あなたは今この記事をどこで読んでいますか? 朝の通勤・通学電車ですか? 今日も1日頑張ってください。それとも帰宅ラッシュの電車の中でしょうか? お疲れ様です。ゆっくり休んでください。でも、こんな人はいませんか?
特になにかするわけでもなく、ダラダラとベッドに寝転がりスマホをいじりながら… 大学の講義の途中、ノートも取らずにあくびをしながら… はたまた、勤務時間にもかかわらずネットサーフィンに興じながら…
耳の痛い人も多いはず。とはいえ、こんな風にダラダラしてしまうのは、誰にでもあることです。かく言う筆者も、今朝こたつから30分間は出ることができませんでした。無駄な時間とは分かっていても、やめられないものです。でもそれは、ダラダラすることで何が無駄になっているのか、分かっていないから。そこで今日は、経済学の知見を応用して、あなたが「ダラダラ」すると何がどれだけ無駄になるのか、一緒に考えてみましょう。
"機会費用"-あなたがダラけた30分で、何ができただろうか。
機会費用というのは、「あることをすると、他のことがどれだけ無駄になるか」と計算すること。何かをする時、あなたは必ず、「する予定のこと」リストの中から一つを選んで実行しています。その時選ばれなかったカードは、すべて捨て札になってしまいます。
昼寝をするなら、その時間できたはずの力学の勉強はできずじまいですし、誘われていた買い物にだっていけません。機会費用は、そうした行動を比較して、どれが一番利益が大きいか、ということを考えるのに使われます。 ですから、一概に昼寝を否定するのではありません。力学の勉強が死ぬほどつまらない、買い物に誘ってくれた友達のことが嫌いでたまらない。昨晩からあまり寝ておらず、ここで30分間昼寝をしてリフレッシュしたい! それなら、昼寝をしていた方が利益があるでしょう。
しかし、するべきことが山積み。仕事が終わっていない。それなのに漫然とダラダラする。これはどうでしょう。「ダラダラ」によって得られる利益と、その時間を使ってできたはずの利益を比べてみてください。もっとわかりやすく言えば、その時間でいくら稼げたか考えてみましょう。ちょっと恐ろしくなってくるはずです。 だらけそうな時。その時間を使ってどのくらいの利益が生み出せるのか、考えれば、ちょっと怖くなるはずですよ。
サンクコスト-一途に思うのは×。損切りは素早く的確に行うべし
時間をムダに過ごすのにもいろいろあります。本当に何もせずボーッとすることもあれば、今していることに価値を見出せず、モチベーションが高まらない、ということもあるでしょう。 例としてよくあげられるのは、映画。あなたが彼女とデートとして映画を見に行った時。その映画がひどくつまらなかったとしましょう。最悪ですね。せっかくのデートなのに。でも、その時、早く切り上げ出て行く、なんて人はあまりいないはずです。結局、つまらないながらも支払った1800円が惜しくて、ボーッと見続けてしまうのでは?
でも、これは間違っています。もう払ってしまったお金は取り戻せません。きっぱりと諦めさっさと退出し、違うところに遊びに行って楽しく充実した時間を過ごした方がはるかにましなのです。
経済学では、この場合の映画代、1800円のことを「サンクコスト」呼びます。これは、すでに支払ってしまったコストのこと。経済学では、サンクコストは勘定に入れずに物事を考えます。これからの自分の行動に常に目を向け、どう行動すれば利益を最大化できるか、と考えるのです。 もう払ってしまったコストにこだわり、無意味な時間をダラダラと続けるのは、全く「経済的」ではありません。
*** いかがでしょうか。あなたが無駄にしている時間。それはひょっとすると、あなた自身の幸福度を著しく下げてしまっているかもしれないのです。無駄すぎる時間を過ごし続けていたら、この記事のことを思い返してみてください。
参考 現代ビジネス|木暮太一の「経済の仕組み」 wikipedia|機会費用