「これでいいか」と、つい物事を“いいかげん”に取り組んでしまうことはありませんか? しかし、その“いいかげん”は、ちょっとしたことで“良い加減”に変えることができるのです。
“いいかげん”とは、本来“好い加減”と書き、肯定的な意味を持っていますが、否定的な言葉として用いられるようになりました。
ちょうどよい状態。適度。適当。①ほどほどのところで。「ふざけるのもいいかげんにしろ」。②無責任ででたらめなこと。「いいかげんな男」③中途半端でなまぬるいこと。「いいかげんに扱う」限度をこえた状態。かなり。だいぶ。「いいかげん疲れた」「いいかげんいやになる」
(引用元:福武国語辞典)
つまり、肯定的な“いいかげん”は、ちょっとしたことで否定的な“いいかげん”になってしまうということです。もしそうであれば、自分がつい“いいかげん”にしてしまうことも“良い加減”に変えられるのではないでしょうか。
“いいかげん”は“良い加減”
そもそも、あなたが“いいかげん”にやっていることは本当にダメな“いいかげん”なのでしょうか。
例えば、“いいかげん”に物を置き、散らかしてしまって怒られたとします。他人から見たら“いいかげん”でも、自分の中には無意識に“良い加減”となって秩序のある散らかりになっている場合がありませんか?
つまり、傍から見たら“いいかげん”にやっていることは自分にとっての“良い加減”であることが多いのです。
“いい加減”に意味を持たせる
自分の“いいかげん”さを直したい場合、どうすればいいのでしょう。 まずは、“いいかげん”なことに意味を持たせるということです。今の“いいかげん”を全て否定するのではなく、まずは“いいかげん”を受け入れて、部分的に改善してみましょう。
例えば、部屋の片づけをする時に“いいかげん”に物を置いたとします。その時に“いいかげん”に置いている理由を考えてみてください。 「片づける時間がもったいないから」、「必要なものを近くに置いているから」と理由をつけることで、無意識に散らかしていた物に“良い加減”の理由ができるのです。
“いいかげん”をゆっくり着実に
「いいかげんに、生きる」の著者、心屋仁之助さんはこう言っています。
ちゃんと「がんばる」より、かなり「適当」くらいが人生うまくいく
(引用元:心屋仁之助|「いいかげんに、生きる」2016年/朝日新聞出版)
“いいかげん”な人は、自分はちゃんと頑張れておらず、ゆったりとしていると悩んでいる人が多いのではないでしょうか。そんな人は、“いいかげん”なことに着実さをプラスしてみてください。“いいかげん”も、ゆっくり毎日進んでいけば必ず成果は出てきます。適当でいいんです。着実に取り組んでいきましょう。
*** ついマイナスイメージを持ちやすい“いいかげん”という言葉は、肯定的な意味を持っています。コツを掴めば、ちょうど良い“いいかげんさ”を持って行動することができるようになるでしょう。ぜひ、“良い加減”を心掛けて行動してみてください。
(参考) ひろさちや|「『いいかげん』のすすめ」2008年/PHP研究所 日高 敏隆|「世界を、こんなふうに見てごらん」2013年/集英社 心屋仁之助|「いいかげんに、生きる」2016年/朝日新聞出版