会議で気の利いた発言をしたくても、どうも的外れなことしか言えない。「質問をどうぞ」と言われたが、頭が真っ白になってとんちんかんな質問をしてしまった。的外れなことを言ってしまいそうで、怖くて発言できない……。会議での「とっさのコメント」に自信がない方のために、的外れな発言をしないためのテクニックを紹介します。

的外れな発言とは

「的外れ」とは、「大事な点を外している」「ねらいがずれている」こと。「的外れな発言」というのは、論点がずれていてテーマとは関係がなく、本質的ではない、いわば「どうでもいい発言」を指します。

例えば、会議で「この商品の課題は何か」というテーマで議論をしている中、「私が商品開発において大切だと思うことは○○です。××でないと△△できないからです。だから○○すべきだと思います」と発言したとしましょう。その発言の内容自体は変ではなかったとしても、「商品の課題は何か」というテーマに正面から向き合っていない発言だったとしたら、それは的外れな発言と言わざるを得ません。

また、企画のプレゼンに出席した際「質問はありますか」と言われとっさに思い浮かばず、「さきほど言及されていた○○とはどういうものなのですか?」と、調べればわかるようなことを聞いてしまったとしたら。提案された企画の内容について議論を深めるべき場であるのに、初歩的なことを質問してしまえば、周りからは「この人何言っているんだろう」と思われてしまいますよね。

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なぜ的外れな発言をしてしまうのか

会議で言ってしまった的外れなコメント。その場では一生懸命に発言しているつもりだったのに後になって「あの発言、的外れだったな……」と気づくことも多いものです。ではいったいどうして、発言は的外れになってしまうのでしょう。

1. 準備が不十分だから

会議であれば、あらかじめ議題が分かっているケースがほとんどのはず。にもかかわらず、事前配布資料に目を通しておかなかったり、議題となる事柄の基礎的な情報を収集しておかなかったり、問題点について自分なりに考えておかなかったりすると、会議では議論についていけません。他のメンバーは準備万端で議論を進めている中、準備不足な状態で発言しようとしたら、的外れなことを言ってしまう可能性は高まりますよね。

2. 自分の意見に固執しているから

フリーアナウンサーで、仕事に役立つ話す・聞くテクニックに関する著書を持つ魚住りえ氏は、会議では発言の中身によって出席者を不快にさせることがあると言います。そして、嫌われる人が言ってしまっている会議の発言の特徴のひとつとして魚住氏があげるのが、「自分の意見を頑固に押し通す」という点。

会議は、目的に向かって皆で意見を出し合う場です。それなのに、自分の意見を頑固に押し通そうとすれば、他の参加者を嫌な気持ちにさせるだけでなく、発言自体も出席者の合意からは程遠い、的外れなものになっていくでしょう。いくら自分が正しいと信じることであっても、主張のし過ぎは良くないのです。

3. 会議の目的を理解していないから

会議の目的をきちんと理解していない、あるいは、理解しているつもりでも途中で忘れてしまうと、発言は的外れなものになりがちです。

例えば、ブレストを目的とした会議でのこと。意見を出したはいいものの、他の人からちょっとした反論をされたことが不満で、自分の意見を守ろうとしてあれこれ考えを付け足してしまったとしましょう。このケースは、感情的になってしまって的外れな方向に話を持って行ってしまっている例。「この会議はブレストだ」ということを忘れ、自分の意見に関する説明に重きを置いているために、こうしたことが起きているのですね。

自分の発言の後で「では、話を本筋に戻しましょう」「今回のテーマは○○○○ですが……」などと議長に言われて初めて、「あ、的外れな発言をしてしまった!」と気づくのは、何とも恥ずかしいことではないでしょうか。

的外れな発言をしないための方法

会議では、発言すること自体に価値があることは確か。うまく言えず口ごもったり、「特にありません」で終わらせてしまったり、最悪の場合一言も発言しなかったりするよりは、どんな意見でも述べたほうがよいという考え方もあります。とはいえ、的外れなことを言って周囲から不興を買うのは避けたいもの。

上で見てきたように、的外れな発言をしないためには、会議に出席する前にしっかり準備をしておくことは最低条件。さらに、自分の主張を押し通そうとし過ぎないことや、会議の目的を常に意識することは大切なことです。それ以外のテクニックとして、的外れな発言をしないための方法を2つ紹介します。

1. 他人の発言を言い換える or まとめる

「いい発言をしたい、けれどいい意見なんて浮かばない」という場面、ありますよね。そんなときは、他の参加者の意見によく耳を傾けながら、自分なりの意見をまとめていきましょう。たとえ、他の人と同じ意見しか持てない場合でも、「○○さんと同じです」とは言いません。「それは、言い換えると□□ということですよね」や「例えば×××ということですか」など、自分の言葉で表現をし直すといいですね。

また、何人かの発言から共通点を見出してまとめてみたり、少し難しい議論の流れをかみ砕いてみたりして、議論を整理するための発言をする、というのもひとつの方法です。自分の意見を持ちにくい状況で、わざわざ周囲をアッと言わせるようなことを言おうとすると、かえって的外れなことを言ってしまうおそれもあります。そのような場合は、参加者の意見を理解しまとめる、という役割を担ってみるといいでしょう。

2. 本質的かつ具体的かを考える

明治大学文学部教授の齋藤孝氏は、議論において、参加者に新しい視点を提示するような質問を「できる人の質問」、的外れな質問や終わった議論を蒸し返すような質問を「残念な人の質問」と表現し、質問の作法について次のように解説しています。

「できる」と「残念」を分けるものは何か。実はその境界線となるポイントは、2つしかない。1つは、「本質的」であること、もう1つは「具体的」であることだ。両方ともクリアして初めて、「合格点の質問」になる。

これは、「具体的―抽象的」を縦軸、「本質的―非本質的」を横軸とする座標軸をイメージすれば分かりやすい。自分の発する質問が、常に右上(第1象限)のスペースに当てはまるか、つまり、具体的であると同時に本質的であるかをチェックすることを、習慣づけてほしい。

(引用元:日経ビジネスONLINE|「残念な人」がやりがちな、よくある質問)太字は編集部にて施した


(図は編集部にて作成)

このことは、質問についてはもちろんのこと、会議における発言内容についても同じように当てはめることができます。

例えば、「チーム内のミスを減らすためどのような改善策が考えられるか」を議論しているとき、「メンバーのシフトの管理は重要だと思います」と発言したとしましょう。これ自体は、チーム運営の在り方を考えるうえでは本質的な発言だと言えるでしょうが、テーマに沿っていて具体的だとは言えない発言。「ミスを減らすためには、作業に集中できることが大切です。そのためには、長時間労働や休みが無いといった状況を防ぐ必要があるので、メンバーのシフト管理をすることが重要だと思います」と発言すれば、本質的かつ具体的な発言になりますね。

的外れな発言をしてしまわないように、本質的かつ具体的かどうかを意識してみるようにしてください。

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事前準備を十分に行ない、その場の話の流れに意識を傾けること。そして、発言の内容がテーマに沿っていて具体的かを考えてみること。これらを意識すれば、あえて鋭い発言をしようとしなくても、的外れな発言を防ぐことは可能です。これでもう、会議での発言は怖くありません。

(参考)
東洋経済ONLINE|嫌われる人の「会議の発言」、よくある7大NG
会議HACK!|会議中の発言に気をつけよう!会議で意見の有効性を高める方法
東洋経済ONLINE|会議でバレる「頭脳も心も二流」の人の3欠点
日経ビジネスONLINE|「残念な人」がやりがちな、よくある質問
東洋経済ONLINE|「会議で影が薄い人」は役割をわかっていない
日本コミュニケーション学院|議論の話し方教室|議論の最中に的外れな意見が!どう対応すべき?