられないものですか?大企業ではなく、中小企業に行くことで得られるよいものは何でしょうか?見方を変えて、「◯◯がなければ、◯◯がある」を探しましょう。
(引用元:同上)
「まあ、大企業行けなかったけど、中小の方が自分のやりたいことできそうだし!」 現状にグチを入れるのなら、その直後に現状を肯定するプラス発言を入れる必要があるんですね。
つっこみを入れる
これはマイナスの感情を小さくする方法です。落ち込みすぎの感情につっこみを入れましょう。 例:失恋して 「あーもう、あんな大好きな人には二度と出会えない。人生最大のショックだよ」→「最大は言いすぎか」とつっこみを付け足す。
(引用元:同上)
こんな風にして、自分の状況を客観的に見つめる視点を持つのが大事だ、と原さんは語ります。人は往々にして、行き過ぎたグチを言ってしまうもの。いやいや、それは言い過ぎだったな、とつっこみを自分で入れてあげることで、過度に暗い気分になってしまうのを防げるんだとか。
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いかがですか?
グチを全く言わない、なんて人はいないでしょう。 というより、そんな人逆に怖いですよね。
上手にグチと付き合って、よりより生活を送りましょう。
参考 原祐美子|グチの教科書