夜遅くまで仕事や勉強をするのは、もはや当たり前かもしれません。
夜の作業は暗いし、眠いし、疲れているし。なかなか効率があがらないものですね。そんな時、エナジードリンクやブラックコーヒーで気合を入れるのもいいですが、ちょっと待った。そうした「ドーピング」に頼る前に、今の環境を見直してみましょう。
デスクライトはどんな色のものを使っていますか?室内の蛍光灯はチカチカしていませんか?今日は、夜中の活動をパワーアップさせる、「脳に効く」照明の話です。
青白い光は「温度が高い」??
コンビニの照明のような真っ白で明るいライト。おしゃれなカフェのように、柔らかく温かみのあるライト。照明の色合いによって、雰囲気ってだいぶ違ってきますよね。
照明には「色温度」と呼ばれる指標があるのをご存知でしょうか。熱力学の世界では、物体を熱した時に、高い温度のものほど青白く、低い温度のものほどオレンジや赤っぽく光ることが知られています。
普通の感覚とは違いますよね。私たちは青色を「寒色」赤色を「暖色」と呼ぶのですから。でもそれは、私たちが普段目にしている「火」の温度があまり高くないから。オレンジ色の炎は、火の中では温度が低い方なのです。
「やること別」で照明を使い分けろ?
違うのは雰囲気やイメージだけではありません。なんと、脳に対する影響も違ってくるんだとか。オフィス照明を専門に研究する同志社大学の三木氏の研究によれば、色温度の高い 青白い光ほど「短時間で集中する単純作業」に向いており、色温度の低いオレンジなど温かみのある光の方が「長時間かかる/クリエイティビティが求められる作業」に向いているとのこと。
確かに、真っ白で青に近い蛍光灯の下では、ガーッと短時間の集中はできそうですね。でも長時間、となると目が疲れたりして、集中力は下がってしまいそう。逆に暖かみのある色の照明をイメージしてみてください。計算や書類整理といった単純作業は眠くなってしまいそうですよね。ただその分、ゆったりとした雰囲気で、アイデアを考えたり、絵を描いたりするのには向いている気がします。
照明じゃなくて、場所を変えて作業しよう
じゃあ、照明を何種類も何種類も用意しておいて、勉強や仕事の種類が変わるごとに切り替えればいいか…というと、それは難しいですよね。
「よし、データ打ち込みが終わって、次は書類整理だから青白いライトに切り替えよう」「次は来期の企画のアイデアを考えるから、温かみのある照明にしよう」
こんなことをやっていたら、逆に疲れてしまいそうです。何種類もライトを用意するのはお金がかかりますし、経済的ではありません。一つのライトが調光式になっていて、ライトの色合いを変化させられるものもありますが、これもちょっと値段が張ります。
そこでおすすめしたいのが、作業によって場所を変えること。オフィスや学校では無理かもしれませんが、休日家にいて仕事/勉強をする時にはぴったりの方法です。
例えば、家の明るくキリッとした照明の下で短時間集中で作業を終わらせ、そのあとカフェのやわらかな雰囲気の中でクリエイティビティを発揮する…という風に。こうすれば場所を変えることで気分転換にもなりますし、一石二鳥。わざわざ高いライトを買う必要もありません。
ぜひお試しあれ。
参考
日立 ニュースリリース|脳科学の知見を活用した学習照明スタンド「調光式学びライトLED」を発売