『人・本・旅』から学ぶ。賢い社会人の “教養の身につけ方”

みなさんは、教養(リベラルアーツ)を身につけるために自身で何か取り組んでいることはありますか。

文部科学省が示すところによれば、教養とは「個人が社会とかかわり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身に付ける、ものの見方、考え方、価値観の総体」のこと。

ビジネスパーソンも教養を身につけておくことが大切だ、とはよく言われます。そのため、教養を学んだほうが良さそうであることを何となく分かっている方は多いでしょう。しかし、仕事に追われ時間の余裕がない中では、教養を学ぶということはどうしても優先順位が低くなってしまいますよね。効率的に教養を高める方法があるなら、知りたいと思いませんか?

そこで今回は、基本的な教養を身につけるための効率的な方法についてお伝えします。

ビジネスパーソンに教養が必要な理由

そもそも、教養を身につけることはどうして私たちに必要なのでしょうか。学生ならまだしも、ビジネスパーソンの皆さんの中には、自分の仕事に関係のない分野の教養をあえて学ぶ必要性を感じない、と考える方がいらっしゃるかもしれませんね。

ジャーナリストである池上彰氏は、教養を身につけておくことで、さまざまな偏見や束縛にとらわれず自由な発想や思考を展開することができると言います。教養をとおして幅広い知識や視点、価値観を得ることができるからです。例えば新しい製品のアイデアを出す場合、「顧客マーケティングから考えると〇〇を作るべきだが経理の視点からすれば△△が限界だ、しかし技術的な面で言えば□□で妥協できそうだ」というように複眼思考が可能となるのです。

また、仕事の質を高められるというのも教養を身につけるメリットです。例えば、教養の1つとして挙げられる国語力。会話をしたり本や新聞を読んだりなど、日常生活はもちろんビジネスシーンにおいて言葉を用いない日はありませんよね。仕事を要領良くこなしていくためには、論理的思考力や表現力が必要です。それらの力を養うのに、教養として国語力を高めることはとても意義あることだと言えます。

それから、幅広い教養を身につけることで、自分と同じ分野、同世代の人だけでなく、異なる分野、違う世代の人とも会話を膨らませることができるようになります。普段は接点が少ないような人とでも、身につけた教養から共通点などを見つけることができれば、相手への理解を深めることができるかもしれません。相手との信頼関係の構築にも役立つでしょう。

教養を身につけるために有効な「人・本・旅」

ライフネット生命保険株式会社の創業者である出口治明氏によれば、教養を身につけるには「人・本・旅」から学ぶと良いのだそう。つまり、人に会って教えてもらう、自分で本を読む、多くの場所に旅をして実際に体験するという3つの方法が、自身の教養を高めていくことにつながると伝えています。

では、私たちはどうすれば効率的に教養を身につけていくことができるのでしょうか。順番にご紹介します。

1. 「人」から教養を学ぶ場合

人から教養を学ぶ、すなわち、人に会って教養を教えてもらうということは、何か特別な行動をするというよりも普段の生活の中で常に意識するようにしてみてください。

例えば、取引先の企業を訪れた際の相手との何気ない会話の中に、教養を得るヒントがあるかもしれません。その会話を、単なる無駄話で終わらせるのはもったいないものです。相手が詳しく知っていそうな分野や、相手の興味関心が高い分野について尋ねてみましょう。相手の企業がある土地の地理や名産品を聞いてもいいですし、相手企業の社風や独自の取り組みなどを教えてもらってもいいですね。そうすれば、自分がこれまで持っていなかった教養を身につけることができます。会話が弾むことで、相手との関係性が深まり、より強く信頼関係を構築することもできるかもしれません。

また、現在ではビジネスで海外の人とやりとりすることも少なくないでしょう。社内の外国人スタッフや海外の取引先の人から、自国の産業や文化、価値観などについて急に尋ねられることもあるかもしれません。時事ニュースを題材に意見交換をする機会もあるでしょう。そのような時にパッと答えられたり自分なりの意見を述べたりできるようにするためには、教養が必要です。日頃から同僚などと話し合ってみるほか、学生の頃に学んだことを整理するなどしておくと良いですね。逆に、海外ではどのような産業や文化、価値観があるのかを相手にも尋ねてみてはいかがでしょうか。より深い教養を得ることができますよ。

2. 「本」から教養を学ぶ場合

自分で本を読むとは言っても、どんな本を読めば教養を高められるのか分からないという方も多くいらっしゃるでしょう。そこでオススメしたいジャンルが「歴史」もしくは「古典」です。

文学、美術、音楽、哲学、科学技術などさまざまな分野に通じているのが「歴史」や「古典」です。これらのジャンルの本を読めば、教養の初歩的な知識や考え方を学び取れるに違いありません。ちょっとしたスキマ時間でも読書はできるため、教養を効率的に身につけるにはうってつけの方法です。歴史や古典はとっつきにくいと感じる方は、最初は関係する漫画を読むことから始めてみてもいいですね。自伝や、教科書で見かけたことのある作品など、いくつか読んでみてください。

ではビジネスパーソンが歴史や古典から学び取れることとは何でしょうか。上で説明したように、ビジネスの現場ではグローバル化が進展していて、多様な価値観の人と仕事をする機会が増えています。そこで、多様な価値観を認める姿勢を養うのに歴史や古典が役に立つのです。社員研修に歴史や古典を学ぶ機会を設けている三井物産の担当者は、次のようにコメントしています。

海外で文化の違う相手と接する社員は多様な価値観に柔軟に対応しつつも、自分なりの判断の軸が必要になる。リベラルアーツでその基礎が身に付く

(引用元:NIKKEI STYLE|哲学・歴史・古典… 職場研修で教養を磨く

歴史や古典を学ぶことは、自分の知識や経験が限られたものであることを実感する機会になるほか、自分の考えは思い込みに過ぎない可能性があることに気付くといったように、価値観や考え方を変える機会にもなりますよ。

3. 「旅」から教養を学ぶ場合

人から聞いたり本を読んだりして知ったことでも、自分の目で見てみなければ分からないことがあります。旅行時に博物館や美術館など、教養を身につけられるような場所へ実際に足を運んでみると良いかもしれませんね。

旅行だけでなく、出張や外勤の際にも教養を身につけることは可能です。各地での人々の生活や働き方を観察してみてください。そこに見られる大きな特徴や、場所による違いがもしかするとあるかもしれません。1つ1つ注意深く確認してみれば、新たな知見を得られるはずです。自分の持っていた常識とは違う価値観に出合うことで、新たなビジネスチャンスの発掘につながる可能性もあるでしょう。自分の目で見て、肌で感じることが、型にはまらない柔軟な思考につながっていくのです。

*** 忙しい日々の中でも、教養を身につけることはできます。教養は、身につければそれで終わりというものではなく、必ず実生活に活きてくるもの。みなさんもぜひお伝えした方法を実践して、ビジネスシーンをより豊かなものにしてください。

(参考) 文部科学省|第2章 新しい時代に求められる教養とは何か DIAMOND online|なぜ一流のリーダーは「教養」を重要視するのか 東洋経済ONLINE|今の日本人は、本当に教養がないのか? ハフィントンポスト|「リベラルアーツ」なぜ必要か—自由に生きるための“大人の教養”:研究員の眼 NIKKEI STYLE|哲学・歴史・古典… 職場研修で教養を磨く

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